長谷川千雨誕生日ss

その前に業務連絡的なことをひとつ。
痛いシーンキャプ間に合いませんでした。


たぶん、月曜日になるのではないかと。
遅くとも火曜日までにはやりたいです


閑話休題。今日は"普通なようで普通じゃない人"長谷川千雨の誕生日ss
いつもどおりヨムヨム君で

"サクラサクミライコイユメ…"


「まったく、何なんだよ。クシュン。」
その日長谷川千雨は病院にいた。どうも日ごろの疲れがたまっていたらしく体調を崩してしまったらしい。
無理を押して授業に出たら途中でぶっ倒れて綾瀬夕映和泉亜子に担がれて保健室に運ばれてしまったらしい。
それを見たネギが"病院にいってください! "といったため病院に行ったのだが単なる風邪だったらしい。
「こんなのあいつらに見られたら"千雨ちゃんも風邪引くんだぁ〜"っと言われるんだろうなぁ・・・。」
と、薬を待っていると誰かが声をかけてくる。
「ったく、誰なんだよ! 」
後ろを振り向くと6,7歳くらいの女の子と若い女
「何だ、朝倉と・・・。」
「神田です。」
「すまん、すまん。」
そこにいたのは朝倉まゆみと姉の神田美月。あれから少しではあるが協力をする事にになった。
本人は嫌がっていたが写真をばら撒かれるのがいやなんて言うことは口が裂けてもいえない。
「ねぇねぇ、千雨お姉ちゃんって"あれ"なんだ。」
「こらっ。」
長谷川千雨をからかう朝倉まゆみを見て神田美月が突っ込みを入れる。それを見て頭を抱える長谷川千雨
「…ったく。で、お前たちもあれなのか? 」
問いかけに首を振る朝倉まゆみ。
「あのね…。」
と、長谷川千雨を引っ張ろうとする朝倉まゆみ。
「ちょっ。まだ薬が。」
「そうよ。千雨さんだって病み上がりなんだから。」
と、二人からつっこまれてしょげる朝倉まゆみ。
「あー。後でついてってやるから。ちょっとだけ待ってろ。」
「でも…。」
「気にすんな、気にすんな。学校に戻ってからかわれるよりかはこいつについていった方がいいってこともあるからな。」
「わぁーい!! 」
と、大きい声を出したために周りから白い目で見つめられてあわてる朝倉まゆみを苦笑している二人だった。




「ここなの。」
「何だ、お見舞いか。」
「そうみたい…。」
「姉でも把握してないのか? 」
「あの子、吸血鬼のくせして好奇心だけは強いんだから…。」
「まあ、そこあたりはお子チャマだな。」
と、心配する二人をよそに病室に入って行く朝倉まゆみ。
「静菜ちゃんお見舞いに来たよー。」
そこにいたのは桜の髪飾りをつけた女の子。
「桜井静菜ちゃん。前から心臓が弱いんだってさ。」
「・・あれ、まゆみちゃん、この人は? 」
「んっとねぇーネットアイド・・もごっ、もがが!? 」
とんでもないことを口走ったため長谷川千雨が朝倉まゆみの口を強引にふさぐ。
「忘れろ。まぁー・・こいつの友達ってわけだ。」
鬼気迫る形相にぼーぜんとする桜井静菜。
「あっ・・んん。で、本当は? 」
とりあえず自己紹介はする長谷川千雨
「へぇー。まゆみちゃんの友達なんだ。」
と、心が穏やかではない桜井静菜。
「静菜ちゃんどうしたの? また、あれ見てるの? 」
と、静菜の眺めているほうを見ると枯れている木。
「どうかしたんだ? 」
「かわいそう…。千雨お姉ちゃん、静菜ちゃんずっとあのままなんだ。」
「美月さんは‥どうなんだ? 」
「私は、かわいそうだと思うけど…。」
と、あきらめ顔。
「しゃーないな。少し手伝ってやるか。」
「私のためにこんなことしてもらえるなんて…」
恐縮する桜井静菜に頭をかきかきする長谷川千雨だった。




