Pink Generation〜少女たちのジダイ〜Vol.32"絶望からのハジマリ"

と、言うわけでクラスメート編がこの前で終わりいよいよラストスパート。
ちなみに前後編にする予定だったのですが3話になりました(汗


異変に気づいたのは…

少女が世界樹に手を当てた瞬間、世界樹が急激に発光し衝撃波が一瞬にして走る。
その衝撃波は建物に何も影響をもたらさないが生物が触れた瞬間にガラスが砕けるようにして消し去ってしまう。
その衝撃波は世界樹を中心に30kmを闇に包み込んだのだった。




「高森さぁーん。高森さぁーん。」
間の抜けた声で起こされ高森聖奈は目を覚ます。
電気をつけようにも電気がつかない。
「もうー。誰よー。」
仕方がなく光の魔法で電気をつけ罠を慎重に外しドアを開けると人形がハンマーを持ちながらふらふら。
「ちょ、ちょっと、相坂さん!! 」
人形の正体は相坂さよ。すかさずハンマーを取り上げ人形を抱きかかえテーブルに座らせる。
「な、何があったの!? 」
「朝倉さんが…朝倉さんが…いなくなりました!! 」
と、涙ながらに訴える相坂さよ
「どうして、いなくなったの。ちゃんと理由を話して。話せるでしょ? それともまたなべの中に入る?  」
「突然電気が消えたかと思ったらなんかガラスの割れた音が聞こえたですー。」
相坂さよの説明にただならぬ気配を感じる高森聖奈。
「わかった。とりあえず他の人を探そう。」
と、相坂さよ人形を肩に乗せ、生存者の捜索に向かう高森聖奈。
向かった先は九条梢の部屋。ノックをするが返事がない。あけようにも鍵がかかっていて開かない。
「…仕方がない。」
そういって開錠魔法を展開し開けるともぬけの殻。
その光景を見て高森聖奈と相坂さよはぼーぜん。
「どういうことなのですか? 」
「わからない。九条さんもそれなりの力を持っていた人だと聞いていたから…。とにかく生存者を探そう!! 」
と、手分けして探すが生存者は見つからない。
「どうしよう…。」
と、がっくりしている相坂さよを励まそうとした瞬間、暗闇から足音が。
高森聖奈が木刀を構える間もなくハリセンで弾き飛ばされる。
「何、何? 」
「聞きたいのはあたしの方よー!! 」
神楽坂明日菜はぷんすか。
「良かったですぅー!! 」
と、相坂さよ神楽坂明日菜に飛びつき神楽坂明日菜はびっくり。
「な、何でさよちゃんがいるの、死んだんじゃなかったの? 」
「ひどいですぅー!! 」
と、相坂さよは涙目。
「あっ。高森さんに相坂さん。無事だったんですか? 」
と、遅れてネギも合流する。
「どういうことなの!? 」
「僕にも…わかりません。わかることは…みんな消えてしまいました。」
「わたしはネギをかばうことで精一杯で…。」
「でも、何で3人なんですかぁ? 」
と、間の抜けた声で相坂さよが尋ねる。
「なぁんでもいいじゃん!! 」
と、相坂さよ人形をぶん回した挙句に投げつける。
「と、とにかく、生存者を…。」
「無理よ。この寮の中には誰もいない。」
「あきらめたらいけません!! 」
と、半ばあきらめ気味の高森聖奈を説得するネギ。
「わ、わかった…。」
と、説得される高森聖奈。4人で部屋を片っ端から開けるがもぬけの殻。
「やっぱり…。」
と、あきらめ気味にとある部屋を開けると倒れている人が。
「夕映ちゃんじゃない!? 」
近づいてみると綾瀬夕映がぐったり倒れている。何で倒れているかわからない。
「夕映さん、夕映さん!! 」
ネギが何度か揺り動かすが目を覚ます気配がない。気が付くと誰もいない。
誰もいないのを確認したネギはキスをしようと口付けしようとした瞬間綾瀬夕映が目を覚ます。
「何をしているのですか!? 」
と、綾瀬夕映は顔を真っ赤に。そこへ高森聖奈と神楽坂明日菜相坂さよが戻ってきて来て呆然。
「なにしてるの? 」
「…何やってるのよ、このバカネギー!! 」
と、高森聖奈と神楽坂明日菜でネギを足蹴にする。
「や、止めて下さい!! だって夕映さん僕のこと好きだって聞いたのとお姫様は王子様のキスで目を覚ますって…」
「そーいう問題じゃないわよ!! 」
「でも、何で綾瀬さん無事だったの? 」
「綾瀬さん呼ぶのはやめてくださいといったはずです。」
高森聖奈が尋ねるとこの期に及んで綾瀬さん呼ばわりするのを嫌がる綾瀬夕映
「確か…ゆえちゃん魔法使いって言っていたよね? 」
「ハイ。ただならぬ気配を感じたので魔法結界を張って自分は難を逃れたのはいいのですが…。」
「じゃあ、パルと本屋ちゃんは…。」
神楽坂明日菜が尋ねると綾瀬夕映はうなづくだけ。
「私も魔法結界を張ったのですがあまりの衝撃の強さに…。」
「気を失っちゃったんだ。」
「もう少し遅ければ向こうの世界の住人になっていたところです。まあ、体内に遅延呪文をかけていたのも幸いでしたが…。」
と、何事もなかったかのように説明する綾瀬夕映に全員で目を点にする。
「とにかく、他に生きている人がいるかもしれないです。探しに行くですよ。」
「夕映さん、3人で調べたんですが後一部屋しかないんです。もしかしたら…。」
「その最後の部屋は誰ですか!! 」
と、ネギに詰め寄る綾瀬夕映
「その…亜子さんとまき絵さんの部屋です。」
「とにかく行くです。」
と、5人でその部屋に向かうことに。
扉を開けると他の部屋同様にもぬけの殻。
「これだけ見ると二人ともだめだったんですね…。」
と肩を落とす高森聖奈。
「とにかく、これで全部ね。残ったメンバーで何とかしないと…。」
「待って!! 」
と、高森聖奈が呼び止める。
「でも、どこに…。」
ネギが尋ねると高森聖奈は静かにするように口に指を当てる。
しばらくすると誰かの泣いている声が。
「どこ? 」
と、みんなでそば立てると小さなクローゼットから聞こえる。
そこを開けると蹲っている佐々木まき絵が。
「助けに来たよ。」
「大丈夫? 」
と、声をかけるとあまりの怖さに神楽坂明日菜に抱きついて泣き出してしまうのだった。




