深い深い森林の中で…Vol.3

ほぼ2ヶ月ぶりのまきゆえss。ss自体も朝倉和美以来書いていないからこちらも久しぶりとか。


本当に簿記の受験勉強でパソコンに向かっている時間なんてなかったので職業訓練校の休み時間の間に書いてました。


パソコン教習の間も簿記をやっておけばよかったと後悔


森の守護者となった綾瀬夕映綾瀬夕映の従者になった佐々木まき絵
そんな森での日常。

「ゆえちゃん、ゆえちゃん。」
綾瀬夕映が森の守護者となってからしばらくしたある日。ロフトベットで寝ていると下から声がする。
「んんん…。」
もう少し寝ていたいと思っていたがおそらくこの後ゆすられて枕を押し付けられる。そう感じた綾瀬夕映はおきることに。
「おはようです。」
「おはよっ。」
ベットの下では子供姿の佐々木まき絵がエプロンをつけて朝ごはんを作っている。森の力で子供姿になった佐々木まき絵は少ししょげてはいるもののそんなに気にはしていない。
「やはり…子供姿のまき絵は違和感があるですよ。」
「そんなこといったらゆえちゃん大きくなっちゃって私よりナイスバディーだし…。」
ふくれっ面になるが反対に綾瀬夕映は頭をなでなで。
「とりあえず、朝ごはんにするですよ。」
「そうだねっ。」
そういってテーブルに着くとパンとサラダとスープが3人分。それを見て綾瀬夕映は頭を傾げてしまう。
「確か、ここには私とまき絵しかいないはずでは…。」
「あのねっ、あのねっ。」
佐々木まき絵の後ろには妙齢の女性。
「はて…。」
「あなたが新しい森の守護者? 」
声を聞いてはっとする。それは綾瀬夕映の頭の中で聞いていた声だったから。
「あ、あなたが私を呼んでいたですか? 」
「そのとおり。」
「すると、まき絵が小さくなったのも…? 」
「それはこの子が古木の力を介してあなたに力を与えたのよ。この子はあなたの力になりたいと願っているのよ。」
それを聞いてなぜだかジト目になる綾瀬夕映
「とにかく、今は朝ごはんにしましょ。話は後でするわ。」
女性が振り向くと佐々木まき絵はおなかがすいていたのか退屈を持て余しているのだった。




