毎日ネギま! リターンズ〜Evangeline.A.K.McDowell編〜

fc2からのトラックバックは不調だ・・・
いくらなんでも使えるからってfc2ばっかりと言うのもどうなのだが・・・。
昨日、コメントで参加したらサイト名、間違われましたウワァァァンヽ(`Д´)ノ


今日は"闇の福音"Evangeline.A.K.McDowellの日。彼女が見た光とは・・・
いつもどおりヨムヨム

”Never Ever"
それはとある昼下がり。
屋上で授業をサボっているEvangeline.A.K.McDowell
「まったく・・どうして授業なんかでなくちゃいけないんだ! 」
授業が退屈で退屈で仕方が無いエヴァンジェリン。ネギからは"授業に出てください! "と言われるが気にはしない
それもこれもにっくきサウザンドマスターのせい。アイツが変な魔法をかけなかったら・・・と思ってしまう。
「仕方が無い・・・。」
と、昼寝をしようとした瞬間、誰かが屋上に入り込んでくる。
「まったく授業なら・・・」
と思ったがそこにいたのは6,7歳くらいの女の子。
「何だ、子供か・・・どうした? 」
茶々丸さんは? 」
茶々丸? ・・ああ、今頃授業さ。」
そこにやって来たのは朝倉まゆみ。確か、この前絡繰茶々丸長谷川千雨と一緒に遊んでいた女の子らしい。当の本人達は誘拐騒ぎに巻き込まれて大変だったらしいとは言っていたが。
それからもちょくちょく遊びに来ているらしい。
「お姉ちゃんは・・どうしてここにいるの? 」
「それを聞きたいのはこっちの方だ。」
「学校なら・・午前で終わったよ。」
「友達とかいないのか? 」
「いるよ。・・でも茶々丸さんたちといる方が楽しいもん。」
まったくと思いつつ空を眺めているとまゆみの方はエヴァンジェリンのほっぺたをつねる。
「いたたた・・何をするんだ! 」
なぜかにっこりする朝倉まゆみ。
「お姉ちゃん・・・あそぼ! 」
「な、何でこの私がお前と遊ばなくちゃいけないんだ! それに・・・。」
と言った所で終礼の鐘が鳴る。
「ほら、授業終わったぞ。」
「本当? 」
と、立ちあがってとてとてと駆けて行くがエヴァンジェリンは何かに違和感を感じた。
「あ、あいつ・・・。」
そこに見えたのは首筋にあった噛み跡だった。




茶々丸? 」
「どうかなされましたか・・・マスター? 」
「朝倉まゆみとかいったな・・あいつ。」
「それが・・・どうかなされましたか? 」
「アイツから私と同じ匂いを感じた。多分アイツは・・・。」
「"吸血鬼でしょう"といいたいのですか。マスター? 」
先に言ってしまう絡繰茶々丸に思わずエヴァンジェリンも眉間にしわを寄せる
「だーかーらー!! 」
絡繰茶々丸のぜんまいを強引に巻こうとするエヴァンジェリン
「ああっ、マスター・・やめてください。」
「あいつの事どれくらい知っているのか? 」
「私も千雨さんも吸血鬼だということはうすうす感じてましたが・・・。」
「そういうことではない!! 」
「確か・・・。」
と言われて情報をプリントアウトする絡繰茶々丸
彼女が知っていることは朝倉まゆみは麻帆良小学校に通い麻帆良市内の高層マンションに住んでいて両親は海外出張に行っているらしく姉と二人暮らし。
どうして吸血鬼になったのかは話してはくれない。
「それがどうか? 」
「あいつを連れて来い。」
「でも・・・。」
「あいつの事が気になる。」
しぶしぶ承諾する絡繰茶々丸
「わかりました。」
そういって朝倉まゆみが住んでいる高層マンションに飛んでいく絡繰茶々丸
一方の朝倉まゆみは夕飯を食べ終わり、姉は外出するらしい。
「良い? しっかり留守番してるのよ。」
「はーい。」
そういって姉は部屋から出る。一方のまゆみは家でお留守番。
「一人ぼっちで淋しいなぁ・・・。」
と天井を見ながらつぶやく。するとどこからかノックする音が。
バルコニーにいる絡繰茶々丸。思わず駆け寄ってドアを開ける。
どげしっ! 
「まゆみさん・・・申し訳ありません。こういう風にするしかなかったのです・・・。」
気を失った朝倉まゆみを抱きかかえて絡繰茶々丸は夜闇の中に消えて行ったのであった。




