Pink Generation〜少女たちのジダイ〜Vol.35"少女たちのオモイ(前編)"

前後編です
あれから何日かたった後の…

ピピピピ…
「あれ…。」
渡辺奈津美は寝ぼけ眼で目覚まし時計を止める。
「ここ…私の部屋。何でここで寝てるんだろう…。」
と、思い出そうとするが何も思い出せない。
「確か世界樹にいて…聖奈とネギ先生と話して…。だめ、これ以上思い出せない!! 」
と首を振る渡辺奈津美。
「そういえば…聖奈は…? 」
辺りを見回してみても高森聖奈の姿はなく一人だけ。
「居ない…。」
しばらくするとノックする音が聞こえる。と思ったのもつかの間感電する音が。
「ちょ、ちょっと、すぐ開けなさい!! 」
と、いわれてあけるとやや黒焦げになった九条梢の姿が。
「こずえ…? 」
「どういうことなのですか!? 」
と、問い詰められるとしおらしい声を出す渡辺奈津美。
「ごめん…私のせいでこんな事に…。」
「確かに、それもありますけれど。停学3日の上要監視ってどういうことなのですか? 」
「どういうこと…? 」
「やっと起きられたのですね。」
と、入り口に立っているのはネギの姿。
ネギ先生ではないですか? 確かA組の担任でわたし達とは関係ないはずなのでは? 」
と、いぶかしげな視線で見る九条梢。
「僕も今回の騒動に巻き込まれてしまいましたから、僕も少なからず協力しないといけないと思いまして。」
「きちんと説明してください!! いくら教師といえども許される問題ではありませんわ!! 状況いかんによっては教育委員会に告発しますわ!! 」
と、ネギに詰め寄る九条梢だがネギは涼しい顔。
「まあまあ早まらないで。確かに世界樹を暴走して騒ぎを起こしたのは渡辺さんです。でも、誰かに指図されてやったのではなくやっかみを起こした結果の行動だと。」
「それで…。」
「はい。事件性も感じられず学園の秩序を乱したのでとりあえず停学3日で様子を見て後は生徒会長さんに監視を頼みましょうということになりまして。」
その結果にきょとんとしたのは九条梢の方。
「どういうことなのですか? 絶対にそんな事ありえませんわ!! 」
そういってネギをゆする九条梢。
「大人の事情というものです。」
にっこりするネギだが九条梢は納得していない顔をする。
「もしかして、あなたの教え子達を使ってもみ消したのではないのでしょうか? 」
「え? 何のことでしょう? 確かに…。」
と、口ごもるネギに対して九条梢は怒りが爆発。
「正直におっしゃいなさい!! 」
「渡辺さん助けてくださいー!! 」
と、ネギを追い掛け回す九条梢に何が起こったのかわからずに立ちすくむ渡辺奈津美。
そんな時また呼び鈴が。
立っていたのは絡繰茶々丸
「あれ・・・茶々丸さん。何の用? 」
「マスターが会いたいというので来てもらえないでしょうか? 」
そういわれて渡辺奈津美は何故かきょとんとしているのだった




「え? なに、これ!? 」
「マスターが昔使っていた別荘だそうです。」
「あのログハウスの中にどうやって隠していたのよ? 」
「別世界です。」
絡繰茶々丸につれられてやってきたのは常夏の別世界。
「帰りたいんだけれども。」
「申し訳ないのですが帰れません。」
「じゃあ、どうやって帰るのよ!! 」
「24時間たたないと帰れません。ちなみにこちらの24時間は向こうの1時間になるのでご心配なく。」
「そういうことを聞いているんじゃないわよ!! 」
と、無表情の絡繰茶々丸をゆする渡辺奈津美だがどこからともなく氷の刃が。
「ほお。貴様が"錬金術師の娘"か? 歓迎するぞ。」
「何で、あんたみたいなお子チャマが知っているのかしら? 」
と、冷めた視線でエヴァンジェリンをにらみつける。
「ほお、少し元気がないということを聞いていたがまだそんな口が叩けたか? 」
たくさんの氷の魔法を飛ばすエヴァンジェリンに対して難なく避ける渡辺奈津美。
と、目に入ったのがプールサイドにおいてあったタオル。それを手に取るとあっという間に拳銃に姿を変えて氷の刃を冷静に打ち落とす。
「なかなかやるな。」
そういうと吹雪を発生させて姿を見えなくしてしまう。それでも、渡辺奈津美は冷静そのもの
しばらくすると怪しく光る眼光を発見すると拳銃をレイピアに変えて突き刺す。
「やたっ。」
とほっとするとエヴァンジェリンは怪しく微笑むだけ。
「ほお…中々やるな。」
「え? 突き刺したのに何で? 」
「残念ながらわたしは不死身だ。それにわたしは数百年生きている真祖の吸血鬼だ。決してそんじょそこらのガキと一緒にするな。」
と、言うと渡辺奈津美の足元が凍りつき氷漬けにされてしまったのだった。




「ここは…。」
気が付くとベットの上だが少しばかり様子が違う。
「えっと…わたし…。」
「気がつかれましたか? 」
そばにいたのは絡繰茶々丸
「何で生きてるの? あんな氷の中に閉じ込められたら普通の人間なら死んでもおかしくないのに。」
「3分だけだ。私が単なるイジワルにでも見えるのか? 」
そういうと渡辺奈津美はうなづきエヴァンジェリンが逆上。
「なんだとー!! 」
「やっぱりお子チャマじゃない。」
「うっさい!! 」
と、逆上するエヴァンジェリンだがそのあとにやり。
「そういえば、洗脳されていたようだな。」
「何で、知ってるの? 」
「ぼーやから聞かせてもらったよ。」
「そ、それは…。」
「まあ、どっちにしろお前がやったことなんだから3日間休めとかじじいが言ってたぞ、少し羽を伸ばしたらどうだ。どうせここは誰も入ってこないしな。」
そういうと少し考えた後にプールサイドへ。
「なんだけ複雑な気分…。」
と、考えながら少し休むことに。
「何でこんなに優しくしてくれるのか…。確かに、世界樹を暴走させたのはわたしなのに…。」
と、うとうと。
しばらくするとなんだか息が苦しい。気がつくと何故か水の中に。
「な、なぁんでこんなところにいるのよ!! 」
と、水から這い出ると、プールサイドにいたのは古菲
「きてたアルか。そんなところいたら体がなまるアル。せかくだから勝負するアルよ。」
それを聞いた渡辺奈津美は目を点にしながらぼーぜん。
「それだけのためにプールサイドに投げ込んだわけ? 」
そういうとニコニコしながらうなづく古菲。それを見ていた渡辺奈津美は頭を抱える。
「このノー天気おバカが。」
とはいうものの自分の中でも納得してないのかプールサイドから上がりずぶぬれになった服を着替えて勝負することに。
「今度こそその自信をぶっ潰すんだから! 」
「返り討ちにするアルよ! 」
と、手合わせするのだった。

補足
古菲とのバトルで終わりましたがまだ続きますw


ただ、水曜日ではなく早まるか来週の水曜日になるか。
全てはモチベーション次第(こら