和泉亜子誕生日ss3"寒い夜だから…"

運動部で一番存在が薄い和泉亜子
誰か彼女を幸せにしてくださいw


むしろ、ネギま!部は幸せにしないと思う。*1


秋も深まり和泉亜子は何を思う…

それは秋も深まったある日の夕方。
「今日もさぶいなぁ…。」
そういってサッカー部の部室の整理をする和泉亜子
彼女はサッカー部のマネージャーで日々部員のサポートをしている。
そして整理が終わり部室を後にするとすっかり暗くなっていた。
「もう、こないな時間はよ帰らんって。まき絵心配しとるやろなぁ…。」
「お疲れ。」
「ひ、ひゃっ。びっくりして死にそうやなぁー。もうっ。・・・どないや、アキラか。」
とっさに声を掛けられたので後ろを振り向くとそこにいたのは大河内アキラ。どうやら彼女も部活からの帰りらしい。
「一緒に帰ろ。」
「ウン。ええよ。」
そういって暗くなった帰り道を帰る二人。ところどころ吹く風は寒く和泉亜子は肩をすぼめてしまう。
「もぅー。さぶいのいややねん。何やってかならへんのかなぁー? 」
「これ。」
そういうと大河内アキラはかばんからなにやら取り出して和泉亜子の首にかけてあげる。
「これやったかいなぁ〜。アキラ、やりがって。」
和泉亜子はニコニコしながら寮へと戻る道すがら、なにやら思いつく。
「(ネギ君も寒がってるやろなしれへんよってになんか作ってやげたら喜ぶやろな)」
「亜子、どうしたの? 」
ひとりニコニコしているのを不審がる大河内アキラだったが和泉亜子はずっとニコニコしたままだった。




「さて、どないなマフラー作ってやげやうかなぁ…。」
と、目の前には毛糸と編み物の本がずらり。色々ページをめくってみるがどれもこれも難しそうではあるが意を決してがんばろうとすることに。
早速マフラー作りに取り掛かる。
「やっぱしなんぎなぁー。」
と、編み図を見ながら四苦八苦。そのうちに目がチカチカしてきたのか頭を抱える。
「なれへんこってやるもほなあらへんなぁー。しゃーない。」
と、買って来た眼鏡をかけながら編み物を続ける。
「あれ? 亜子何やっているの? 」
「はひゃっ!? 」
後ろから声をかけられてびっくりしてとっさに編み物を隠してしまう和泉亜子
後ろを振り向くと明石裕奈
「何やってるの? 」
「勉強そやかてば。別にやましい事なんかしておらへんや。」
それを見てジト目になる明石裕奈
「勉強やっている風には見えないけどなぁー。」
「そんなんあらへんって。ほら部活はどないしたん。行った行ったちゅうわけや。」
と、半ば強引に明石裕奈を追い返すと大きなため息が。
「危なかったー。さて、続きをやらんって。なんか寒くなってくるみたいやし。」
そういってマフラーを編み続ける和泉亜子だった




それからしばらくして、和泉亜子は部活の合間を縫って編み物を続ける。
休み時間にやりたいが外野がうるさくなるのであまりやらないことにしている。
それでもやっと形になってきて和泉亜子もニコニコ。
「これやったらもうちびっとでぇ渡せせやなぁー。ネギ君、どないな顔やるんやろ? 」
と、またニコニコしては顔を真っ赤にする和泉亜子
「よしっ。できたっ! 」
と、和泉亜子は赤と白のマフラーを完成させる。左端にはネギ君の顔で持って、右端にはNEGIとちょっと不器用ではあるが一人で編み上げた。
「でぇもなぁー。毛ぇ糸まや余っとるんやんなぁー。」
目の前にはたくさんの毛糸が。思い浮かぶのはいぶかしげに眺めてきた明石裕奈
「せや。ちびっとびっくりさせちゃえっ! 」
と、何かを編み始める和泉亜子
それから、またしばらくたって包みを持ってネギを探す和泉亜子
中には手編みのマフラーが。
「今日こそ、ネギ君にマフラー渡さあらへんって。うちそやかて、やるってきはやるんやからっ!! 」
そういってネギを探している和泉亜子。はるか彼方にネギがいるがその隣には神楽坂明日菜が。
「(ネギって、ほんとっお風呂大嫌いだよねぇー。)」
「(そんな事ありません! アスナさんの洗い方が強引だからですよ!! )」
「(また言い訳して、このバカネギー!! )」
「(や、やめてくださいっ!! クシュンっ! )」
「(まったくこのお子チャマは。ほら、風邪引くわよ。)」
その一部始終を見ていた和泉亜子は大きなため息。
「なんか、楽しせやなぁ…ウチが入ったら邪魔やろか…。」
結局マフラーは渡せずじまいでそのままベッドの中にもぐりこんでしまう。
「やっぱし…。主役にはなれへん…。」
そう思っているとドアが開いて誰か入ってくる。
「(んー。なんだろ。これ? )」
包みを開けるとマフラーが。
「(ネギくんへのプレゼントだ。すると…。そうだっ! )」
と、なぜかニコニコしているのだった。