「起きろ。」
すやすや眠っている朝倉まゆみを強引に起こすエヴァンジェリン
「・・・にゃ? 」
気がつくと異様な空間。そこにいたのはエヴァンジェリン。しかし、様子が違う。ただならぬ気配を感じて震える朝倉まゆみ。
「お姉ちゃん・・・? 」
「いつからお前は私の姉になった! 」
「マスター。お気持ちはわかりますが・・・。」
「そうだった。まあ、私はここの主だ。お前を呼んだのも無理は無い。」
「?? 」
何が何だかわからない朝倉まゆみ。すると強引に口を開けさせるエヴァンジェリン
「ひゃめて!! 」
「やはりな・・・。」
そこにあったのは小さい八重歯。
「お前・・・吸血鬼だろ? 」
「きゅう・・・けつ・・・き? 」
そのことにきょとんとする朝倉まゆみ。
「今日の昼な。お前の首筋に噛み跡があってな。少し聞きたかったんだ。」
首をかしげる朝倉まゆみ。
「・・・わからない。」
「わからないだと!! 」
「マスター、落ち着いてください。」
マジ切れするエヴァンジェリン
「あのね、まゆみもきがついたら首筋についてたの。あとね、1回事故に巻き込まれたんだけど気が付いたら車、通り過ぎてたの。」
たどたどしい口調で話す朝倉まゆみ。
「こういうことか? 」
とっさに氷のつぶてを飛ばすエヴァンジェリン
「ひゃっ!? 」
しかし、ぶつかるかと思った瞬間に彼女の体は幻影を描いたように消えてちょっと横にずれる。にやりとするエヴァンジェリン
「霧散化か・・・面白い。茶々丸、ちょっともんでやれ。」
「でも・・・。」
「良いから! 」
「わかりました。」
「出来るだけ手加減するんだぞ。」
その間にちょっと体を伸ばし。外を眺める。が、いつもは静かなのだがなんか騒がしい。
「ん? 何だ、何だ? 」
プールにいたのは大河内アキラ宮崎のどか
「どー言うつもりだ、宮崎のどか!! 」
「え? あ、エヴァンジェリンさん昨日の授業出てなかったんですよね? 」
「どー言うことだ? 」
宮崎のどかが言うには体育の授業でプールの課題が出たらしい。
泳げない宮崎のどか大河内アキラに先生役を頼み込みできるだけ内緒にエヴァンジェリンのプールで特訓をしていたらしい。
「・・大丈夫なの? 」
「うん、エヴァンジェリンさん、ちょっと神経捻じ曲がっているけど・・・。」
「どー言うもののいい方してるんだ! しばくぞ! 」
それを聞いてがくがく震える宮崎のどか。何が何だかわからない大河内アキラ
「まあ、良いか。そうだ、お前らに紹介したいガキがいるんだ」
と、朝倉まゆみを宮崎のどかたちと遊ばせるエヴァンジェリン。しかし、エヴァンジェリンの頭には別の考え事をしていたらしい。




