朝倉和美誕生日ss2"ドリームクラブへようこそ! "

とりあえず、一区切りのネギま! 誕生日ss
朝倉和美桜咲刹那那波千鶴長谷川千雨と難しいクラスメートが続く…。
いつになったら復帰が出来るやら?


活動費が足りないネギま!部
朝倉さんが取った行動は?


はてさて

それはある日のこと。
朝倉和美が朝起きて目撃したのは帳簿を見て悩む早乙女ハルナ
「パル、どしたの? 」
「足りないのよ。」
「何が? 」
「お金が。」
「あるじゃん。」
「だからこれじゃあ足りないっていってんのよ!! 」
と、朝倉和美をゆする早乙女ハルナ
「とにかく入用なのよ。生活費だってバカにならないんだから。それだけじゃないわよ。来るときには必要になるからね。」
「ふ〜ん。」
と、目の色を変えてお金を計算する早乙女ハルナをみてもパッと浮かばない。
「お金ねぇ〜。」
確かに白き翼のメンバーを見てもお金に無頓着な人ばかり。ましてやリーダーであるネギは後先考えずに突進する人だとわかっているだけに朝倉和美は苦い顔。
「はははっ。」
頭をかきながらとある場所へと向かう。そこはオスティアの格闘技場に併設されている食事施設。
「まあ、だめもとだしね。」
と、適当に座っていると誰かがやってくる。
「あっ。朝倉? どうしたの? 」
「おっ。アキラじゃん。ちょっと話があるんだけどさぁ〜。」
少しだけ顔を曇らせて周りを目配せすると中に案内する。
「話って何? 」
「働きたいんだけどさぁ〜。」
聴いた瞬間に顔を真っ赤にする大河内アキラ
「え、えっと。いや、わたしは亜子の薬代返せないから働いているだけで朝倉みたいに物好きが働ける場所じゃないし…。それに…。」
「それに? 」
と、聴いた瞬間、誰かのとび蹴りが入り朝倉和美は派手に3回転。見ていた大河内アキラも目を点に。
「いったぁ〜。なによもう。」
「なによじゃねぇ、何考えてるんだ! 」
朝倉和美が座っていた位置に立っていたのは長谷川千雨もといちう。
「お、ちうちゃんじゃない。どしたの? 」
「どしたもこうしたもねぇ! 何考えてるんだ、朝倉! 」
「何も。」
と、朝倉和美とちうのやり合いを見ておろおろする大河内アキラ
「大河内もこんな奴にかまうな! 」
「でも…。」
「朝倉の考えていることは大概やましいことだ! 」
「ちうちゃん、言い過ぎ! 」
と、やりあっただけで収穫なしにしょんぼりする朝倉和美
「う〜ん。当てが外れちゃったなぁ〜。普通に探してもいいけど賞金首だしなぁ。だからと言って他のメンバーが働く気になるわけなんかないしなぁ〜。」
と、祭りの準備が進むオスティア市内をふらふら。
「まっ。仕方がないかな。」
と、戻ろうとした瞬間誰かに声を掛けられる。
「朝倉? 」
「??? 」
そこにいたのはメイド服ではなく普段着姿の大河内アキラ。とは言っても首輪はつけたまま。それがかえって痛々しい。
「あれ? アキラじゃん。抜け出してよかったの? 」
「メイド長に事情話した。あそこでは働けないけど人が足りないところがあるんだって。」
「え? 」
それを聞いてきょとんとしたのはなぜか朝倉和美のほうだった。




