大河内アキラ休載日ss"水のない晴れた海へ…"

救いなんてございません! 


考えてみれば運動部の4人休載日ssはしゃれにならないくらいダークになってしまった…
まあ、誕生日は幸せなの書いているので。


学校という安住の地を飛び出したアキラさん
はてさて。後、フィクションなので真に受けないように。

「きれいな星…。」
大河内アキラは麻帆良から遠く離れた地で星を眺めていた。
思えば麻帆良を出てもう何日たつのだろうか…。
まき絵たち、元気かなぁ…。」
とも考えるが、あそこにはもう帰らない。そのつもりで最低限の荷物だけもってバスを乗り継ぎヒッチハイクを繰り返し、ちょっと悪いこともして、たどり着いたのは海辺の小さな町。
たどり着いたときにはもう、すでに夜。
「情報収集、忘れちゃった…。」
海沿いに歩くにもここからフェリーに乗るのも危険。かといってどこかに泊まりたいのだが年齢をいえば自分が家出していることがばれる。
「さびしくなんかないよ。だってあの人たちは私の事振り向いてもくれないんだから…。」
守る事はあっても守られる事なんかなかったという負い目だけしか。
「これからどうしよう…。」
そう思って言ううちに外灯の下でうつらうつらしてしまいそのまま倒れこむように眠ってしまったのだった。




それは大河内アキラが麻帆良を出る少し前。
佐々木まき絵のところにやってくる大河内アキラ
「アキラ、どしたの? 」
「…ここを去ろうかと思ったんだ。それで、最後の挨拶をしにきたの。今までありがと。」
ここを去ると聞いてちょっとだけびっくりしていたがあっさり納得する佐々木まき絵
「…そうだよね。私たちには届かない"存在"だったんだよね。私はもう、受け入れることが出来たけど…。」
「亜子だけは幸せになってほしいと思っていたけど…。」
「そうだもんね。アキラは亜子のことだけ気にかけていたもんね。」
「それに、あの人は"守る"っていっていたけど結局は自分のことが大切だからさ。」
「結局、私たちって足手まといだったんだよね。」
いつもは明るく振舞っている佐々木まき絵ですらその状況は深刻。
「結局、あの人にとって大切なのはお姫様だったんだよね。私達はお姫様になれなかった。」
「なんだったんだろう。まるで、あの世界が夢見たい。でも…。」
「でも、夢から抜け出せなかった。アキラもそうだよね? 」
佐々木まき絵の問いかけに頷くだけ。そしてやおら立ち上がる大河内アキラ
「私がいなくなってもさびしくない? 」
「大丈夫だよ。私たち、友達でよかったね。」
「私も。まき絵と友達でよかったよ。そうだ。」
そういって大河内アキラ佐々木まき絵に何かを手渡すとそのままにっこりして佐々木まき絵の部屋を出た。
その後麻帆良の人間で大河内アキラを見た人はいなかったのだった。




