深い深い森の中で…Vol.1

いつもだったらネギま!の休載日はクラスメートのひとりにスポットを当てたssを書いているのだけれども。
今回からは綾瀬夕映佐々木まき絵にスポットを当てた月1の長編ssを*1


奇妙な夢に悩まされる綾瀬夕映。それに気づいているのは…?

「ここは…何処なのでしょう。」
綾瀬夕映は霧の立ち込める森の中にいる。
「あ、頭が…。」
耳鳴りがするのか頭を抱えながらふらふらになって彷徨うように歩く。
「(こっちへ来て…。)」
「あなたは何者ですか? 」
声のするほうに向かうと大きな樹木が。
「(私は、森の精。あなたに私の後を継いでほしい…。)」
「そ、そんな事言われても!? 」
「(大丈夫…。)」
拒んでいるはずなのだが足は勝手に大きな樹木のそばに。
そして綾瀬夕映の手は勝手に樹木に触れていた。
「私はどうすればいいのでしょうか…。」
触れたところで目が覚める。
「はて…。」
ベッドの中で綾瀬夕映は手のひらを眺めていたのだった。




「あの夢は…なんだったのでしょうか? 」
と、授業中にもかかわらず綾瀬夕映の意識は上の空。
「夕映さん。」
誰かが呼んでいるがそれすら耳に入らず。
「夕映さん。どうかしたのですか? 」
それでもうわの空の綾瀬夕映
ポコ。誰かが綾瀬夕映の頭をどつく。
「夕映さん。何ぼぅーっとしているのですか? 」
「…ネギ先生。な、なんでもないです。」
「そうですか。じゃあ、授業ちゃんと聞いてくださいね。」
ネギににっこり言われて何故だか顔を真っ赤にする綾瀬夕映
「確かに・・・少しうわの空すぎました。猛省せねば。」
と恐縮しきり。放課後になってもつつかれてばっかり。
「どぅーしたのよ? 」
「な、なんでもないです。ちょっと考え事していただけですよ。」
「に、しても授業のたびにぼぅーとっしているけど? 」
「そんな事ないですっ!! 」
と、早乙女ハルナのツッコミを否定する綾瀬夕映。と、そこへ宮崎のどかが。
ゆえゆえ〜。だいじょうぶ? 」
「大丈夫ですよ。」
ゆえゆえ、最近授業聞いていないからまたバカになっちゃったんじゃないかなぁーって。」
「なっ!? 」
とんでもないことを口走って綾瀬夕映は沸騰してしまう。
「ほらぁー。のどかも心配しているんだからしっかり聞くんだよ。」
「…ハイ。」
と、何故だか子供のように恐縮しているだけだった。




「…またここです。」
気が付くとまた深い森の中に。
「…助けて。」
霧の中で声だけ聞こえる。
「あなたは何をしてほしいのですか!? 」
「…怒らないで。」
「申し訳ないです。」
霧の中の声に諭され何故だか恐縮する綾瀬夕映
「あなたにはこの森を助ける力があるの。この森は誰かの助けがなければ枯れ死んでしまう。お願い。」
「でも、私は何も出来ない! 求めれば求めるだけその代償は私に跳ね返ってくるだけです! 」
「…恐れちゃ、だめ。すべてを受け入れるの。」
「すべてを受け入れる? 」
「あなたの素質、才能、境遇。ありのままを受け入れるの。そうすればおのずと運命は付いてくる。」
「そう…ですか。」
と、ふらふらと歩き続けた先には巨大な樹木。
触ろうとした瞬間にまた夢からさめる。
「また…この夢ですか。」
頭痛がひどいのか頭を抱える。
「ここ最近…頭痛が続くです。この夢のせいでしょうか? 」
頭痛が響く頭を抱える綾瀬夕映
その日の授業は頭痛との闘い。
ふらふらする頭を抱えながら何とか授業を受ける。
友人から"大丈夫? "といわれるが何とか授業を受けることに。
「何とか…なったです。これから部活の方に…。」
そういって部活に向かおうとするがそのままばったり倒れてしまったのだった。