「すごいベッピンさんじゃない。あそこのメイド長に相談してよかった。」
「知り合いの上司らしいんですけどねぇ…。」
「あの人は苦労人だよ。でも、優しいお方だ。」
と支配人らしい男性と話している朝倉和美
「キミ、名前は? 」
「えっと…"藍原みほ"です。みほって呼んでくれれば。」
大河内アキラから案内されたところは酒場みたいなところ。
と言ってもそん所そこらの酒場ではなく高級な酒場。いうなれば大人の社交場みたいなところ。
ただ、ほかのメンバーに迷惑をかけられないので髪型はいつもの髪型ではなくすべておろし、年齢詐称薬を飲んでちょっとだけ年齢を上げ偽名を名乗ることに。
「で、これに着替えてもらいたいんだ。いうなればうちの"制服"みたいなものだけどね。」
と、支配人から渡されたのは肩がはだけた白を基調とした服。一歩間違えれば胸も見えそうなくらい。
「かわいい服ですね。」
「いやはや。お世辞には参るよ。」
「じゃあ、着替えてきますね。」
と、藍原みほは制服に着替えてくると開店準備が始まりあわただしく働く。
「わたしも手伝いますよ。」
「そうかい。」
とサポートの男やら一緒に働く女の子たちと一緒に開店準備。
オスティアに夜の帳が降りるころ。店が開きいかにもお金を持ってそうな客が集まる。
藍原みほの席にもひとりの男性が。
「大丈夫かい? 」
「ええ。」
と、お酒を酌み交わしながらお話をすることに。
「ここじゃ見ない顔だね。」
「話とか好きだしプロポーションにも自信があるから良いかなぁ〜って。」
「旧世界の出身じゃないかなぁとか思ったんだけど。」
あまりにも図星過ぎる回答に藍原みほは少し慌てるが男は意に介さず。
「ご、ごめんなさい。旅行で来たんだけど…。」
「こちらこそへんな質問で悪かったね。でも、君が一番綺麗だよ。」
一番綺麗だといわれて今度は顔を真っ赤にする藍原みほ。確かにいろんな女性が混じっているがきれいなんて思ってみなかった。
「ジョークがうまいんですね。」
「そんな事ないよ。君もしゃべりがうまいね。」
「あ、ありがとうございます。」
「御礼されるなんて思っていなかったよ。」
そういって男は微笑む。
「どうやらみほ君の魅力に負けたよ。なにか飲むかい? 僕がおごるよ。」
「え? いいんですか? 」
と飲み物を頼む。結局その男は3時間も藍原みほと一緒にいてかなりのお金を使ってくれた。
「すごいじゃないか。感謝するよ。」
「えっ? そうですか? じゃあ、明日もがんばりますよ。」
と、店から出て思案顔をしてしまう藍原みほ。
「このままあそこに戻るのも嫌だなぁー。かといってアキラのところに転がり込めば…。」
すると筵からどこかで聞き覚えのある声が。
「あれ? 君は…。」
待っていたのはさっき話していた男性。
「えっと…。」
「確か、みほ君って言ったよね? 帰る場所はあるのかい? よろしければ僕のところに来るかい? 」
とっさの申し入れに藍原みほも顔を真っ赤に。
「で、でも…。」
「何、決してやましい事はしないよ。それに、君はしっかりしている。ただ、お金だけのためにドリームクラブで働いてなさそうだしね。」
「あなたの方が迷惑じゃないんですか? 何か知れたら…。」
「ここじゃなんだからホテルに着いたら話すよ。それでいいかい? 」
と、男性に負けてホテルまで着いていってしまう藍原みほ。
通されたのはオスティアでも1,2を争うインペリアルのスイートルーム。
「えっと…。」
「ごめんごめん、まずは名乗るのが先だったよね。僕はヨハンス・ルテリウム。メセンブリーナ連合の公務員みたいなものさ。」
「公務員ですか…。」
「みほ君は何のために魔法世界を旅しているのかな? 」
とっさに言われて返答に困るがはっきりと自分の意志を伝える
「わたし、将来の夢は記者になることなんです。そのために世界を見ておきたくて…。」
そのことに関してはヨハンスも納得する。
「そうか。記者になるために世界を旅しているのか…。」
「どうかしたのですか? 」
するとヨハンスは窓を開く。
「光があるところには必ず影があるんだ。このオスティアでもそうさ。終戦20年とか浮かれているけど結局ひずみは是正されていない。富める物は富み。貧しいものは貧しくなる。連合はそれを隠しているだけさ。」
「はぁ…。」
ため息をついているとヨハンスが更に提案を。
「明日だけでいい。僕の手伝いをしてもらいたい。もちろん報酬はちゃんと出す。」
そのことに関して考えた後に承諾する。
「わ、わかりました…。」
するとヨハンスはにっこり。
「そうかい。そうと決まったら祝杯だ。飲み足らないだろ? 」
藍原みほも本当のことを言い出せずヨハンスとそのまま飲み明かしてしまうのだった。