「あ、あれ…。」
大河内アキラが目を覚ましたのは布団の上。
あたりをきょろきょろすると6畳位の部屋。
「はて…。」
「きがついたんですか? 良かったぁー。夏の終わりとは言うんですけど。寒くなるからもう…。」
アキラの前には同い年かちょっと年上の女の子。
「あなたは? 」
「斉藤舞夏。あなたは? 」
「私? 大河内アキラ。」
偽名を名乗っても良かったがここは正直に名乗っておくことにした。嘘をついても舞夏の前ではばれそうだったというのもあるが。
「舞夏ちゃんはひとりぐらし? 」
「ちがうよ。ちゃんと家族いるよ。でも…。」
なぜか大河内アキラに抱きつく斉藤舞夏。抱きつかれた大河内アキラは顔を真っ赤に。
「そうだっ!! ほら、早く着替えて着替えて。」
と、斉藤舞夏にせきたてるように着替えると何故だか手を引っ張られて大きな建物の中に。
「ハイ。おなか減っているよね? 」
そういうと何故だか朝ごはんが出てくる
「これ、いいの? 」
「はい…。」
とりあえず、朝ごはんに手をかける。
「おいしかったです。」
しばらくすると斉藤舞夏がなにやら言いたそうなな目をしているが言い出せない。すると斉藤舞夏の友人で大河内アキラの友人である立花深雪がつっつく。
「まいかちゃん。あれでしょ? 」
「あ、あの…ここを手伝ってほしいの! 」
それを聴いた瞬間目を点にした。立花深雪が言うにはここの食堂は"集会所"といっていて夏の間だけここに住んでいる若者たちがバイトをしたりしているところだとオーナーの鈴木さんが言っているらしい。
「でも…いいの? 」
「毎年同じメンバーばっかりでだれているみたいなんでアキラさんみたいなのが入れば、しゃっきりするんじゃないかなぁーって。」
「そうだね。なんだか行きずりのところを拾われてご馳走してもらうのも悪いしね。」
それを聞いた二人は手をとり喜び合う。
「やったぁー。じゃあ、私、鈴木のおっさんに話しつけてくるから深雪ちゃん。コスチュームお願い! 」
「あっ、こっちです…。」
そういわれて事務所にある更衣室に案内されてコスチュームを手渡される。
「これを…着るの? 」
オレンジのふりふりのスカートに白いワンピースとオレンジのカチューシャ。
見ると立花深雪も同じ格好をしている。
少しだけ恥ずかしがる大河内アキラだったが思えば魔法世界にいるときも同じ格好をして同じことをやっていた。
100万ドラクマの債務もないし居場所がない自分を助けてくれた恩返しと思って着替える。
するとなぜか目をきらきらさせる立花深雪。
「ア、アキラさん、すっごくにあってます!! もしかして経験あるとか? 」
「ちょっとだけ…ねっ。」
そして元に戻るとちょうど始業前の朝礼なのかメンバーが集まっていると同時に場違いなおじさんがひとり
「君が…大河内アキラ君かね? 」
一瞬、緊張が走る。
「…ハイ。」
「はじめましてだね。私がこの店のオーナーである鈴木克人だ。みんなは鈴木のおっさんって呼んでるけどね。」
「なんかここの手伝いをしてくれって。」
「彼女たちのたっての願いだ。それに、昨日の夜に街灯で倒れているアキラ君を助けたのは彼女たちだしな。」
「ちょっとオレまでこいつらと一緒にしないでくださいっ!! 」
と、宮崎祐樹が噛み付くが回りは笑っているだけ。もちろん、大河内アキラもニコニコ。
「…わかったよ。」
「まあ、とりあえず、アキラ君も入ってくれたことだしこれからもがんばっていこう!! 」
と、言って手に持っているのはビールの缶。思いっきり開けてこう叫ぶ。
「アキラにささげるばーくがーしゅ!! 」
その瞬間周りからツッコミが入る
「おっさん、自重しろ!! 」
それを見ていて大河内アキラはあっけに取られていたがなぜかニコニコしているのだった。




「アキラさん、アキラさん。起きてくださいっ!! 」
「…今、何時だと思ってるの? 」
まだ夜も開け切らぬうちに誰かに起こされる大河内アキラ
目を開けるとそこにいたのは斉藤舞夏。
「すごく面白いもの見れるよ!! 」
「えっ!? 何? 何? 」
と、斉藤舞夏に引っ張られると集会所のメンバーも待っていた。
「ほら、もう何匹か出ているよ。」
穴が出ているのを見ると海がめの子供たちが穴から這い出してきて海へと向かっていく。
「ちょっと前に親亀が卵を産んだのを見たんです。それにこの海、毎年来ているんですよ。」
と、説明するのは集会所のメンバーの桜井咲夜。
「へぇ〜。」
「それとともに毎朝、みんなでごみ拾いしているんですよ。ほら、アキラさんも。」
「そうだねっ。海をきれいにしていたらまたウミガメやってくるかもね。」
「もぅー。咲夜ちゃんだけずるいっ! 」
「じゃあ、舞夏ちゃんもいっしょに。」
「ハイッ!! 」
そういって始業までの間、集会所のメンバーでごみ拾いをしているのであった。