その日の夜・・といってもエヴァンジェリンの別荘での1日は外の1時間なので時間間隔が狂う。
気がつくと朝倉まゆみもプールで遊び、まゆみにとってはお姉さんが増えて喜ぶ。二人もにっこりして一緒に遊んでいた。
そして、疲れ切った大河内アキラ宮崎のどかも朝倉まゆみはすやすや寝ていた。しかしエヴァンジェリン宮崎のどかをたたき起こす。
「起きろ、宮崎のどか! 」
「・・・んにゃ? 」
「あれを出せ。」
あれと言うのは宮崎のどかアーティファクトである"イドのえにっき"あれを使えば朝倉まゆみの心が覗けるかも知れない。
しかし、宮崎のどかは頑として首を縦に振らない。
「人の心を覗くなんて・・ひどいですぅー。」
「まったくこういうときだけ君人聖女ぶりやがって。」
「だめです、だめですぅ。」
罪悪感を感じているのか必死に拒否する宮崎のどか
「知っているんだぞ。朝倉と長谷川千雨佐々木まき絵に使ったのを。」
「えっ!? 」
それを言われた瞬間にまたがくがく震える。そして意を決したように仮契約カードを手に出す
「・・来れ。」
宮崎のどかの手には1冊の本が。そして恐る恐る朝倉まゆみに近づく宮崎のどか
「サスガ、ガキダナ。ケケケ。」
と横でけたけた笑っているチャチャゼロ。朝倉まゆみにささやく宮崎のどか
「朝倉まゆみさん・・・どうして吸血鬼になっちゃたんですか? 」
「ナンダ、ストレートダナ。」
「お前は黙ってろ! 」
するとイドのえにっきに現れたのは朝倉まゆみの心の中。
物心付いたときから八重歯と噛み跡があったことと友達にイヌミミっこの友達がいること。姉はなかなか話してくれない。
しかもそっけない姉に淋しがる朝倉まゆみ。
「もしかして・・・ネグレクト? 」
「そういうことではなかろう。少しはわかったつもりだが・・これを使っても本心はわからずじまいか・・・。」
「何とか・・してあげたい。」
「さすが友達思いだな・・・。」
淋しげな宮崎のどかを眺めているエヴァンジェリンチャチャゼロ。しばらくすると立ち上がり朝倉まゆみに近づく
「ナニヲスルンダ? 御主人」
「直接夢の中を覗く。」
「オマエモデリカシーガナイナ。」
「お前は黙ってろ! 」
そういうと朝倉まゆみに頭をつける
「リク・ラック・ラ・ライラック・・・」
呪文を唱えるとエヴァンジェリンもばったりしてしまうのであった。