翌日、藍原みほは頭を抱えながらむくりとおきだす。
「の、飲みすぎた…。」
気がついたらダブルベッドでひとり寝ていた。
「あれ? 」
ヨハンスはというともうすでに着替えていた。
「お目覚めかい? 」
「あ、あの…。」
何故だか顔を真っ赤にする藍原みほ。それをみてヨハンスは笑い出す。
「すごい乱れっぷりだったよ。飲みなれているのかい? まあ、悪酔いしていなければいいけどといったところかな。」
「…バカ。」
「それよりも、早速仕事だ。これに着替えてくれないかい? 」
と、渡されたのは赤いスーツ。それでもしっかり着こなす藍原みほ。
「秘書と言ってもどこへ行かれるのですか? それに…。」
首を傾げっぱなしの藍原みほに対してヨハンスは笑い出す。
「行けばわかるよ。」
そういってついて行くと、スラム街に入り込む。
「やはりな。」
と聞き取り調査やら資料を眺めてはあちらこちらに書き込みを始める。
「どうかしたのですか? 」
総督府から送られてきた予算策定書にはスラムの生活改善に使われているはずなのだがごらんの有様さ。多分、役人の懐の中だろうな。」
それを聞いてさびしい目をする藍原みほ。すると藍原みほの目には震えている一人の子供が。
「どうしたの? 」
「おなか減った…。」
「待っててね。」
そういうと持っていたパンを一切れ渡す。するとにっこりする。
「お姉ちゃん、ありがと。」
「何とかならないのですか? 」
「言ってみるよ。多分、孤児だろう。終戦から20年経っているのに変わってはいない。これが現実だよ。さて、次だ。」
そういって実地調査をしながらオスティアの現実を見せられる藍原みほ。表通りこそ祭りの準備で騒がしいが裏路地に入ると明るさなんか微塵も感じられない。
それなりに生活は成り立っているがやはりさびしい。
「オスティアってこういったところなんですか? 」
「20年前はこんなことはなかったはずだ。やはりウェルペスタティア王国の崩壊からまだ立ち直っていないんだな。」
「ウェルペスタティア王国? 」
「昔あった国さ。帰属をめぐって帝国と連合が争った挙句に崩落して崩壊してしまった。今は連合領ではあるけど何を考えているのだか…。」
「ヨハンスさんはウェルペスタティアの出身なのですか? 」
藍原みほの問いかけには首を振るヨハンス。
「いや、オレステスの出身だよ。比較的裕福だったけど貧しい人たちが多かったからこの人たちの気持ちがわからないでもないんだ。こういった人たちのためにも勉強をして奨学金でメガロメセンブリアの大学に入ったんだ。」
「じゃあ、魔法とか。」
その問いかけにも首を振る。
「魔法の適性はないからエリートコースからは外れたさ。連合の首脳になるには魔法使いじゃないといけないからね。」
「じゃあ、今は。」
「連合の都市を視察して不正がないか監視している。今はオスティアに滞在しているさ。」
「ああいったところも? 」
「政府の高官の話を聞くにはああいった社交場を使わざるを得ないからね。でも、みほ君に出会えてよかったよ。」
感謝されて藍原みほはなぜか顔を赤らめる。
話しているうちについた先はオスティア総督府
「申し訳ない。総督は在席しているかな? 」
すると少年が応対する。
「申し訳ありませんが総督は多忙でして…。」
「確かに祭りの準備で忙しいのはわかるよ。なんていったって終戦から20年だからね。でも祭りごとにかまけていられては困るんだよな。」
「言っておきます。あと、この前の巡回使がもうしていられました決裁書です。」
ヨハンスはそういって決裁書に目を通す。
「わかった。目は通しておくよ。それといつ会えるのかい? 」
「近いうちに。」
「わかった。」
そういって総督府を後にする。お昼を食べるために食堂について藍原みほはヨハンスに質問する。
「総督も監視するんですか? 」
「一応、総督もメガロメセンブリーナから派遣されているからね。特に総督は予算の使い込みが激しい。」
と、ヨハンスは食事を取りながら総督府から出された決裁書に目を通す。
「これは…本国待ちだな。公金横領の疑いもある。」
「大変なんですね。」
「いや、これが職務だからね。でも、人と触れ合うから苦労はないよ。ジャーナリストを目指しているんだろ? 」
ヨハンスの問いかけに頷く藍原みほ。時計を見ると14時を優に回っている。
「そろそろ出勤だろ? こんなのにつき合わせてしまって悪かった。」
「そんな事ないです。わたしもいろんなところが見れて感謝しています。」
「そうか。まあ、ああいったところは大変だろうけどな。」
そういってヨハンスとは分かれてドリームクラブに出勤する藍原みほだった。




