和泉亜子誕生日ss5

運動部の中でもおとなしい方の和泉亜子の誕生日。
過去4回全てに佐々木まき絵が出てきたとか。


はてさて。

「あのー…。」
和泉亜子がネギに話しかけてきたのは放課後のこと。
「どないしたん? 」
「亜子さんにお願いがあるのですが…。」
「お願いってなんなん? 」
ネギもネギで歯切れが悪い。
「亜子さんに毛糸の帽子編んでもらいたいのですが…。なんか毎年編んでもらっておこがましい気もするのですが…」
それを聞くと和泉亜子もにっこり。
「なんや、そんな事。お安い御用や。」
「あ、ありがとうございます!! 」
「でも、何でそんなに歯切れ悪いん? 」
アスナさんにばれたらなんて言われるか…。アスナさんガサツだからこういうことできないので…」
「ちゃんと説明したらええんやない? まったくネギ君も煮え切らないんやなぁー。」
と、くすくす。
「じゃあ、僕用があるので…。」
と、そそくさと立ち去るネギ。変わりにやってきたのは神楽坂明日菜だったがなんだか機嫌が悪い。
「ちょっと、いいかなぁ? こっちにネギやってこなかった? 」
「やってきたけど、それが何か? 」
「なんか言ってなかった? 」
ちょっと考え込んだ後に伝えることに
アスナのことがさつや言っていたで。」
「あのバカネギー!! 亜子、あんがと。」
そういうとそのまま走り去る神楽坂明日菜を見てちょこっとだけ微笑んだのだった。
もちろんネギが後でたっぷり絞られたのは言うまでもない。




その翌日から毛糸の帽子を編むことにした和泉亜子
今回は誰かに気兼ねすることもないのでなぜだか気分も晴れやか。
「まったくネギくんもお子チャマやなぁー。」
と、そこに大河内アキラが。
「あれ、アキラやない? どないしたん? 」
「あっ、それって…。」
「ネギくんに編んであげているんやけど、それが? 」
「実を言うと私もほしいんだけど…。」
と、大河内アキラもなぜだかもじもじ。
「なんや、アキラらしくないんやから。一つ編むのも二つ編むのもいっしょやから編んであげる。」
「あっ、ありがと。」
ふと周りを見回すと誰かがいない。
「そういえば、まき絵みぃひんかった? 」
まき絵、綾瀬さん連れて小旅行だって。なんでも流星群見に行くとか…。」
それを聞いた和泉亜子はなぜだか目を点にする。
まき絵、いつからそんなロマンティストに!? 」
「綾瀬さんがネギ先生に告白したいから応援しているんだって。多分…。」
まき絵も友達想いなんやから。でも、まき絵にそんな事できるん? 」
と、なぜだかジト目。
「大丈夫だと思うよ。」
「そうやな。」
と、二人そろってジト目になったかと思うと自然に笑みがこぼれるのだった。