朝ごはんを食べ終わった後、森の守護者は綾瀬夕映佐々木まき絵に向かって話を始める。
「夕映さんとまき絵さんでこの森を守って欲しいの。」
「と、言いますと? 」
「あの寝、この森なんだか淋しそうだった。」
「そのとおりなの。この森は闇に蝕まれているの。闇は森から活力を奪いだんだんと力を失わせている。私だけの力では闇を追い払うことは不可能なの。だから、助けを呼んだ。」
「私が引っかかったのですね。」
「大丈夫よ。あなたたちは若いし、何とかなると思うわ。」
「でも…。」
綾瀬夕映が持っているのは練習用の杖。それでは力不足だと感じたのだろう。もっとも佐々木まき絵にいたっては従者になるといっているが持っているのは新体操で使うリボンだけ。
それでも森の守護者はにっこりすると何もない空間から杖と棒を生み出してしまう。
「こんな良いのをもらっていいのですか? 」
「あら、私の後を継ぐ人がそんな可愛い杖では守れませんよ。」
森の守護者はにっこりしているが佐々木まき絵は膨れたまま。
「ゆえちゃん良いなぁー。」
「握ってごらん。」
柄だけの棒をつかむととたんを光りだし剣の形に。
「わ! す、すごーい!! 」
「あなたたなら使いこなせるはずよ。」
それと供に綾瀬夕映佐々木まき絵に自分の使っていた杖を手渡す。
まき絵にも魔法を使えるようになって欲しいです。」
妙な期待をされた佐々木まき絵は顔を真っ赤に。
「と、とりあえず見回りにいこっ!! 」
「(確実に逃げているです。)」
なぜかしどろもどろになる佐々木まき絵を見てくすくすすると箒に乗り込んで空へと舞い上がる。
そとは太陽が昇りきって日差しが森を照らし出している。
「ゆえちゃん? 」
「どうしたのですか? 」
「どうやって闇を探し出すの? 」
「感覚を研ぎ澄ませば自ずからわかるものです。」
「そうなんだ…。」
考え込んでしまうがうめき声が。
「ゆえちゃん、あっち! 」
「わかったです! 」
綾瀬夕映が箒を操り向かった先には闇の力で暴走した動物が。二人に気づいた動物は2人めがけて襲い掛かってくる。
「え、えーい!! 」
佐々木まき絵がとっさにリボンを出してけん制する。けん制している間に綾瀬夕映は杖を出して呪文詠唱を。
「私が相手だよっ! 」
佐々木まき絵綾瀬夕映の呪文詠唱が終わるまで動物の気をひきつけるためにちょこまか動く。
「へっへーん。こっちだよー。」
呪文詠唱が終わり間際になり綾瀬夕映のほうにひきつける。
「これで終わりです!! 」
すると杖から白い雷が飛び出し動物に直撃。直撃を食らった動物は黒焦げに。
「ゆえちゃんすごーい!! 」
「私にかかればこのくらいは朝飯前ですよ。…あれ? 」
綾瀬夕映佐々木まき絵に視線を向けると持っている剣がほのかに光っている。
「剣が光っているですよ。」
「ほんとだ。」
佐々木まき絵が剣を抜くと意思を持ったかのように佐々木まき絵を引っ張っていってしまう。
引っ張られた先は黒い瘴気を発しているそれなりの大きさの物体。
「これが…闇? 」
「そうみたいですね。これに触れた動物が闇に侵食され、自我を失い暴走してしまったのですね。」
「でも、どうすれば…? 」
「その剣を使えば何とかなりそうですよ。」
「こ、これを!? 」
とびっくりしているが佐々木まき絵は意を決して剣を振るうと闇はあっという間に消え去ってしまう。
「…よくがんばったですよ。」
綾瀬夕映佐々木まき絵の頭をなでるが佐々木まき絵は顔を真っ赤にする。
まき絵、どうかしたのですか? 」
「おなか…すいちゃった。」
まき絵は腹ペコです。でも、私もおなかがすいたのですねいったん戻るですよ。」
綾瀬夕映もそれを見てニコニコしているのだった