ドリームクラブに出勤した藍原みほは目を点にした。
「ハイッ!? 」
身長も高くモデル体型で髪型はウェーブヘアー。子供かと思えば大人に近い少女なのか女性なのかわからず首を傾げる藍原みほ。
しかしつけている首輪で正体を見破りツッコミを入れる藍原みほ。
「…アキラ? 」
しかしその女性は首を振る。
「みほさん、始めまして。滝沢結貴です。たきゆんって呼んでねっ。」
「アキラでしょ? 」
その問いかけには首を振る滝沢結貴。
「たきゆんだよっ。」
あくまでもかまととぶる滝沢結貴に対して"ある"質問をする藍原みほ
「飲んだの? さあ、正直に白状なさいっ!! 」
「…ウン。」
そういわれると正直に頷く滝沢結貴。朝倉和美に紹介したのはいいけど責任を感じたのか自分もメイド長に相談して働くことに。
もちろん、そのままの格好はまずいのでちうから年齢詐称薬を奪い少しだけ大人になった。
変身した大河内アキラを見てなぜだか嫉妬する朝倉和美
ドリームクラブでは藍原みほと滝沢結貴ではあるが。
もちろん、飲食業で働いている滝沢結貴はてきぱきと仕事をこなし感嘆させるが男性相手だと緊張してしまうのかもじもじしてしまう。
「わ、わたし…こういったことないので…。」
「そんな事ないよ。ゆーきちゃんはかわいいよ。」
と、アタマをなでなで。それをみて何故だか嫉妬の炎を燃やす藍原みほ。
「あの天然〜!! 」
接客している間も滝沢結貴はなぜかおろおろするも男性客達はニコニコ。
それを横目に見ながら藍原みほがカリカリしていると声を掛けられる
「どうしたんだい? 君みたいなレディーが不機嫌顔見せているなんてもったいない。」
「ヨハンスさん!? 」
横に立っていたのはヨハンス。恥ずかしい所を見られた藍原みほは何故だか沸騰してしまう。
「あ、あの…。今日もまた来てくれたのですか? 」
「ハハハ。さすがのみほ君も純粋なレディーって所かな。」
「そ、そんな事言わないでください…。」
と、なぜかもじもじする藍原みほ。
「大丈夫? 」
と、横に座ったのは滝沢結貴。
藍原みほがヨハンスにデレてしまいサポートに入ることに。
「君は? 」
「あ、あの…。」
やはり男と話すのが苦手なのかもじもじしてしまう。すると頭をなでるヨハンス。
「みほ君はおしゃべりもうまいし切れ者なのにゆーき君は引っ込み思案なんだね。」
「駄目…なんですか? 」
「そんな事ないさ。」
「わたしとゆーきどっちを選ぶんですか? 」
と、何気なく藍原みほはヨハンスに聞いてみるがヨハンスはただ笑ってこう答えるだけ。
「どっちを選ぶなんて出来ないよ。それにどっちもかわいいさ。僕がおごるよ。好きなもの飲むといいよ。」
と、言っているが藍原みほは膨れたままだった。