「これでオッケー。」
毎年編んでいるせいかスピードも速くなり今回はあまり時間がかからずに二つ仕上がる。
「アキラはいつでも渡せるから良いんやけど、問題はネギくん…。」
いつもだったら佐々木まき絵がいてお膳立てしてくれるのだが今回は佐々木まき絵がいない。
過去に自分で渡そうとしたことがあるがアスナがいるだけに気後れしてしまう。それでも、今回は勇気を持って自分で手渡そうとがんばることに。
「告白できたんやから絶対にうまく行くはずや! 」
そう自分に言い聞かせて放課後ネギを追いかけることに。
しかしながら今回はあっさり捕まり和泉亜子でも拍子抜けする結果に。
「あっ、亜子さん。できたんですか? 」
そういうとネギに毛糸の帽子を手渡す。
「そうだ、ネギくんにかぶせたげる。」
「ちょっと、亜子さん。こんなところで恥ずかしいです!! 」
「いつも、アスナといちゃついているんやから。これくらいで恥ずかしくなるなんてないやろ? 」
「で、でも…。」
押し問答をするがネギも半ばあきらめ和泉亜子が帽子をかぶせてあげることに。
「ネギくん、お似合いやで。」
「あ、ありがとうございます…。で、今度の日曜、暇ですか? 」
「へっ!? 」
いきなりの申し出に和泉亜子もびっくり。
「でも、何で? それにアスナとか…。」
アスナさんはいいんちょさんに押し付けるので大丈夫です。」
またとんでもないことを言ってのけるネギに和泉亜子もぼーぜん。
「そんな事言って大丈夫なん? 」
「それはそれで何とかします。で、日曜なんですが…。」
「何で日曜なの? 」
「今度の日曜に流星群が見られるんです。ここだったら空気がきれいだからちょっと小高い丘に登れば…。」
といった瞬間、佐々木まき絵のことが頭に浮かんだ。
でも、和泉亜子はそのことは口にせず。
「わかった。日曜予定空けとくから、約束はしっかり守るんやで。」
「ハイッ! 」
ネギもはっきりと約束することを告げたのだった。




そして、日曜日。
防寒対策をしっかりして寮の入り口で和泉亜子はネギが来るのを待っている。
「ネギくん、遅いなぁー。」
と、息を吐いていると遠くから声が。
「亜子さぁーん。」
ネギが後れてやってくるがついてきた人を見てびっくり。
「え、何で…アキラが一緒に? 」
「びっくりさせて…ごめん。」
ついてきたのは大河内アキラ。しかし、和泉亜子は気にしないのかにっこり。
「実を言うと誕生日に事相談されたのアキラさんからで…。」
「今度の日曜に流星群が見れるから、本当はびっくりさせようと思ったんだけど…。」
「そんな事なら、最初から言えばいいのにー。」
と、何故か膨れる和泉亜子
「そや。ここでアキラに渡しとかんと。」
と、毛糸の帽子を大河内アキラに手渡す。
「えっ、いいの? 」
大河内アキラはきょとんとするが和泉亜子はにっこり。
「早くしないと始まっちゃいますよ。そろそろ行きませんか。」
ネギがそういうと和泉亜子はにっこり。3人で向かうことに
「ここだったら、きれいに見れますよ。」
と、小高い丘に到着する。
「ネギくんってロマンティストなんやなぁ〜。」
和泉亜子がにっこりするとネギが謙遜する。
「そ、そんな事!! 」
「きれい…。」
「ホンマにきれいやなぁー。」
大河内アキラが声を上げると頭上に輝くのは一面の星世界
3人で見とれてしまう。
「あっ。」
大河内アキラが声を上げると流れ星が。
思わず流星ショーに見とれてしまう。
そしてしばらくすると流星ショーは終わりを告げる。
と、同時に和泉亜子は顔を真っ赤に
「亜子、どうしたの? 」
「お願いするの…忘れてもうた。」
「どんなお願いなんですか? 」
「ナイショ。」
と、ニッコリ。
「えー。教えてくださいー。」
「ネギくん、デリカシーないから教えてあげへん。」
「えーッ!! 」
とんでもないことを言われ慌てふためくネギ。
「でも、きれいなもの見せてくれたからお礼したげる。」
そういうとネギのほっぺにキス。ネギは顔を真っ赤にし、大河内アキラはなぜだかどぎまぎ。
「ネギ君、あんがとな。」
と、和泉亜子はニッコリするのだった。

補足
5回目にして始めて佐々木まき絵が出てこなかったけど時系列的に綾瀬夕映誕生日と平行しているから。
なので、佐々木まき絵綾瀬夕映も違う場所で流星群を見ています


ちなみに流星群をクライマックスにしてすさまじく後ろ向きなssを考えていたのですが…


次回は年明けて朝倉和美
ただ、ネギまが終わりそうなだけに来年の宮崎のどかで終わりにするかもしれない…。