そして、しばらくたったある日のこと。
集会所はお昼前なのに大混雑していててんやわんや。
「料理できたよ〜。」
「お待たせいたしました〜。」
「お客様、ご注文は? 」
「目が回る〜。」
「大丈夫だよ。落ち着いて。」
こういった修羅場を経験しているのか大河内アキラはメンバーのサポートに回ることに。
しばらくして大河内アキラがとある客の注文をとろうとするが客を見るなりびっくりしてしまう。
「!!?! 」
「お久しぶりですね。」
「よっ。」
「(ど、どうしよう…ここにいるなんて誰も知らないし、ばれたら…。)」
と、あたふたしていると斉藤舞夏がやってくる。
「アキラさんタ〜ッチ! いらっしゃいませ。集会場にようこそっ! ご注文は何にいたしましょうか? 」
「(行っちゃったよ。)」
「(困りましたねぇー。)とりあえず、ビールと枝豆。」
「かしこまりましたぁ〜。」
その隙を突いて調理に回る大河内アキラだったがドキドキは止まらない。
「ど、どうしよう…。」
「あれ? アキラさんじゃないっすか? 接客しなくていいんすっか? 」
「良いよなぁ〜。アキラさんかっこいいし、かわいいからあっという間に人気者。」
「あっ。祐樹君に佑子ちゃん。」
厨房ではちょうど暇になったのか宮崎祐樹と渡会佑子が。
「そんな事ないよ。佑子ちゃんもかわいいし。それに今日はふたりとも中シフトなんだ。」
「今日はね。舞夏ちゃんと深雪ちゃんがいるからまわしていけるよ。あ〜あ。」
と、渡会佑子は深いため息。
「どうしたの? 」
「かっこいい男子居ないかなぁ〜って。」
「祐樹君が居るじゃない。」
「祐樹は確かにかっこいいけどいつもあっているから新鮮味がないし。他の男も鈴木のおっさんはおっさんだし。他の男も"この前、警備員8人とバトって来たぜ。"とかゴスロリ服着て"世界一かわいいよ。もっともっと〜。"とか"夜のベッドで澪と律がバトルするんですね、わかります。"とか"しゅがぴ〜"とかさ。」
ため息をつく渡会佑子を見て大河内アキラが隣に。
「そのうち気づくと思うよ。だからさ。」
「そうですかっ!! 」
と、目を輝かせると接客組みから声が飛んで来る
「注文入ったよ〜!! 」
「さて、仕事だ、アキラさん。佑子。がんばるぞっ! 」
「オッケー! 」
「じゃあ、がんばろっか。」
そういって3人はキッチンを忙しく回り調理に入るのだった




「どうでしたか? 」
その日の夕方のこと。一人の女性が声を掛けると一組の男女は首を振るだけ
「確かにいました。」
「でも、わかった瞬間に下げられた。張っていたけどぜんぜんだめ。」
「そうですか…。
「で、そっちはどうだったのですか。」
「下調べは十分ですわ。ここは夏休みの間地元の高校生たちが職業訓練をしている食堂でオーナーは地元の実業家ですわ。」
「その実業家は地元の高校生を孫みたいに思っているわけだね。」
「それとこれは関係ありませんわ! とにかく、アキラさんを連れ戻さないといけませんわ! 」
「そのためには何とかここから引き離さなければいけないね。でも…。」
「集会所の高校生はアキラさんのことを信頼しきっています。引き離すことは難題だと…。」
「そのための子供たちでしょ? …あれ? 」
辺りを見回すがいない。しばらくすると水着姿の小学生二人組がなぜかニコニコ。
「何をしていらっしゃったのですか!? 」
「泳いでいたんだよ。すっごくきれいな海だったよ! 」
「確かにここの海はきれいです。ほら。こんなきれいな貝殻拾ったですよ。」
と、オレンジのショートカットの方は泳いでニコニコ。黒髪のツインテールの方が貝殻拾いをしていたらしい。
それに対して大人達は三者三様。ひとりは怒っているかと思えばひとりはニコニコしててもう一人は二人の頭をなでなで。
「がんばってね。」
「ほ〜い。」
「がんばってくるです。」
そういって小学生の女の子二人は闇夜に消えたのだった。