「…ごめん。」
滝沢結貴が相原みほに謝ったのは仕事が終わってから。
しかし、藍原みほは意に介さずにっこり。
「いいの、いいの。今日はわたしの負け。明日は絶対に負けないんだから! 」
「…良かった。」
それを聞いて滝沢結貴もにっこりすると同時に声が聞こえる。
「…みほ君を怒らせてしまうなんて申し訳ない。」
後ろに立っていたのはヨハンス。声を掛けられた藍原みほはまた顔を真っ赤に。
「そ、そんな事ないです! 」
「そうか、なら良かった。でも、僕が気がかりなのはあれだよ。」
と、指差したのは滝沢結貴につけられた錠前つきの首輪。
滝沢結貴の元である大河内アキラ和泉亜子の薬のために背負った借金のかたに自分の自由が奪われた証。
「確か病気の友人がいてその薬の代金が100万ドラクマでそれを返すために働いているとか。で、昼だけじゃ足りないので夜も…。」
「まだそんな制度が続いていたのか…。」
「??? 」
「ニャンドマ条約というのがあって雇われる方は自由を奪われるが雇う方は傷つけてはいけないというルールがあるんだ。でも…。」
「でも? 」
「ここで話をすれば二人にも危害が加わる。どうだい? 」
と、インペリアルホテルのスイートルームに通される藍原みほと滝沢結貴。
「これをみてほしい。」
と、ホログラムを見せられる二人。それは過去の新聞記事。
「これが? 」
「僕がやったわけではないが別の巡回使が暴いたニャンドマ条約にかかわる汚職事件さ。」
「えっ!? 」
それは奴隷の不審死にかかわる事件。
本来だったら取り上げられるべきでもない事件。
しかし、どうも本来の雇用主と違うらしい。巡回士が事件の調査を進めていくとたらい回しが発覚した上に雇い主が移民管理局に賄賂を渡して口封じをしていたらしい。
もちろん条約違反で雇用主も移民管理局も逮捕。ニャンドマ条約の改正もすすめられ対象者がひどい目に合わされることはなくなった。
「と、言うわけなんだ。」
「もしかして、ヨハンスさんが巡回士目指すきっかけとなったとか? 」
「みほ君には昨日話したと思うが光あるところに影は必ずあるんだ。影から這い上がれない人を助けなければいけないんだ。」
「さっきのヨハンスさんとはぜんぜん違う…。」
「でしょ? 」
「おいおい。お世辞はよせよ。二人のレディーから求愛されるなんて思っても見なかったよ。」
「そういうわけじゃ…。」
結局ヨハンスは笑通しだったが藍原みほと滝沢結貴は顔を真っ赤にすることに。
ヨハンスは泊まってもいいということだったが滝沢結貴が帰らないといけないということなので藍原みほが送っていくことに。
いつもの場所に帰った瞬間滝沢結貴は藍原みほに抱きついて泣き出してしまう。
「わたし、何も出来ない! 亜子が死にそうになっているのに、まき絵や裕奈が無事がどんな目にあっているかも分からないのに! 」
「…つらいの? 」
「この世界に来てから何がなんだかわからない。わたしは魔法なんかも使えないし朝倉みたいに切れ者じゃないから。それに…。」
「それに? 」
「亜子にまだ話せてないんだ。ナギさんの正体がネギ先生だということも…。」
「…大丈夫だよ。アキラはがんばっているよ。それに、あの二人なら大丈夫だよ。」
藍原みほはそっと滝沢結貴の頭をなでてにっこりしているだけだった。




それからも藍原みほと滝沢結貴はドリームクラブで1,2を争う看板娘になりつつあり、藍原みほはこのままでもいいかなぁと思いながら働いていたある日のこと。
見知らぬ若い男性が小学生の女の子を連れてやってきた。
それを見て一気に背筋が凍りつく藍原みほと滝沢結貴。
「(な、何でナギさんとちうちゃんが!? )」
その日は二人を警戒しながらも平静を装い接客を続ける。
仕事が終わったと同時に仮契約カードを出したかと思えば一気に走りぬける。
「どこへ行くの? 」
「インペリアルホテル! あそこだったらあの二人は入れないはずだから! 」
しかし、この日に限って追いかけてくるナギとちう。あせる藍原みほと滝沢結貴。
「"渡鴉の人見"でナギさんたちを監視させているとはいえ…誰かに読まれてる! 」
気がついたときには高台の広間におびき出されていた。
そこにいたのはナギとちう。そして2冊の本を持っている宮崎のどか
2冊の本の正体は"いどのえにっき"。それで逐一ナギに状況を伝えていた。
それを見た瞬間藍原みほと滝沢結貴は観念してしまう。
「朝倉、大河内! どー言うつもりだ! 」
「皆さん心配してましたよー。」
「本当のことを話してください…アキラさん、朝倉さん。」
「パルが生活費足りないって言うからちょっとでも足しにしようかと思ったんだけどさぁー。なんか楽しくなっちゃって…。」
「わたしは朝倉に紹介した責任があるし…。」
と、話すがばつが悪いのかしょんぼり。更に状況を悪くしたのはもう一人いたから。
「ヨハンスさん!? 」
「??? 」
「話は聞かせてもらったよ。」
予期せぬ客に大パニックになる藍原みほ。
「…ヨハンスさんに本当のこと話そう。」
と滝沢結貴に諭され、もじもじしながらも本当のことを話す藍原みほ。
「ご、ごめんなさい…。」
しかしヨハンスはといえばにっこり笑うだけ。
「どっちで呼べばいいのかな? 」
その問いかけには黙っているだけ。ナギがヨハンスに尋ねることに
「あなたは何者なのですか? 」
「僕はメセンブリーナ連合の巡回使さ。僕は連合領のあちこちを回って役人に不正がないか調べて報告をする。命がけの仕事だよ。だからひと時の息抜きを求める。」
「でも、二人は。」
「わかっているさ。年端も行かない子供だろ。お酒を飲んだときに顔を真っ赤にしていた。」
そういわれて顔を真っ赤にする藍原みほと滝沢結貴。それとともにヨハンスはナギに対して質問をする
「君は何者だい? まさか、あの伝説の男の生まれ変わりじゃ…。」
「僕は…息子です。父親を追いかけにやってきました。でも、こんなことになるなんて…。」
「ちょ! 」
ナギの告白にちうはぼーぜん。しかしヨハンスは意に介さない。
「そうか…英雄になろうとは思うな。君には慕っている仲間がいるんだからな。仲間を護ってやれ。それに…。」
「それに? 」
そういうと滝沢結貴の首輪を指差す。
「君は彼女を解放することが出来るのかい? 」
「今度の格闘大会の賞金が100万ドラクマです。アキラさん以外にも待っている人がいます! 」
「失敗すれば彼女は一生奴隷のままだぞ。君はその十字架を背負うことが出来るのか? 」
「やり遂げます! 」
ナギが強く言うとヨハンスは頷くだけ。そして藍原みほと滝沢結貴に1万ドラクマ札を握らせる。
「いいんですか? 」
「僕に付き合ってくれた報酬さ。君も背伸びしないでナギについてやれ。」
「あ、あの私は…。」
「自分のために使えばいいさ。」
「良かったですね。」
ナギに言われると沸騰する藍原みほと滝沢結貴。
「よし、これから壮行会だ。彼の健闘を祈ってあげよう。もちろん僕がすべて出す。」
「いいんですか? 」
「もちろんさ。但し、酒は出ないけどな。」
笑いながら説明するヨハンスに藍原みほは顔を真っ赤にするのだった。




