ダブルクロスへのオマージュ2

いよいよ明後日発売! 

さて、どんな風に変貌するのか
日常を守ってほしいのに、そんな事は何処へやら。
某sfじゃないので世界の危機は起こさなくて良いですw


今日もそんな日常の中に生きる少女が主役
はてさて。

"村木えりの場合"


村木えり
鷺ノ宮市に住むモルフェウス/エンジェルハイロゥで物を作り出すのではなく砂を操る珍しいタイプ。
本人はコンプレックスだらけのいたって普通の女子高生だったが幼いときに母親と生き別れてしまいそれが引け目に。
自分を変えるために高校では演劇部に入っているがそれでもコンプレックスに悩んでいる。
彼氏がいるがお調子者でいつも自分がいないといけないと考え込んでいる。


「暑いっ! 」
村木えりは東京にいた。
ただ、遊びに来ているわけではない。来年のことを考えておくと今から動いていかないといけない。
それに地方都市では出来ることに限りがあるから。と、言うわけではないが慣れないスーツを着てOG訪問をしていた。
「疲れた〜。」
そういってスタバで休憩。周りを見ると人があくせく動いている。それを見てため息。
「いつまでも子供のままっていうわけには行かないんだよなぁ〜。」
と、なぜか苦笑い。
「そうだっ。せっかくだから…。」
と、電車を乗り継いでやってきたところはアキハバラ。渋谷とか原宿に行ってもよかったが気にかけているのは自分のコンプレックス。
いってしまえば自分だけ浮いてしまうと考えたから。ここだったらいろんな人たちが集まるから自分はかえって目立たないと。
「うわ。すごい人。」
電気街の入り口を降りた村木えりは人の山にびっくり。
「えっ!? 何これ!? 」
そこに広がるのはまるでおもちゃ箱をひっくり返したような騒がしさ。中央通りの両となりにはたくさんのビル。そしてコスプレした人やらメイドやらいろんな人たちがいっぱい。
しかしながら村木えりは興味津々。とりあえず電気店で新しいMP3プレイヤーを見てみる。
「これ地元だと売っていないんだよなぁ〜。」
とか言いながら選び、マニア向けなショップにひとりではいる。おなかがすいたらケバブの屋台でひとりでほおばり何故だかニコニコ。
「う〜ん。幸せっ! 」
といいながら歩いているとショーウィンドーに飾られている服に目を釘付けにしてしまう。
それはメイド服。
「えっと…あのバカも…こういうの着たら…喜ぶかなぁ。」
村木えりはひとり顔を真っ赤にしながらいじいじし始めてしまう。
と、そこに村木えりにしか聞こえない耳鳴りが。一瞬かがみこんでしまう。
「えっ!? もしかして、これって…。」
厄介なことには巻き込まれたくないのだが本能的に走りこんでしまう。するとひったくり犯がアキハバラの駅に向かって逃げる姿が。
「能力を悪用するなんて許さない!! 」
本来だったら使いたくないのだが周りは気づいていない。するとハンドバックから化粧品を投げる。化粧品すべてが砂に代わり刃となってひったくり犯に襲い掛かる。
「お、お前も一緒なのか!? 」
「そうよ。」
「じゃあ、何で今の状況に目を瞑っているんだ! 虐げられてきたんだぞ! 」
なぜか男は逆切れして村木えりに襲い掛かってくるが怒りに我を忘れているのか当たらずじまい。
今だったら非力な自分でも勝てるかもしれない。そう思って砂の刃を握った瞬間に誰かに止められる。
「もしかして、オーヴァードですか? 」
オーヴァードしか存在しない結界の中にいたのはどう見ても普通の中学生だった。メイド服を着ていることを除けば。
その光景に村木えりは目を点にしたのだった。