誰もいない大広間にあるテーブルで作戦会議を立てることに。
「生き残っているのはこれだけですか…。」
「ねぇ、何で、聖奈に、ネギくんにアスナなの? 」
「それは私も疑問に思ったのですが…あっ!! 」
思い出したように綾瀬夕映が声を上げる。
「この3人は魔法世界の出身です。」
それにびっくりしたのは神楽坂明日菜
「聖奈って、魔法世界の生まれだったの!? 」
「8歳のときまでしかいなかったけどね。」
「だとすると僕たちが被害に巻き込まれなかったのは説明できます。けど…。」
そういうとネギは視線を相坂さよ綾瀬夕映佐々木まき絵に。
「簡単じゃない。さよちゃん死んでいるからそういうことを超越してるのよ。」
アスナさーん!! 」
と、相坂さよはぽかぽか。
「それでも、夕映さんとまき絵さんは説明がつかないのです。」
「わたしは…半分魔法世界の人間みたいなものです。」
「でも、ネギくんの事好きなんだよね。」
佐々木まき絵につつかれて綾瀬夕映は顔を真っ赤に。
「でも、それは説明にならないんじゃない? 」
高森聖奈がジト目になる
「それもそうですね。さっきも言ったとおり結界で防ぐことができたといったほうが正しいでしょう。それでも、わからないことがひとつだけあるのです。」
と、全員の視線が佐々木まき絵に。
「え? みんなどしたの? 」
「何でまきちゃんだけが生き残っているのか考えているの。」
「そうよ。だって、まきちゃん何の設定もない一般人ですよね? 」
「亜子さんだってわかっているはずですよ。」
「何かあるはずなのですが…。」
と、考え込むと高森聖奈が首にかかっているチェーンに目が行く。
「まきちゃん、どしたの、それ? 」
「あ、あれ…確か…。」
と、佐々木まき絵も考えこんでしまうのだった。

補足
高森聖奈は魔法世界の人間です。その根拠はネギとザジーの話で
神楽坂明日菜は黄昏の姫巫女でネギも魔法世界の人間。


それでも説明できないのは佐々木まき絵に無事だったこと。
決してマイシスターだからではありません(激しくまて


次回はそこから一気に終息まで