「アキラ、おきて! 」
それからしばらく経ち大河内アキラも解放されたある日のこと。
大河内アキラをたたき起こす朝倉和美。もちろんたたき起こされた大河内アキラは寝ぼけ眼。
「行くよ。」
「何処へ? 」
何も言わずに手だけ引っ張る朝倉和美。向かった先はインペリアルホテル。
ロビーにいたのはチェックアウトしているヨハンスの姿。
「ヨハンスさん! 」
「お見送りかい? 巡回使というのは孤独なのだが…。」
「もしかして召喚ですか? 」
「いや。滞在期限が過ぎただけさ。これからメガロメセンブリーナに戻り報告書を仕上げる。彼は総督としては不適格だ。ただ、元老院の連中は聞く耳持っているかどうかさえも疑問だけどな。」
「これからもこういったことを? 」
「そのつもりだ。」
「あ、あのっ!? 」
「どうしたんだい? 」
「また…会えますか? 」
顔を真っ赤にしながらヨハンスに尋ねる朝倉和美
「どっかで会えるさ。」
そういうと大河内アキラがいるのにもかかわらず朝倉和美を抱きしめキスをするヨハンス。
その瞬間をまじまじと見せ付けられ大河内アキラは顔を真っ赤にするがヨハンスは跪いて大河内アキラの指にキスをする。
「君達は素敵なレディーになれるよ。」
ヨハンスの言葉にまた沸騰する朝倉和美大河内アキラだった。

補足
ノリとしては休載日に近いですwww
ドリームクラブはネタですwww


本来だったら接待してあっちの方向に行くはずがなんか社会派+ラブロマンスに行ってしまうというわけがわからない展開にw


巡回使というのはレミニスのオリジナル設定です。連合の国土は広大なので不正を行っていないかという機関が必要なわけで…。たぶん、元老院ではなく内務省の管轄でしょう。
総督という名前はクルト・ゲーテルのことで


後、藍原みほという偽名は実写版ネギま!で朝倉和美役の女優さんの名前です。その前は近藤美穂子でした。つか朝倉和美役は改名するのがおきてなのでしょうか?


滝沢結貴は大河内アキラ役の女優さんの名前ですが*1


はじめのほうで言っていたけどデータのバックアップを取っているハードディスクが帰ってくるまでお休み。
とりあえず、まき絵綾瀬夕映の長編が最初ですが(汗

*1:ドラマ終了後にやっぱり改名。その前は滝川結貴でした