そんな事も露知らず大河内アキラと集会所のメンバーは仕事が終わった後。
「アキラさん、また明日ね〜。」
「また明日っ。」
すると桜井咲夜がもじもじ。
「あ、あのぅー。今日両親帰って来るの遅いって行っていたのでアキラさん所に行っても…。」
「いいよ。」
そういって大河内アキラが鈴木のおっさんから借りているアパートへ帰ると玄関には小学生くらい女の子が二人。
「!!?! 」
「アキラさん、大丈夫ですか? 」
「…大丈夫だよ。」
とは言っているもののなぜか気が動転している大河内アキラ。桜井咲夜はすやすや寝ている女の子二人をなでなで。
「かわいいじゃないですか。」
「そ、そうだね。」
「(な、何でまきえとゆえが!? )」
小学生の正体を知っている大河内アキラはどぎまぎしながら料理を作ることに。
「アキラさん、すごいですっ!! でも、何で家出なんか? 」
「…いるのがつらいんだ。」
「私だって同じようなもんですよ。でも、集会所のメンバーがいるし、ひと夏だけだけどあそこで働いていると元気が出るんですよ。」
「そういえばさ。佑子ちゃんがさ"ここの男はろくなのがいない"って行っていたけどさ。咲夜ちゃんはどう思ってるの? 」
「私はまだ、今が楽しいんで、彼氏はその後でも良いかなぁって。」
「咲夜ちゃんって。大人なんだね。」
「そんな事ないですよ。」
と、なぜか顔を赤らめているとそばで寝ていた二人がおきだしてくる。
「お姉ちゃん…。」
「お姉さま。」
「えっ!? ちょっと、その前になんでまきえとゆえがここにいるの? それに、ほら…。」
抱きつかれた大河内アキラはなぜか顔を赤らめどぎまぎ。そして桜井咲夜に視線が。
「お姉ちゃん、この人だぁれ? 」
「えっと、そのあの…。」
チロルチョコ食べる? 」
そういってポケットからチロルチョコを差し出すと二人はにっこり。
「おいし〜い。さくちゃん、ありがとっ! 」
「…きなこもちですね、チョコレートと合うかと言われたら少し微妙なのですが。」
この期に及んでゆえはなぜか微妙な顔。
「そうだ。」
そういうと桜井咲夜は3人をアパートからちょっとした高台に招待する。
「もしかして、ふたりとも都会育ち? 」
言われるとうんうん頷く。
「今日は天の川がきれいだよ。」
「わぁーい!! 」
「あのね、あのね。今日海でいっぱい泳いだの。」
「…私は、海辺で貝殻とか拾ったです。」
「そう、よかったね〜。」
と、大河内アキラがあたふたしている代わりに桜井咲夜がまきえとゆえのお守りをしたのだった。
後で聞いたことなのだが保母を目指しているのでこういったことは任せてほしいとのことだった。




「もうすぐお祭りだねぇ〜。」
「そうじゃなくってアキラさんのことでしょ! 」
斉藤舞夏と渡会佑子が話しているのは大河内アキラのこと。
アキラ目当てでやってくる客もあり集会場は大盛況なのだが見るからに不審な男女がいるとアキラもおびえてしまって厨房に入れざるを得ないのだが対応できないときもある。
ましてや祭りを迎えてしまったらパンクしてしまう。
その前に対策を考えたいのだがなかなかいい考えが出てこない。
「やっぱりこれしかないから! 」
「でも…。」
「大丈夫よ。」
「美雪ちゃんから聞いたんだけど…私に話があるって…。」
しばらくすると立花美雪に連れられて大河内アキラがやってくる。
「どうしたの? まだ始まりじゃないし。」
「はいは〜い。今からアキラさんをイメチェンしま〜す。ゆぅ子ちゃんがやってくれるそうで〜す。」
「えっ!? ちょっと!? 舞夏ちゃんも一緒にやるって!! 」
「アキラさん、えっと…ここに座ってください。」
と、言われるとおりに座ると。トレードマークであるポニーテールのリボンをはずす。
きれいなロングヘアーに3人とも驚きの声を上げる。
「アキラさん。かわいい〜。」
「これをこうして、こうすれば…ほら別人♪ 」
大河内アキラの髪型はいつの間にかツインテールに髪飾りもかわいいのをつけることに。
「今度はお化粧ですね。アキラさん化粧しなくてもいいのになぁ…でも、ストーカーかわさなくちゃいけないから…もったいない。」
とかぶつくさ言いながら大河内アキラに化粧をする渡会佑子。そばから見ていた斉藤舞夏と立花美雪も感嘆のため息。
「佑子ちゃん…こういったのって…。」
「本とか読むんです。大人になったらメイクアップ勉強したいなぁーって。」
「大丈夫だよ。」
化粧も出来上がると今度は黒縁のめがねを渡す斉藤舞夏。
「こうすれば、アキラさんも例のヤクザで粘着質なストーカー男女もわからないと思うよ。」
「さあ、どっからでもきやがれ。」
「さぁ、今日も朝からビールがうまい…ブーっ!! 」
「鈴木さん…大丈夫ですかっ!? 」
一番最初に引っかかったのは朝礼をしに来たのかビールを取りに来たのかわからなかった鈴木のおっさんだった。




