深い深い森の中でVol.8

カオスな休載日ssも山場
次回で最後です。*1


さて、綾瀬夕映を助けることができるのか!?

その日の夕食。
宮崎のどかはテーブルの上に並べられた料理を見てびっくりしていた。
「これ、全部まきちゃんが…。」
「そだよ。すごいでしょ!! …っていたーい!! 」
勝ち誇る佐々木まき絵をどつく明石裕奈
「んなわけないっしょ! 」
「…私たちも少し手伝ったんだ。」
大河内アキラから説明されて納得する綾瀬夕映
「多分、そうだろうとは思っていましたが。」
「ゆえちゃんもひどいよ。」
と、なぜか膨れる佐々木まき絵を見て綾瀬夕映は頭をなでなで。
「感謝するですよ。」
そういって夕飯にするが佐々木まき絵はただならぬ気配を。
「あれ、あれれ? 」
すると佐々木まき絵にだけ声が聞こえる
「あなたが…綾瀬さんを止めるのですよ。」
「??? 」
「綾瀬さんはこの森に巣食う闇に侵食され続けているのです。おそらくよそ者が来たことによりいつかは暴走してしまう…。」
「そんな事無いよ! 絶対に、絶対にゆえちゃんは守るんだから!! 」
「…そう、あなたならきっとできるはず。」
そういって元の風景に。
「まきちゃん、どうしたの? 」
「…何でも無いよ。」
「じゃあ、どうやってこれを説明するのかなぁ? 」
佐々木まき絵の周りだけなぜか食べ物が落ちていて明石裕奈から突っ込まれた顔を真っ赤にする佐々木まき絵を見てみんなで微笑むのだった。




その日の夜。
「眠れない…それに狭いよー。」
いつもは二人で寝ているロフトベットに5人で寝ているので寝返りが打てない佐々木まき絵はむくりと起き上がる。
「あ、あれれ? 」
辺りを見回すと綾瀬夕映だけいない。家の中を探すがいない。
「最近のゆえちゃんおかしいよー。」
とか思いながら家の外に出ると大きな木のそばに倒れている綾瀬夕映の姿が。
「ゆえちゃん、ゆえちゃん!! 」
何回かゆすると目を覚ます綾瀬夕映
「どうしたの? 」
「何か、変な声に呼ばれていたです…。」
「変な声…? 」
まき絵なら見たほうが早いです。」
そういうと佐々木まき絵の目の前で手袋をはずすと片腕が何かに侵食しているのか黒ずんでいる。
「これが…。」
「どうやら私を媒介にして腐食させるつもりだったのです。でも、私には止められないです。」
「どうしたらいいの、いいの? 」
「私がとらわれたらまき絵が止めるですよ。」
「で、でも…。」
「大丈夫ですよ。まき絵は私の大切な人ですよ。」
頭をなでているとどこからか声がする。それを聞いた瞬間二人は目を白黒。
「この声は…。」
「ほ、本屋ちゃんだ!? は、早く手袋つけないと!? 」
慌てふためきながらも宮崎のどかが追いつくころには何とか平静を装う二人。
「あれ…ゆえゆえにまきちゃん、どうかしたの? 」
「な、なんでもないよ!? 」
「少し夜風に当たっていただけですよ。あまり長居すると風邪を引くです。さっ、戻りましょう。」
そういって戻ろうとする綾瀬夕映佐々木まき絵に対して宮崎のどかは首を傾げるだけだった。