「なぁ・・柿崎? 」
「どしたの? 千雨ちゃん。」
元気になってから柿崎美砂に咲かない桜の木の事を聞くことに。
「ん〜。もうかれこれ5年くらいあそこだけ花咲かしてないなぁ〜。」
「いや、そういうことじゃなくって何か伝説とか聞いてねぇか? 」
そう聞き返すとなぜかにっこりする柿崎美砂
「あの桜の木には〜遺体が埋まっていて、黒い魔法使いは美女の生き血を吸って干からびた遺体を夜な夜な埋めているんだって。だから、あそこは花を咲かないんだって〜。」
「何だ、意外と普通なんだな。そういう都市伝説はネットで見ているから・・・。」
後思い当たることはないかと考え込むと何かを思い出したらしい。
「そうそう。最近夜な夜な赤いドレスを着た女の子を見たって。で、その女の子は何か悲しげな目でその桜の木を触っているんだって。」
「ふ〜ん…。」
意外とそっけない態度に少ししょげる柿崎美砂
「え? 何、何? 桜の木の下に遺体が埋まっているって? 」
その話を聞きつけてやってきたのは早乙女ハルナ
「あ、ちょうど良いところにきた。千雨ちゃんがね。咲かない桜の木の話をしてほしいって。」
「そう、それは私たちがこの学校に来るずっと昔の話。第2次大戦中、隣の川越市の空襲から逃れてきた女の子が一人。親ともはぐれておなかをすかしふらふらになってその桜の木までやってきたの。」
「へぇ〜。」
「で、その女の子は力尽きて倒れてしまうので、言い残した言葉が・・・。」
固唾を呑んで聞き入る長谷川千雨
「千雨ちゃんはコスプレ大好きの変人なの! 」
「ちょっと待て! お前絶対に後付けだろ! 」
「へぇ〜そうなんだ。」
「やっぱり千雨ちゃんも変人なんだぁ〜。」
「余計なこと口走るな! 」
「隠さなくても良いですぅ〜。」
「ふざけるな! 」
とからかう鳴滝姉妹を必死の形相で怒る長谷川千雨だったがそれを受け流す早乙女ハルナだった。。




「ったく、あの腐れ女…。」
と、辟易しながらも咲かない桜のことを調べるがどうも期間が長すぎる。
柿崎美砂が言うには5年は咲いていないというが、どうも当時の記録とかで調べていても50年以上枯れたままで、市が撤去をしようとした瞬間に赤い服を着た女の子がさびしそうな目で見つめられ作業員が発狂して誰も近づかなくなったと言う記録が残っている。
「と、なると赤い服着た女の子か…。」
「ちーさめっちゃん! 」
しばらくすると二人組の女の子が声をかけてくる。一人は朝倉まゆみなのだが、もう一人は物怖じしているのか朝倉まゆみの影に隠れてしまう、まゆみよりも背の高い女の子。
「そいつ、誰なんだ? 」
「あ、あの・・始めまして。まゆみさんがいつもお世話になっているから・・・。私、大西明菜って言います・・・。」
と、顔を真っ赤にしてしまう大西明菜。
「で、どうしてこいつなんか連れてきたんだ? 」
「あ、あそこ!! 」
大西明菜が指差した先には咲かない桜をなでている赤い服を着た女の子。
「行くぞ! 」
と、後を追っかけるがすっと消えて見失ってしまう。
「くそっ! 」
と、舌打ちをするがなぜか朝倉まゆみはニコニコ。大西明菜はそわそわ。
「明菜ちゃん、わかる? 」
周りを嗅いで行き先を探し出す大西明菜。
「千雨さん・・こっちです。」
と、指差す大西明菜。きょとんとする長谷川千雨。とりあえず指差したほうに行ってみると、赤い服を着た女の子がしれっとした顔でたっている。
「…よく、わかったね。」
「お前、何者なんだ! 」
「あなたたちこそ何者なの? 何で咲かない桜を調べているの? 」
「あのね、私の友達が咲かない桜のこと見て不安そうな顔してたの。」
「…でも、あなたたちには関係ないこと。」
「関係ないだと! 」
「今は、まだ、話せない。」
すると周りを花びらが舞い散る。舞い散った後に何もいなくなっていた。ぼーぜんとする3人。
「逃がしちゃった…。」
しょげる大西明菜を見た長谷川千雨はぼーぜんとする。
「お、お前・・・」
大西明菜の頭の上にはどうしても人間の耳じゃないものがくっついていたからだった。