「アキラ君…話があるんだ。」
その日の夕方。鈴木のおっさんからとある相談を持ちかけられる大河内アキラ
「朝のことについてですか? 」
「いや。違うんだ…実は最近東京から来たデベロッパーがここを買い取りたいといっているんだ。」
「鈴木さんはどうなんですか? 」
「私はここを手放すのが反対なのじゃが。相手さんもあせっているのがどうも交渉を早くつけたいらしい。それだけじゃない。どうも町の人たちの噂では興信所の男女ペアも来ているらしくなんだか不気味だ見たいなことを言っているんだ…。」
「いや、感謝するのは私のほうで…。」
「多分、一番の山場は"海辺の祭り"までだろう。そうすればこの町も少しは静かになるじゃろう。」
「"海辺の祭り"? 」
「まあ、一種の伝説じゃよ。ここ当たりは毎年嵐が多かったのじゃ。それを沈めるために夏の終わりに祭りを行うものじゃ。」
「結構、楽しそうですね。」
「まあ、今となっては、なんか双子岩を背に告白すれば成就するとか言われてまともに受け止める若者もいるのかどうかさえ…。」
「大丈夫ですよ。」
「そうか、アキラ君には感謝しとるよ。アキラ君がいるから今年のメンバーはなんだか活気があるしな。」
と、鈴木のおっさんから肩をたたかれなぜか恐縮しきり。
そして帰るとまきえとゆえと桜井咲夜が。
「おかえりなさい〜。」
「咲夜ちゃん、今日もいてくれたんだ…ごめんね。」
「そんな事ないですよ。それよりもアキラさんも大変ですね。」
「私はもうなれっこだから。」
「そういえば、お祭りどうするんですか? 」
桜井咲夜に尋ねられてはっとする。
「そうだね。みんなで楽しもうか。」
「そうですよね、集会所のみんなはアキラさんのこと大好きですからね。後…この二人もね。」
集会所のみんなと一緒にいられることを喜ぶまきえとゆえ。
そんなこんなで祭りの日を迎えることに。
「ゆかただ。わ〜い。」
「まきえは…はしゃぎすぎです。」
と集会所のメンバーやまきえやゆえと一緒のおみこし担いでいるのを見物したり出店を一緒に回ることに。
「あんずあめっ、あんずあめっ! 」
「はしゃぎすぎです。あっ金魚すくいがあるです。やってもいいですか? 」
と、金魚と格闘すること数分。取れずに一匹だけもらってニコニコするゆえ。
「そうだ、これから集会所のみんなと花火するんだけど…。」
「探しましたよ。アキラさん。」
と、そこに現れたのはナギ。もちろん、正体は年齢詐称薬で変身したネギ。
目が合った瞬間に真っ赤に沸騰してしまう大河内アキラ。その後にとった行動といえばその場から立ち去ること。
こいつのせいですべてがめちゃくちゃになったから。こいつに二度と会いたくない。
しかし、執拗に追いかけて来ても大河内アキラは必死に逃げるだけ。
「ま、待ってください!! なんで逃げるんですか!! 」
追いついたときにはふたりとも息も絶え絶えに。
「アキラさん、ちゃんと話してください。なんで何も言わずに・・・。」
しかし、大河内アキラは無言でナギをひっぱたこうとするがすんでで抑えると同時に何かをかけたらしく大河内アキラはそのまま力なく倒れていくのだった。




「ここは…何処? 」
「気が付きました? 」
大河内アキラの傍らにはナギ。そして遠くに見えるのは双子岩。
「ここにつれてきて何のつもり? 」
「ここで"告白をしたカップルは永遠に結ばれる"って言う言い伝えがあるらしいですけど? 」
「何人もキスをしておいて言うの? 」
「ち、違うんです。それは深い理由があって… 」
アスナさんや木乃香さんやせつなさんとしておいてまき絵や亜子とは出来ないの!? 」
「それはその…。それに最優先に護るって…。」
「結局自分のエゴじゃないの? 護るなんて口約束じゃない! 」
「それは…。」
大河内アキラの不満をナギは聞いているだけ。
「私、あんなところにいられないのに、何で追っかけてきたのよ! 最低よ! 」
とひっぱたこうとするがまた抑えられる。
「みんな、心配していましたよ。」
「結局それじゃない! 」
まき絵さん達はそれほど口にしなかったらしいのですがアスナさんが心配していたらしいですよ。それと…。」
「それと? 」
「アキラさん、やきもち焼いているとか? 」
ナギからやきもちといわれた瞬間沸騰してしまう大河内アキラ
「本当は自分も"キスされたい"と思っているみたいですけど"まき絵さんや亜子さんに幸せになってほしい"とか思ってません? 」
「そ、そんな事!? 」
と、慌てふためいている大河内アキラを尻目にナギは顔を寄せるとそのまま口付け。
「(そ、そんな、いきなりなんて!? )」
海の向こうでは花火が上がっている中足元に魔方陣が展開されてなぜか仮契約カードが。
キスが終わった後。大河内アキラは何故だか顔を真っ赤にしてこうつぶやく。
「ふ、不潔だっ!! 」
「でも、これがアキラさんの思っていたことじゃないんですか? 」
ナギはにっこりして仮契約カードを渡すが無言のまま泣きじゃくっていたのだった。