何日かたったが宮崎のどか達が帰る気配もなく宮崎のどかの中にはひとつの疑問が。
「いつも夜中にゆえゆえふらふらしているんだけどどこにいるんだろう? 」
当の本人はおろか佐々木まき絵に尋ねてもはっきりと答えてくれない。
意を決した宮崎のどかはあとをつけることに。
とは言うものの夜の森は危ないので中々外に出れない上に起きて後を付けようとして外を出たところで佐々木まき絵に声をかけられたということが何度もありうまくいかない。
そんなある日のこと。
宮崎のどかが目を覚ますと綾瀬夕映がいない。辺りを見回すと全員すやすや。
「今だったら…。」
意を決して外へと飛び出すと真っ暗闇の森が広がる。
ところどころで鳥がうめき宮崎のどかはおどおどしてしまう。
「でも、ゆえゆえは…。」
と、さ迷いながらも綾瀬夕映を探す宮崎のどか。しばらくすると大きな木の前にたどり着く。
「あれ? 私、ゆえゆえを捜しに…。」
「どうかしたのですか、のどか? 」
「ひゃっ!? 」
ふと後ろを振り向くと綾瀬夕映の姿が。
ゆえゆえ…だよね? 」
「それがどうかしたのですか? 」
ゆえゆえは…ゆえゆえだよね。」
宮崎のどかは意を決してひとつのことを聞いてみることに。
「どうして魔法まで使って家出したの? 」
「それはこの前も言ったはずです。」
「でも、ゆえゆえがそんな事をするはずないよ。本当の事話して。」
かなり気まずいのか黙り込んでしまう綾瀬夕映
「ここに戻ってから誰かが呼んでいる声がするです。私にはどうすることも出来ずにふらふらと…。」
すると糸が切れた人形のように崩れ落ちてしまう綾瀬夕映
ゆえゆえ! ゆえゆえ! 」
と近づいた瞬間に首を絞められる宮崎のどか。首を絞めているのは綾瀬夕映
「さすが、読心術士ね。それとも絆が強いからかしら? 」
「あ、あなたは・・・? 」
「私はこの森のすべて。この森は魔力を失っているのよ。で、新たな媒介を探していたところに引っかかったの。」
「そ、そんな。」
「そうなのよ。この子の魔力を吸い尽くしあなたも吸い取る。そうすればこの森はまたもとの森に戻るわ。」
「(誰か…助けて…)」
と、綾瀬ゆえの腕から黒い何やらが宮崎のどかに絡み付こうとした瞬間、どこからともなく光の矢が飛んでくる。
綾瀬夕映は難なくよけるが宮崎のどかを引き離してしまう。
「何者!? 」
本屋ちゃん、大丈夫? 」
暗闇から出てきたのは綾瀬夕映が使っていた杖と剣を持っている佐々木まき絵
「ま、まきちゃん!? 」
と、とっさに佐々木まき絵に近づく宮崎のどか
ぽこっ
佐々木まき絵はそんな宮崎のどかを小突く。
本屋ちゃん、だめだよ。勝手に外出歩いたら。」
「ごめんなさい…。」
「とにかく本屋ちゃんは家に戻っていて!! 」
「でも…。」
「ゆえちゃんは絶対につれて帰るから!! 」
その言葉を信じて宮崎のどかは暗闇の中に消え佐々木まきえと綾瀬夕映の二人に
もちろん佐々木まき絵綾瀬夕映が操られていることを知っている。
「…なんだ、小娘か。」
「小娘じゃないもん!! 」
「じゃあ、ちび娘だな。」
そういわれてしょげる佐々木まき絵
「とにかく、ゆえちゃんから離れろ!! 」
「離れろといって離れるわけなんかないわ。まずはあなたから食べようかしら? 」
「私食べても美味しくないもん!! 」
とまともに返して綾瀬夕映から苦笑されるが綾瀬夕映の右手には闇から出来た杖を握って襲い掛かってくる。
「へっへーん。」
と、難なくよけるが中々攻撃できない。
「(でも、攻撃したらゆえちゃんも一緒に死んじゃう、どーしよう!? )」
と、悩んでしまい中々攻撃できない。
「さっきまでの元気はどうしたの? 」
と、攻めあえいでいる佐々木まき絵をあざ笑うように魔法を連発する綾瀬夕映
そんな時佐々木まき絵の中に声が
「(もたもたしていると本当に取り込まれてしまい手が付けられなくなりますよ! )」
「(でも、どうしたら!? )」
「(光の剣を使うのです、綾瀬さんに突き刺しさえすれば私があとは抑えます! )」
「(でも、そうしたら!! )」
「(私と綾瀬さんどっちが大切なの!? )」
そういわれると意を決して剣を握り綾瀬夕映に切りかかる。
綾瀬夕映も斬られまいと必死によけるが運動が得意ではない分押し切られているが中々突き刺せない。
「さすがに自分の主人をさすのには気が引けるのかしら? 」
「ち、違うよ、でも…」
「ならば、私が…。」
そういった瞬間にあたりを霧が立ち込める。
「あれれ? 」
「ここは霧なんか起こるなんて、でも、これで好都合だわ。」
そういうと綾瀬夕映は呪文詠唱を始めるが霧の中から一筋の光が飛んできて妨害する。
「霧で見えないことをいいことに!! 」
何が起こったのかわからずに佐々木まき絵は混乱するが大きい叫び声が
「まきちゃん、今なら大丈夫だから!! 」
そういわれると剣を握り綾瀬夕映を一刺し。
すると剣はただの木の棒となるが綾瀬夕映にまとっていた黒い霧は消えてしまう。
「…感謝するですよ。」
と、だけつぶやきそのまま佐々木まき絵に向かって倒れこむ。
「ちょ、ちょっと、ゆえちゃん重いよー!! 」
と、佐々木まき絵はじたばたしているが疲れてしまってそのまま気を失うのだった。