「えいっ、えいっ。」
しばらくたったある日のこと。
佐々木まき絵綾瀬夕映から借りた杖で魔法の練習をしていた。
「なかなかうまくいかないよー。」
簡単な魔法こそ使えるがそれ以上先に進まない。勉強は苦手なこともありなかなか上達しない。そして立てかけてある箒を見て苦笑い。
「ゆえちゃん"空を飛べるようにしておきなさいっ"って言われても…。」
半ば乗らないまま箒にまたがるが浮くわけもない。ためしに箒にまたがり走り出してジャンプするがつんのめってこけるだけ。
「でも、ゆえちゃんも空を飛べるまでに何日もかかったんだから私なんかもっとかかるかなぁ? 」
と、苦笑い。あたりは夕暮れとなる。
「夕飯作らないと。ゆえちゃん待たしちゃいけないっ!! 」
そういってログハウスに入るとやけに静かだがすぐに異変に気づく。
「ゆえちゃんっ!! 」
リビングに倒れていたのは綾瀬夕映。すぐさま駆け寄るが体が熱っぽい。触って慌てふためく佐々木まき絵
「ど、どーしよう!! 」
「…どうしたの? 」
「このままだとゆえちゃん死んじゃう!! 私、ゆえちゃんの事守るって誓ったのに!! 」
「とにかく落ち着きなさい。騒いでいるだけじゃ助かるものも助からなくなるわよ。」
あまりの騒がしさに普段は干渉しない森の守護者も出てくる。
すぐさま綾瀬夕映の体を触る森の守護者。
「単なる風邪よ。2、3日安静にしていたらよくなるわ。」
「でも…。」
「心配性なのね。良いわ。この森の中に風邪に効く薬草があるの知ってる? 」
そういわれるとすぐさま飛び出し5分もかからずに帰ってくる。
「ねぇねぇ、どうしたら良いの? 」
そうする薬草を煎じて薬にして綾瀬夕映に飲ませる。少しは落ち着きを取り戻したがやはり苦しそう。
「うーん…そうだっ!! 」
すると剣と箒だけ持って外へと飛び出そうとする佐々木まき絵
「ちょっと、どこへ行くの! 危ないわよ! 」
森の守護者の制止も聞かずに佐々木まき絵は夜の森の中へ。
「確か、川を上れば…。」
川を上っていくと洞窟の中へ。洞窟の中なら氷くらいは取れるはずだと考える佐々木まき絵
しかしおくまで進むが凍りは見つからない。奥へと入り込んでいくとだんだんと床が滑りやすくなってしまう。それにも気づかずに走り続け足を滑らせて転んでしまう。
「うわー!! 」
転がり落ちるように滑り落ちてしまい。気がついたときには光ははるか先に見えるだけ。
「いたたたた…。」
辺りを見回すとはるか奥に落ちたと同時に冷たい。周りを見回すとたくさんの氷柱がはえていて喜ぶ佐々木まき絵
「これをもっていけばゆえちゃん助かる!! 」
そういって何本香って背中に背負いかえろうとするが上り坂で滑ってしまい思うように進まない。剣を杖替わりにするが同じこと。
「そうだっ!! 」
箒を手にとって杖替わりにするがやっぱり同じ。
「やっぱり…。」
自信がないのかしぶしぶ箒にまたがる佐々木まき絵。何度やってもうまくいかないから。でも早く帰らないと綾瀬夕映が危ない。
「お願いっ!! 」
祈りながら走ってジャンプすると自分の体が浮いていることに気づく。
「わ、私。飛んでる!! 」
初めて箒で飛べたことに喜ぶ佐々木まき絵
「よーしこの調子でおうちまで帰っちゃうぞー。」
と思ったのもつかの間箒の制御が利かず、半ば暴走状態で空を飛ぶ箒に佐々木まき絵は捕まっているだけ。超高速で洞窟を抜けるといつの間にか夜が明けていた。
「きれいな朝日…でも、とまらないよー!! 
暴走状態の箒はいつものログハウスへと向かうが止まれる訳もなくそのまま外壁に激突。
「いたたた…。そうだっ! 」
派手にドアを開けると取ってきた氷柱を砕いて氷嚢につめて綾瀬夕映のおでこの上に。
「これで一安心…。」
ほっとすると同時に疲れたのか佐々木まき絵はそのままテーブルでふすように眠ってしまったのだった。




「…はて。」
綾瀬夕映が目を覚ますとベットの上。
「確か、この森の魔力について調べていたのですが…。」
自分の記憶が正しければリビングで調べものとかしていたが疲れがたまっていたらしく体調を崩してしまった。
の配意がなぜかパジャマに着替えさせされていて首を傾げてしまうと森の守護者が。
「すべてまき絵さんがやってくれたのよ。」
まき絵が…。」
リビングには佐々木まき絵がすやすや。テーブルには綾瀬夕映がおなかがすいて困らないように料理が置かれていた。
まき絵さんは本当に"従者"なのね。夕映さんのことを献身的に看病していたのよ。寝汗をかいていれば着替えさせていたし。氷嚢を取り替えて薬を飲ませて…。いい従者なんだから…。」
「そうでしたね…まき絵、感謝するですよ。」
そういってすやすや眠っている佐々木まき絵を抱きかかえていてにっこりとささやくのだった。

補足
前半は綾瀬夕映視点で。後半は佐々木まき絵視点というダブルヒロインで。
綾瀬夕映ががんばれるのはひとえに佐々木まき絵ががんばっているから? 


次回は佐々木まき絵誕生日ss→近衛木乃香ssの後くらい。
綾瀬夕映視点でちょっと書いて学園で起こった異変に気づく誰か…


と、いう感じで。