祭りも終わり秋への準備が始まる中。
大河内アキラは鈴木のおっさんのところへ。
すべてを話すためである。
すべてを話し終わり怒るかと思えばにっこりして肩をたたく。
「アキラ君も大切な子供だ。それに自分で決めたことだろ? 子供の決めたことを反対する親がいるかね? 」
意外な反応に驚く大河内アキラ
「もし、不安になったらまた来るといいさ。アキラ君が使った部屋は誰にも貸さないし。あいつらは絶対に喜ぶはずじゃ。」
そのことを聞いて泣き出しそうになる大河内アキラ
「何、泣く事はないさ。」
そういって封筒を手渡す。
「これは? 」
「1週間の給料から部屋代とか差し引いたものだ。自分のために使いなさい。」
「あっ、ありがとうございます…。」
そういって立ち去ろうとすると高台から声がする
「また会えるよねー? 」
その声の主は高校へと向かう斉藤舞夏たち。集会所の衣装も似合うが制服の姿の方がかっこよく見えた。
「絶対に会えるからー。」
と、大きく手を振り返す大河内アキラ。バス停でバスを待っていると陰からひょっこり出てきたのは佐々木まき絵綾瀬夕映
「アキラっ。あの、その…。」
「アキラさんはわかってくれているとは思うですがまき絵さんはアキラさんのことを護ろうとがんばっていたですよ。」
「綾瀬さんもまき絵もありがとっ。でも、何で子ども姿になって…? 」
「逆効果だったかなぁー。」
「それもこれも勝手に出て行ったアキラさんがいけませんですわ! 」
「今度から勝手に出て行かないでくださいね。」
と、ぞろぞろ出てきたのは朝倉和美雪広あやかとネギ。
大河内アキラの出席簿に×が付いているを不審がって佐々木まき絵を探したネギだったが綾瀬夕映の部屋に隠れこんでいた。
アキラのことを思って口をつぐんでいた佐々木まき絵だったが結局はしゃべることに。でも居場所はわからない。
そこで朝倉和美アーティファクト雪広あやかの財力を使って居場所はわかり綾瀬夕映佐々木まき絵は子供にされて連れ戻そうとしていたらしい。
海辺の街に出没していたやくざ風の男女の正体はネギと朝倉和美で、集会所を買い取ろうとしていたデベロッパーの正体は雪広あやかだった。
「いったいどー言うことなのですか! 」
大河内アキラに迫る雪広あやか
迫られた大河内アキラはしどろもどろに
「学校サボってあんなところで働いていたなんて、しかも学校よりも生き生きしているなんて考えられませんわっ!! 」
「それは、その…。」
と、回答につまっていると更に朝倉和美がチクリ。
「ナギさんとデートしたんだよね? どこまで行ったのかなぁー? 」
「な、なんでもないっ!! ふたりとも助けてっ!! 」
結局顔を真っ赤にしてそのまましゃがみこんでしまったのだった。

補足
ネタオンリー


多分、魔法世界では仮契約しないんじゃない? 
そうなれば一番怖いのはずっと和泉亜子を護ってきた大河内アキラが報われないこと。
一番純粋なのは彼女だと思うし。


それとともにネギ・雪広あやか朝倉和美を悪人扱い。
多分こういうことやってのけると思う。クラスメートとか言いながらエゴ丸出し。


耳のいたい話
過程が足りない資質が足りないとか言っているけどそれは赤松が運動部は仲間だと思っていない証。
ネギま!部に資質があるメンバーなんて近衛木乃香くらいしかいないし。過程だって書くチャンスがあったのに結局ネギの修行で逃げてきた結果がごらんの有様だよ! 


結局運動部は踏んだり蹴ったりで報われないと思う。