「あ、あの・・私、イヌミミっ子なんです。」
「明菜ちゃんねぇー。興奮するとイヌミミと尻尾が出ちゃうんだって。」
「…ったく吸血鬼の癖してあっけらかんと話すよなぁー。」
「とりあえず、秘密なんだよぅー。」
とふてくされる朝倉まゆみに相変わらず顔を真っ赤にしている大西明菜の話を聞いている長谷川千雨
「なんというか・・物心ついたときから興奮するとイヌミミと尻尾が出てくるの…。」
「ふーん。」
「あ、あのっ! びっくりとかしないんですか? 」
なんら動じない長谷川千雨にびっくりする大西明菜
「いや、そーいうの見慣れているからさぁー。うち、変人たちの集まりだから。」
「そう・・なの。」
「まぁ、良いさ。鼻とか利くんだろ? お前にも手伝ってもらうぞ。」
こっくり頷く大西明菜の頭をなでる長谷川千雨だがなでられた瞬間に顔を真っ赤にして沸騰してしまう。
「・・・私でよければ。」
「明菜ちゃん、よかったね!! 」
あまりの恥ずかしさに声も出ない大西明菜。空を見ると夕暮れ時。
「帰るか。うち、一緒なんだろ? 送ってってやるよ。」
「あ、ありがとうございます!! 」
3人で一緒に帰ることにする。
「なんだか、私たち姉妹みたいだね。」
確かにそう見えなくもないがこんなやつが妹と思うとぞっとすると思っていた長谷川千雨。しばらくするとマンションの入り口に到着するがそこにいたのはまゆみや明菜と同じくらいの女の子が座っていた。
「明菜、遅いニャー。」
「ゆ、優香ちゃん、ごめんなさいっ!! 先に帰るつもりがまゆみちゃんにつかまっちゃったから。」
「ん? こいつは? 」
「明菜ちゃんと一緒に暮らしている相原優花ちゃん。」
「はじめまして! まゆみ、この人は? 」
「ネットア・・・。」
どげしっ! 
口を滑らす朝倉まゆみの後頭部をどつく長谷川千雨
「いたいよ〜。」
「お前は、いったい何人にしゃべれば気が済むんだ!! 」
「お姉ちゃんにしか話してないよ〜。」
「それですらも問題だ! 」
二人のやり取りを面白そうに見ている相原優花。
「何か面白そうな人だにゃ〜。」
「お前が期待するほど面白い人間じゃないから。」
「そうだ〜。明菜〜。先生は? 」
「直美さん、今日、遅くなるから・・・。」
「何だ、共働きなのか? 」
「ハイ。」
「じゃあ、一緒に・・・。」
といったところで神田美月が帰ってくる。
「千雨さん、ごめんなさい。今日まゆみたちの面倒見るのすっかり忘れちゃってて・・・。」
「お姉ちゃんだぁ〜。」
姉を見た瞬間に抱きついてくる朝倉まゆみ。
「まゆみ、千雨さんに迷惑かけなかった? 」
「すっごく優しい人でした・・・。」
と、なぜか顔を赤らめる大西明菜。
「もしかして、恋わずらい? 明菜ったらおっとな〜。」
「ち、違うの!! 」
相原優花にからかわれて恥ずかしがる大西明菜。
「じゃあ、千雨さんにお礼言いなさいよ。」
「千雨お姉ちゃん、じゃーねー。」
「さ、さよならっ!! 」
「じゃあ、またな。」
と、やっと解放された長谷川千雨は寮へと戻ることになるが赤い服を着た女の子をずっと気にかけていたのであった。