「亜子ー。」
「やれ? 美砂とちゃう。どないしたん? 」
「ネギ君から亜子に伝言だってさ。今日の放課後"アスナさんの部屋に来て下さい"だってさ。」
柿崎美砂からそういわれるとなぜか首をかしげる和泉亜子
「なんかあかんこってでぇもしたかなぁ…。」
思い当たる節が見当たらない和泉亜子。あまり浮かない顔をして神楽坂明日菜の部屋のドアをノックして入ろうとした瞬間クラッカーの音が響く。
「お誕生日おめでと〜。」
そこにいたのはネギ・神楽坂明日菜近衛木乃香佐々木まき絵明石裕奈大河内アキラ
「な、何やでぇ、うちの誕生日パーティーなんか!? 」
何がなんだかわからずに目を回す和泉亜子。そして、ネギの手には和泉亜子が作ったマフラーが。
「何やでぇうちが作ったマフラーがネギ自分の手ぇ元にやるの!? 」
すると全員が佐々木まき絵を指差す。
「んっとねぇー。包みあけたらネギ君へって書いてあげて渡してあげたの。」
「でも、もらってばかりだと申し訳ないのでじゃあ、誕生日パーティやることになったのですよ。」
「…って、どーしてまたここがパーティ会場なのよー。たまには他の場所使いなさいよー!! 」
アスナはたやのやきもち焼きさかいにかまへんほうがええと思うよ。」
近衛木乃香につっこまれてジト目になる神楽坂明日菜
「みんな、やりがって。うちすっごくうれしいや!! 」
と、感激する和泉亜子。誕生日パーティーが進むにつれてなぜか膨れる佐々木まき絵
「ネギ君いいなぁー。亜子が編んでくれたマフラーもらえて。」
それを聞いてなぜか考え出す明石裕奈
「あれ、いつマフラーなんか編んでたの? もしかして…あの時!? 」
そして思い出した瞬間明石裕奈和泉亜子をぽかぽか。和泉亜子はなぜかニコニコ。
「あっひゃっひゃっひゃ。裕奈、かんにんって。そだ。」
「??? 」
と、おもむろに部屋を飛び出す和泉亜子に全員首を傾げてしまう。
しばらくすると箱をもってまたやってくる。
「好きなのもってってえぇーよ。みんなのために編んだんせやから。」
箱の中には毛糸の耳当てやら、帽子やら手袋などが入ってる。
多分、自分も明石裕奈に深くつっこまれたらばらそうと思っていたがあっさりスルーしてしまったのでびっくりさせるために内緒で作っていたらしい。
「えっ? うちももろてええの? 」
「うちのためにこないなパーティー開いてくれはったんせやから。そないに気にせんでえぇーって。」
近衛木乃香がもらってもいいのかと首をかしげていたが和泉亜子は気にしていない。
もちろん、佐々木まき絵は耳当てをもらってニコニコ。
「あったかぁーい。」
「へっへーん。どう? 」
「…ありがと。」
なぜか神楽坂明日菜は顔を真っ赤にしてしまう。どうやら恥ずかしいらしい。
アスナさん、こういうのもらったことがないからわからないんですよ。」
「何言っているのよ、このバカネギー!! 」
と、かんかんに怒ってネギを追い掛け回す。しばらくすると窓の外に白いものがちらつく。
「あっ。雪だぁー。」
すると全員で外を眺める。
「積もるとよろしいなぁー。」
「じゃあ、みんなで雪合戦だね。」
「そない事考えるのまき絵しかおらへんって。」
「がーん。」
と、ひとりしょげる佐々木まき絵をよそに大河内アキラが話しかけてくる。
「…亜子、ありがと。」
「良かったちゅうわけや。みんな喜んでぇくれて。」
窓の外を見ながら和泉亜子はニコニコしているのだった

補足
運動部4人勢ぞろい+アスこのと言うオーソドックスな
相変わらず、アスナさんは回りに気づかないKYっぷりが…


次回は休載日ssだけれども前もって言っておいたように長編に挑戦することに。

*1:仮契約もなさそうだし