「あ、あれ・・・? 」
綾瀬夕映が気がつくとそこはログハウスの中。
ゆえゆえよかったぁー。やっともとのゆえゆえに戻ったぁー。」
と、宮崎のどかが泣きながら抱きついてくる。そばには明石裕奈大河内アキラも。
「あ、あれ。私…。」
気がつくと綾瀬夕映は元の綾瀬夕映に。
「魔法が解けたんだよ。」
「じゃあ…。」
とベットに駆け寄ると佐々木まき絵も元の姿に。あまりの騒がしさに佐々木まき絵も起き出して来る。
「んんんー。みんなどうしたの…ってあれ、元に戻ってる!? 」
「どうやら魔法が解けたみたいですよ。」
しょんぼりする佐々木まき絵を見てみんなでくすくす。すると宮崎のどかがこんなことを言い出す。
「あ、あの…女の人の声が聞こえて"二人のそばにいてあげて"って。」
「そのことなんだけど…。」
「それ、それ、私も聞こえた! で、助けてあげてって。」
宮崎のどかが切り出すと大河内アキラ明石裕奈にも聞こえていたらしく綾瀬夕映佐々木まき絵は目を白黒。
「じゃあ、霧が立ち込めたのも、光の矢が飛んできたのも? 」
「なんか不思議な力が私に…。」
「これのことだよね? 」
大河内アキラの指から水が出ているのと明石裕奈の手にはアーティファクトである七色の銃が。
「結局私は一人では…。」
しょげる綾瀬夕映を見ると佐々木まき絵が頭をなでなで。
「そんなことないよ。ゆえちゃん格好良かったし優しかったよ。」
「まきちゃん、ゆえゆえのこと信じているんだから。」
「元気だしなよ。」
「だから、ゆえ吉は根暗だって言われるんだよなぁー。」
周りから言われて顔を真っ赤にする綾瀬夕映
「…でも、私はこの森の守護者です。本当に守護者がいなくなったこそ私が…。」
「そのことなんだけど。女の人が"二人を元の世界に戻してあげて。今だったらまだやり直しができるから"って」
「で、でもっ!! 」
「この強情ばりがー。ゆえ吉のおかげで本屋ちゃんがどれだけ悲しんだか考えろー!! 」
と、明石裕奈が強引に飴玉を食べさせ綾瀬夕映は小学生の姿に。
まき絵も、綾瀬さんのそばにいてあげて。」
「うん、いいよ。」
そういうと佐々木まき絵も小学生の姿に。
ゆえゆえ、帰ろうっ。」
宮崎のどかに手を引っ張られる綾瀬夕映となぜか大河内アキラの背中におんぶしている佐々木まき絵に声が。
「(心配してくれる人がいるんだから元の世界に戻りなさい。迷惑かけたらいけませんよ。)」
二人ともその声にうなづくと掻き消えるようにその声は聞こえなくなり、森を後にするのだった。

補足
霧を発生させたのは大河内アキラの力なのですがいまだに未契約。後は言わずもがな。
そして綾瀬夕映佐々木まき絵はまた小学生に
何度小学生になっているのでしょうか?


次回最終回。
来週は早乙女ハルナ誕生日。再来週はけいおん!!ss。

*1:ちなみに次回は思いっきりギャグですがw