「ちう様、ちう様! 」
「ん、どうした。わかったのか? 」
気になっていたので桜井静菜の素性を調べさせていたのだったが、あわただしく電脳精霊達がやってくる。
「はいです。桜井静菜ちゃんは1937.3.29生まれ・・・。」
「もう50過ぎか・・・。」
「1945.5.25に亡くなっています。遺体が見つかったのは麻帆良市桜台・・・。」
「はぁ? 咲かない桜の木の近くか? 」
「その通りです。」
「それだけじゃないです。咲かないことを不審に思って切り倒そうとしたのですがそのたびに赤い服の女の子が出てきて邪魔をしてるです。」
「この前も、折ろうとした酔っ払いがその女の子に追い掛け回されたらしいですよ。」
「じゃあ、その女の子が絡んでいるわけだな。問いつめてみねぇとわからないわけだ・・・。」
あれこれ考えていると扉が開く。
「勝手に入ってくるなって・・・!!?! 」
そこにいたのは朝倉まゆみと大西明菜。
「やっほー。」
「どうしてここが・・・。」
「あ 、あの茶々丸さんがここだと・・私は"人の部屋にはいるのだめだよ"って言ったのにまゆみちゃんが・・・。」
「(あのボケロボ・・・。)」
絡繰茶々丸が誘導したことに対して眉間にしわを寄せる長谷川千雨
「かわいい〜。」
と、人の話も聞かずに長谷川千雨の部屋を探索する朝倉まゆみ。
「似合う? 」
「コラ! それに、目的があってきたんだろ。」
「そうだった。」
言った瞬間に真顔に戻る二人。
「やっぱり関係ないとは言っていたけど・・・。」
「まゆみちゃん、ずっと気にしていたの。毎日、毎日お見舞いに来ていたのに関係ないって言われたのがショックだったらしいの。」
「お願いなの。静菜ちゃんが何をしているか・・知りたい。」
二人に懇願される長谷川千雨
「わかったよ。・・・でも、事実を知ってへこまないか? 後悔したって責任は取れないぞ? 」
そういわれると頷き返す二人。
「よし、行こうか。」
と、準備をして向かうのであった。