「どうかなされましたか? 」
その女性に招待された村木えりはどぎまぎ。目の前にはケーキやら飲み物がずらり。
「やっぱり年頃の女の子だからダイエットとかされているのですか? 」
「いえ、そういうことじゃないんです。」
周りを見れば自分と同じくらいの年頃の女の子とかがメイド服を着て接客をしている。
村木えりにしてみれば異質な世界に恐縮しまくり。そして目の前にいる女の子がこの店の店長だというのだからもっと恐縮しまくりなのである
「(やっぱり…意味わかんないよぅ〜!! )」
「??? 」
と、目の前の女の子は首を傾げてしまう。目の前の女の子こそUGNの支部長である薬王寺結城。
またの名をこいのぼりとかはんにゃだとか言われて恐れられている。元はといえば大事な資料を引ったくりに似せたFHのエージェントに奪われたのが事の始まり。
連絡しようにも連絡できずワーディングの気配を探って行ったら村木えりと出合ったと言うことになる。
「さっきはありがとうございます。」
「いえいえそんな事。」
と、お礼もそこそこにとりあえずケーキとオレンジジュースに手をつける。
「…村木えりさんですよね? 」
「えっ!? 何で知っているのですか? 」
「それは私が日本を統括する支部長ですから。それに、話は柚葉さんからかねがね伺っていますから。」
「そんな、私、ただの"砂被りのお姫様"だし、それしかとり得ないし。」
「それでも、立派な能力ですよ。」
薬王寺結城に言われて何故だか顔を真っ赤にする村木えり。
「…それに気にかけていらしゃるんじゃないのですか? さやかさんのこと。」
「えっ!? 」
さやかの名前を出されて顔を真っ赤にしてしまう村木えり。村木さやかは村木えりの実の母親ではあるが幼い頃に生き別れになってしまった。
と、なっているが実験のために拉致され目にしたのは自分の母親の変わり果てた姿。
怯えきっていたが勇気を振り絞ってできることは逃げること。気が付いたときには病院のベッドの上で点滴を受けていた。
そのときの記憶なんてもうすでにない。それなのになんで知っているのかがわからずに目を回す。
「あ、あの…。」
「私はUGNの支部長ですよ。知っていてもおかしくはないですからね。」
「あのっ!! 教えてください!! 」
何かが引っかかるのか村木えりが教えてもらおうとするが薬王寺結城はにっこりしているが手に持っているのはメイド服。
「ただで教えてもいいのですが今日は人が足りません。"インターンシップ"と言う形にするので手伝って、もらえませんか? 」
メイド服を見て村木えりが青ざめたのは言うまでもない。




「お、おかえりなさい…ご主人様。」
それから30分後。村木えりは緊張した面持ちの中接客をしていた。
とりあえず接客マニュアルを見せてもらい一通りのやり取りは覚えた。
そのとき薬王寺結城がかけた台詞といえば"演劇部だから…大丈夫ですよね。"
「意味わかんないよぅ…。」
と、半ば泣き顔で放り出される。そして暇かと思いきやお客はひっきりなしにやってきててんやわんや。
確かに地元でもバイトをした事はあるがそれでこそ夏休みくらい。あまりの忙しさに目を回してしまう。
ところがお客もなぜかあったかい目で見つめる
「ドジっ子だ。」
「萌えだよね。」
「えりちゃんがんばれ〜。」
と、慌てふためきながら接客を続ける。やっと落ち着いて後ろに下がったときにはもうへとへと。
「お疲れ様っ。」
「あ、ありがとうございます。」
「少しは慣れた? 」
「そ、そんな事言われてもいきなりメイド服とマニュアル渡されてもう何がなんだか…。」
「最初はそんなものよ。」
「えっと…櫻さんは抵抗なかったのですか? 」
村木えりが話している女の子は富士見櫻といって村木えりと同じくイリーガル。
ただ、彼女は人と違い死んだ姉の能力を受け継いでいるといっていたが本人は気にしていない。
彼女もこのメイド喫茶に着て早くやめたいと思ってつっけんどんに接客をしていたらいつの間にか"ツンデレメイド"と言う口コミが広がり抜け出そうにも抜け出せなくなってしまった。
「まあ、半分あきらめているけどね。」
「でも、櫻さんすごいですよ。注文全部覚えているし。クールだし、きれいだし。わたしなんかくせっ毛でそばかす。それにドジでチビだし。」
「でも、結局村木さんもがんばっているじゃない。何も出来ないって言っていたら本当に何も出来なくなってしまうわよ。」
富士見櫻にさとされて顔を真っ赤にする村木えり。
「もしかしたらもう、ファンがいたりね。」
と、富士見櫻がチクリとこぼして村木えりは目を点にしてあたふたしているところを見てくすくす。すると誰かの声がする。
アキハバラ近辺でジャームが出たそうです。手が空いた人いってくれますか? 」
「行くわよ! 」
「えっ!? えぇ〜!! 」
わけもわからないまま村木えりはそのまま駆り出されてしまったのだった。