ゆえゆえ…。」
「ここは…。」
「保健室だよ。廊下で倒れていた所運ばれたんだよ。」
綾瀬夕映の意識を取り戻した先は保健室。傍らには宮崎のどか早乙女ハルナが。
「なぁーに無理してんのよ!! 」
「あううっ!! 」
綾瀬夕映を小突く早乙女ハルナ
「ったく。最近様子おかしいんだからしっかり治しなさいよ。」
そういわれると何故だかもじもじ。
「のどか? 」
ゆえゆえ、どうしたの? 」
「誰が、ここまで運んできてくれたのですか? 」
と、尋ねると宮崎のどかは首を振るだけ。
「私もわからないの。」
「と・に・か・く。今は早く治すの。いい? わかった! 」
早乙女ハルナにすごまれて綾瀬夕映は頷くだけ。そして、二人は退出する。
「やっとうるさい二人が出て行ったです。」
ほっとしながら寝ているとドアをノックする音が聞こえる。
入ってきたのは佐々木まき絵
「ゆえちゃん、大丈夫? 」
そういっておでこをくっつけようとする佐々木まき絵に対して慌てふためく綾瀬夕映
「だ、大丈夫ですっ!! それよりも…さっきは感謝するです。」
「感謝するほどのことじゃないよ…。それに見つけたのは私だけど運んだのはアキラだったし…。」
「でも、助かったです…。」
「良かった…。元気そうで。」
にっこりすると佐々木まき絵は退出しようとするが綾瀬夕映が引き止める。
「もう少しだけ…そばにいてほしいです。」
「そうなの…わかった。」
と、ベッドのそばでちょこんと座っている佐々木まき絵綾瀬夕映はなにやら話したいことがあるのかもじもじ。
「あ、あの…。」
「どしたの? 」
まき絵さん、ちょっと前に悪夢とか見せられたとか言っていましたよね? 」
「ウン…。まゆみちゃんとかが殺される夢。すっごく怖かった。寝汗もひどいし眠れないし。朝の5時とかに目が覚めるんだよ。でも…。」
「でも? 」
「そのこと言っても誰も信じてくれないしいいんちょはいっつも居眠りしてるって怒って来るし…。」
「実を言うと、私も同じような夢を見せられているのです。」
聞かされた瞬間ちょっとだけびっくりする佐々木まき絵
「えっ!? 悪夢なの? どんな夢なの? 」
まき絵さんのとは違うのですが…。」
と、大きな樹木の前に立っていて森の精霊が"あなたには力があるから護ってほしい"みたいなことを言っている夢を見ていることを告白する。
「そうなんだ…。本屋ちゃんとかパルにはその事言ったの? 」
それに対しては首を振る綾瀬夕映
「実を言うと…言うのが怖いです。それに…。」
「それに? 」
「私にはこの世界は狭すぎるのです。ここで私が出来なくてもどこかで私を必要としてくれるのなら…。」
その告白に対して佐々木まき絵も思案顔。
「ゆえちゃん、頭いいからね。私は外の世界で働いていたけど…学校って退屈なんだなぁーとか。それに…。」
まき絵さんも何か、あるんですか? 」
「ネギ君が必要としていないんだったらいなくてもいいんじゃないかなとか思っちゃうんだよね。」
「私は…どうなのでしょう。まき絵さんの気持ちがわかるようなわからないような…。」
話しているとあっという間に夕方に。
「ひき止めてしまって申し訳ないです。」
「ううん。私でよかったらいつでも話し相手になってあげるから。」
そういって佐々木まき絵は退出するのだった




「のどか…。」
「どうしたの、ゆえゆえ? 」
体調も回復したある日のこと。綾瀬夕映宮崎のどかの元へ。
「私がいなくなったら淋しいですか? 」
とっさのことで少しだけきょとんとするがその後綾瀬夕映のことを抱きしめる宮崎のどか
ゆえゆえがいなくなっちゃったら、私、すごく寂しい…。」
「そうですか…。」
そこで夢のことを話す綾瀬夕映。話し終わると宮崎のどかはにっこり。
ゆえゆえ、疲れているんだよ。それともほんの読み過ぎかもね。」
そういわれて目を点にする綾瀬夕映
「(やはりのどかに相談しても変わらない。ということでしょうか…。)」
そんなある日の深夜。綾瀬夕映は意を決してとある場所へと。
「んにゃ〜今何時だと思ってるの…。」
まき絵さん。お願いがあるです。」
眠気眼の佐々木まき絵とは違って綾瀬夕映の意志は変わらないのだった

補足
さて、何回続くのやら。
とりあえず綾瀬夕映佐々木まき絵を中心に広がります


つか、2話目書いてないし(マテw

*1:但し、合併号などで2回休載日が出来た場合は1階は長編。もう1回はいつもどおりのクラスメートss