「静菜ちゃん、いない! 」
「千雨さん、どこ行っちゃったの? 」
「やっぱりな・・・。」
3人は桜井静菜の病室に向かうがそこはもぬけの殻。入院していたという形跡はあるが人っ子一人すらいない。
「こっちのほうが一足遅かったって言うわけだ。だとしたら、ここに長居はできないぞ。」
「ねぇ、どこに行くの? 」
「あそこだよ。」
と、咲かない桜のそばまで連れて行く長谷川千雨
「あ、あの・・・何がわかるんですか? 」
「こいつの想い、聞いてやるんだよ。」
と、手に取ったのは仮契約カード
「来れ! 」
長谷川千雨の手には魔法の杖。それを見てびっくりする朝倉まゆみと大西明菜。
「お姉ちゃんって魔法使いだったんだ。すご〜い。」
と、拍手する二人を見て頭を抱える長谷川千雨
「3人だけの秘密だぞ。」
そして、桜の木のそばにノートパソコンを置くとなにやら呪文を唱える長谷川千雨
「・・広漠の無、大いなる霊それは壱、電子の霊よ水面を漂え我こそは電子の王! 」
そういうとあたり一面の魔法陣が広がり3人を包み込む気がつくと変わらない風景だが空が明るい。
「ここは・・・。」
「何か、あっちのほうが燃えているよ! 」
「どー言うことなんだ! 」
「ちう様、これは川越大空襲があった日の麻帆良です。私たち、その日に飛んでしまったようです。」
「じゃなくって・・・桜の記憶がここで止まっている証拠なんだろ? 」
と、話しているがそっちのけで電脳精霊と遊んでいる朝倉まゆみと大西明菜。
「ち、ちう様、助けてください! 」
「かわいい〜。」
「かわいいね。」
「遊んでろよ。どうせ、こいつらにからかわれても危害はないんだろ。」
「そんな、ひどいですぅ〜。」
「何か、変な気配感じます! 」
するととっさに飛び出した大西明菜のイヌミミがぴょこんと反応する。やってきたのはつぎはぎだらけの服に防空頭巾をかぶった女の子。
どうやらはぐれてしまったらしいが、3人にはきづいていない。
「さびしいよぅ・・おなか減ったよぅ・・・。」
「助けてあげないと! 」
朝倉まゆみが近づくがすり抜けるだけ。
「・・・どうやら、見せ付けてるみたいだな。」
その女の子は満開の桜の木の根元でばったりと倒れてしまう。するとそこに出てきたのは桜井静菜。
「助けて・・・」
そのまま桜の木のそばで息を引き取ってしまう。
「かわいそう・・・。わかった。あなたの想い、絶対にかなえてあげるから・・・。」
すると満開の桜はいつの間にか枯れ木に戻りその少女も消えていた。
「・・そういうことだったのか。だからずっと咲かないまま・・・。」
「いたの? 」
3人に気づく桜井静菜。
「静菜ちゃん! 」
「どういうことなの? 」
「見てたでしょ? 私は・・・。」
「"桜の精霊"だったって言うわけか。」
「勘が鋭いのね。あなたたちにいまさら何がわかるって言うの? この子は誰に看取られずに死んだのよ。だから、私はこの子の思いを引き継いでいるのよ・・・。」
「それは静菜ちゃんの思い過ごしだよ! 」
「あなたたちまで、私の邪魔しに来たのね! 」
と、烈火の炎が3人めがけ襲い掛かってくる。
「たかが人間なのに・・」
「違うよ! 」
「え? 」
そこにいたのは無傷の3人。長谷川千雨が防護壁を展開した上で黒色の袖なしセーラー服に。朝倉まゆみはオレンジの袖なしセーラーに大西明菜はブルーの袖なしセーラーに着替えていた。
「ビブリオパンジーオレンジ! 」
「ビブリオデイジーブルー! 」
「そして、ビブリオルーランルージュ! 」
「私たち、魔法少女ビブリオン! 」
ぼーぜんとする桜井静菜。
「まあ、良いわ。相手になってあげる。」
と、静菜の周りを桜の花びらが舞う。
「千雨ちゃん、姿が見えないよ〜。」
チャフを張ったか・・・。ちう様の目をなめるなよ! 」
と、すぐさまキーボードを叩き追跡する。するとサーモスタットソフトには静菜の姿がはっきりと。
「大西、左だ! 朝倉は大西のサポに回ってやれ! 」
「わかりました。」
「オッケーだよ! 」
と、後を追いかける二人。追いかけられた桜井静菜もにやりとする。
「これでどうかしら? 」
と、炎をまとったパンチが大西に飛んでくるがけものグローブみたいな腕で受け止めてしまう。すぐさま反撃し吹っ飛ばしてしまう。
「なかなかやるのね。これはどうかしら? 」
と、花びらを飛ばすとすべてが火の玉になって飛んでくる。
「見えた。」
犬並みの動体視力で大西明菜はよけきるが朝倉まゆみにはよけるそぶりすらしない。
「まゆみちゃん! 」
「明菜ちゃん、大丈夫だよ。」
にっこりすると朝倉まゆみの姿は霧と化し桜井静菜の真後ろに。
「静菜ちゃんのバカ! 」
と、自分の血で作った赤い剣で切りつける。苦痛に浮かぶ桜井静菜。
「どうして・・・なの? 」
「だって・・・。」
と、朝倉真由美が手をとろうとした瞬間桜井静菜が怪しく微笑む。
「まっすぐすぎるのね。」
大量の花びらが朝倉まゆみを取り囲み切りつける。
「まゆみちゃん! 」
「朝倉! 」
「あの花びらに取り囲まれて無事な人間なんていないわ。」
しかし、花びらの嵐が消えたかと思いきや、朝倉まゆみは傷だらけではあるがにっこりしながら立っていた。
そして、にっこりしたまま突き刺してしまう。
「静菜ちゃん、ごめんね。」
「な、なんであなた・・・」
「人間じゃないんだ。吸血鬼なんだよ。」
吸血鬼と聴いた瞬間に崩れ落ちる桜井静菜。
「じゃあ、なんで私になんかかまうの? 不死者なのに。」
「・・友達になりたかったんだ。」
「まっ、そう言うことになるわな。」
「だって、病室の窓からさびしそうに咲かない木を見ているんだよ。普通は疑うよ。」
「まゆみちゃん・・・。」
「私だってこの血を背負って生きていかなきゃいけないんだよ。いつかはみんないなくなってしまう・・でも、静菜ちゃんならわかってくれるはず。そう思って毎日お見舞いにいったんだよ。」
と、自ら口をあけ吸血鬼の証である八重歯を見せ付ける。
「お前は・・一人じゃないんだよ。友達になってやりたいんだから信じてやれば良いんじゃないか? それに人間だってすべてが悪いわけじゃない。」
「千雨さん・・・。」
すると朝倉まゆみに抱きつき泣きじゃくる桜井静菜。するとだんだんと体が薄れていく。
「千雨さん・・・これは? 」
「思いが遂げられて満足だったんだろ。これで・・良いんだよ。50年もひとり孤独に生きてきたんだから。そっとしておいてやれ。」
「千雨さん、明菜さん・・それに、まゆみちゃん!! 」
「大丈夫だよ。私たちはずっとそばにいるよ。」
「本当に? 」
「本当だよ! 」
そういい残し桜井静菜は光の粒子となって消え、花吹雪とともに咲かない桜には満開の桜が咲き誇っていたのであった