二人に下されたのはFHのエージェントを追いかけること。
簡単な任務のはずなのだがジャームに囲まれ、取り逃がしそうになっていた。
それでも逃げる姿を見かけ、何とか追いかけるがまた見失ってしまう。
「ちょっと、何処なのよ! 」
「櫻さん、落ち着いて! 」
と、苛立ちを隠せない富士見櫻に対して何とか落ち着かせようとする村木えり。
と、何処からともなくレーザーが。
「きゃっ!? 」
何とか村木えりはよけきるが富士見櫻は気づいていない。
そして、あらぬ方向からレーザーが飛んできた。もちろんよけきれない。頭を抱えてしまう富士見櫻。
そのときだった。砂嵐が起きて弾き飛ばされてしまう。気づいたときには自分の立っていた場所にいたのは村木えり。
「む、村木さん! 」
「出来ないんだったら自分なりにがんばらないと。それしか私は出来ないから…。」
おなかを抱えながら村木えりはにっこり。もっともおなかの傷もたちまち塞がってしまう。するとすべての感覚を行使してレーザーを打った人間の位置を探し出す富士見櫻。
すると近くに気配が。
「村木さん! 」
「うん、わかった! 」
そういって適当に物を投げるとすべてが砂となり刃に変わる。その刃は敵を的確に貫く。
それを見届けて村木えりはその場にへたり込んでしまう。
「どしたの? 」
「なんだかほっとしちゃったら疲れちゃった。だめだよね。だから私、脇役なんだよね…。」
と自らあざけているとなぜか怒られてしまう
「何言っているの! 村木さんは村木さんなりにがんばっているじゃない! ったく、男たちに目に物見せてあげたいわ。」
そういわれて何故だか顔を真っ赤にする村木えりだった。




その翌日の朝。東京駅からひっそりと地元である鷺ノ宮へと帰ろうとすると誰かに呼び止められる。
「もう、帰られるんですか? 」
「もうちょっとゆっくりしていけばいいのに。」
呼び止めたのは薬王寺結城と富士見櫻。
「やっぱり…。」
「大丈夫ですよ。村木さんなら何処に行ってもちゃんとやって行けますよ。柚葉エージェントも認めていいらっしゃるんですから。」
「もっと自分に自信待ちなさい。」
何故だか顔を真っ赤にする村木えり。
「後…私の夢聞いてくれますか? 決して笑わないでくださいよ。」
「いいよ。」
「私迷っていたんです。このまま働くか。それとも大学に進んで女優になるための勉強をするか。でもみんなの姿を見て女優になる決心をしたんです。地元を離れちゃうのはさびしいけれど…。」
ふたりともにっこり。
「すごいじゃない。」
「もしアルバイトに困ったらいつでも待っていますから。」
「それはちょっと…」
丁重に断る村木えり。
「後…良いんですか? これ。もらっちゃってなくなったら…。」
「大丈夫ですよ。」
薬王寺結城はにっこりしているが暗に働いてほしいと言う意思表示。
「(やっぱり…意味わかんないよぅ〜。)」
と目を点にしているが薬王寺結城は何故だかニコニコ。
「お、お世話になりましたっ。」
そういって村木えりはやってきた新幹線に乗り込んでにっこりするのであった。

補足
多分コアなネギま!ファンならわかるはずですw
自分でも安直なネーミングで笑ったw


ちなみに薬王寺結城と言うのは最初のリプレイの支部長のキャラクターで富士見櫻と言うのはコントラストサイトのリプレイに出てくる少女のことです。


ちなみにメイド喫茶と言うのはアウトランドの中の1ステージ"アキハバラ"に出てきますw


こういった形でTRPGのキャラクターを使ったssを書くかもしれないし、ネギま!をやるかもしれない。
誕生日だと早乙女ハルナ、休載日だと大河内アキラかな