気がつくとマンションの1室にあるベッドの上。
「あれ・・・。」
「私たち・・・。」
「どうやら、誰かに運ばれたみたいだな。誰が運んだんだ? 」
やおら悲しくなる朝倉まゆみ。それをそっと抱きしめる長谷川千雨
「あいつは・・にっこりしていたぞ。」
「そうだよ。まゆみちゃんが悲しい顔をしていると笑われるよ。」
「えへへ。そうだよね。」
と、生あくびをする朝倉まゆみ。それを見てくすくす笑う大西明菜と長谷川千雨
「・・・ったく、子供だよな。」
「私も・・眠い。」
「じゃあ、3人で寝よっか。にしても、誰がここまで運んだんだ? 」
と気にするが睡魔には勝てずそのままばったり。部屋の外から眺めているのは神田美月と絡繰茶々丸
どうやら絡繰茶々丸が神田美月に連絡をして運んだらしい。
「美月さん・・ご苦労様でした。」
「また、借りを作っちゃったみたい。」
「そんなことありません。でも、本当によかったのですか? 夜中に小学生が抜け出すのは。」
「まゆみは自分のやりたいことがだめだったとしてもあきらめきれずにやり遂げるほうだし、明菜ちゃんも流されるほうだけど絶対に意志を曲げないもの。私や直美さんが止めたって無理だもの・・・。」
「たいそうな運命を背負われてきたのに・・・。」
「そんなことはない。小さくなっても大切な・・仲間で・・友達。」
「私たちは・・そっと眺めているだけがよろしいのでしょう。まあ、マスターも親が見てなくても子は育つっていってましたしね。」
「その言葉を信じたい・・・。」
そのことを聞いて絡繰茶々丸はにっこりしていたのでった。
しばらくして長谷川千雨はあの桜通りを歩いていた。朝倉まゆみはあの後桜井静菜が入院していたところにいったがもぬけの殻で聞いてもわからないといってしょげていた。
「ったく、子供らしいよなぁ・・・。」
すると誰かが声をかけてくる
「千雨さん、大変です! 」
「何だ、綾瀬か。」
声をかけてきたのは綾瀬夕映。すぐさま咲かない桜の木まで連れて行く。
「どうした? 」
「確か、この木は50年も咲いてないと聞いてたです。なのに・・・。」
その桜の木にはつぼみが。
「まぁ、桜が咲く季節を思い出したって言うわけだな。まあ、気にすんな。」
「千雨さん、何かあったのですか? 」
疑わしげに見る綾瀬夕映を首を振って否定する長谷川千雨。すると彼女の手のひらに桜の花びらが。
きょとんとする綾瀬夕映。何かを思い出したように口ずさむ長谷川千雨
「"♪覚えていてね、思い出してね。桜の花の咲くころに・・・"か。忘れやしないさ。」
「千雨さん、千雨さん! 」
長谷川千雨綾瀬夕映の静止も聞かずに歩き出したのであった。

補足
誕生日とは関係ないssになってしまいましたサーセン。
しかもオープニングはyozuka*で始まったのにオチは渡辺美里という有様。


毎日ネギま! リターンズで出てきた朝倉まゆみが再登場。千雨だったら絡めるし。それとともに新キャラクター大西明菜ちゃんが登場。イヌミミっ子の恥ずかしがりや。でも、嗅覚とぶん殴るのだったらお任せ。


後は、魔法少女ビブリオン。これで5人そろいましたよ*1雪広あやか誕生日のときにでもやろうかな? 


後、オチに綾瀬夕映が出てきますがまともな綾瀬夕映はこれがさいごです。まあ、原作読んでいればわかるとは思いますが・・・。

*1:長谷川千雨佐々木まき絵雪広あやか、朝倉まゆみ、大西明菜