それはかなり昔の話。
夜道を歩く一人の中学生。それを遠くの位置から眺めている大人の女性。
「(あれが・・朝倉まゆみか。に、してもどうして裸なんだよ! )」
夢の中に入るとエヴァンジェリンは素っ裸。それが気に入らなかったらしい
「遅くなっちゃったよー。早く帰って夕飯の準備をしないと。」
と、そこにただならぬ気配が。
「!!?! 」
そこにいたのは黒い外套を着た女性。
「見つけたわよ。」
とにかく逃げ出す朝倉まゆみ。しかし途中で転んで立ち上がれない。
「あなたは・・・普通の人間じゃないの。その首についているバラのチョーカーがそのしるし。」
「(何だと!? )」
「え? 何? 私、そんなの・・・。」
「そう。本当のあなた、目覚めさせてあげる。」
「い、いやー!! 」
「(なるほど、だから吸血鬼になってしまったのか。でも、おかしいぞ? 眷属になった奴は元が倒されれば元には直るはずなのだが・・・。)」
しばらくするととある学校の教室に場所が移る。エヴァンジェリンが思っていた通りまゆみを襲った吸血鬼は倒されたらしいが噛み跡は直らず。
「(誰も、吸血鬼化の処置をしなかったのか? )」
「ねぇねぇ、あやちゃん? 」
「どしたの? 」
朝倉まゆみは友人である上村あやに相談を持ちかける。
「これ・・・。」
バラのチョーカーをずらし噛み跡を見せる。一方の上村あやも首に同じようなバラのチョーカー。
「これ、この前の!? 」
こっくり頷く朝倉まゆみ。
「先生が言うにはしばらくすれば消えるからほっといても大丈夫だよって言っていたんだけど・・・。」
「大丈夫だって。うちが何とかしてあげるって。」
それを聞くとにっこりする朝倉まゆみ。するとまゆみの友達が入ってくるがひとりはイヌミミ。
「明菜ちゃんイヌミミ出てるよ! 」
「興奮してたんじゃないの? 」
違う違うと首を振る大西明菜。それをつっこむ相原優花。やはり彼女達にもバラのチョーカーが。
「大丈夫だって、まゆみ。もし、バケモノになってもまゆみはまゆみだよ。」
「本当に? みんな、ありがと!! 」
「(まったく・・・。)」
やれやれといった感じで眺めているエヴァンジェリンだがただならぬ気配を感じた。
そこにいたのは黒ずくめの少女。エヴァンジェリンはうすうす感じているがどうすることも出来ず4人は気づかずじまいだった。
その日の放課後。誰かと話している朝倉まゆみ。
「・・最近、変だよ。」
「そう? 美月? 」
友人の神田美月は朝倉まゆみがおかしいことを気づいていたらしい。
「本当はね。怖いの。いつか私もバケモノになっちゃうって。美月があの吸血鬼、倒してくれたのは良いけど。ずっとこのまま・・・。」
「大丈夫だって。そのバラのチョーカーが抑えてくれるんでしょ? 先生から聞いたわよ。」
「・・うん。」
「ほら、元気だしなよ! 」
「う、うん・・・ありがと。」
落ち込んでいる朝倉まゆみを励ます神田美月
「(まったく、青臭いな・・・。)」
遠目から眺めているエヴァンジェリン。しかし、それにもまして気になるのはあのどす黒い瘴気のカタマリ。
しばらく彼女の記憶を追いかけることにしたエヴァンジェリン。どうもあのどす黒い瘴気の狙いはバラのチョーカーを身につけている4人の少女。何とかしたいが、自分にはどうすることも出来ない。
そんななか一瞬の隙をつけられて4人はさらわれてしまう。4人は手足を縛られて動けない。と、そこにどす黒い瘴気の女の子が。
「探したわよ。」
「うちらをどうするつもり? 」
「あなたたちの持っているバラのチョーカー。それがあれば私は元に戻れるのよ。」
「そんな事いわれても・・・。」
「じゃあ、力づくで奪うしかないみたいだね。」
すると彼女の周りには黒い刃。容赦なく4人を痛めつける。なすすべも無く4人は傷だらけに。
「やめて! 」
「そういわれて止めると思って? 」
黒い刃は4人を襲い続ける。そんななか朝倉まゆみが立ち上がり3人をかばう。
「お願い、やめて! 私が身代わりになるから。」
「まゆみ! 」
「そのかわり・・・あやとかゆーかとかあきなを助けてあげて。」
「ふふふ・・いい覚悟ね。」
と、ひときわどす黒い刃が朝倉まゆみを突き刺す。まゆみは大量の血を吐き出してその場に崩れ落ちる。そして、彼女を守っていたバラのチョーカーが外れてしまう。
「かわいそうにね。さて・・・。」
朝倉まゆみの願いを聞き入れるまでもなく他の3人を殺しバラのチョーカーを奪って姿を消す。
「(純粋な乙女の思いを踏みにじりやがって・・・絶対に・・許さん! )」
それを見ていたエヴァンジェリンも怒りに打ち震える。いくら"悪い魔法使い"なエヴァとて女子供には手を出さない。それ以上に許せなかったのは残虐な行為。怒りを隠せずにはいられない
それからして神田美月がやってくるがそこにいたのは変わり果てた4人。触ってみてもぬくもりを感じない。もう既に事切れているのであろう。そして身につけていたはずのチョーカーも無い。
「何で・・・何でなの!! 」
その場に泣き崩れる。しかし、剣を握ってつぶやく。
「絶対に・・・敵をとってあげるから。」
「(まったく・・・青臭いな。・・あれ? )」
そこにあったはずの4人の遺体は影も形もなくなり、そこにいたのは1歳くらいの4人の女の子たちだった。
[(なるほど。あの中学生の生まれ変わりがあれなんだな・・・。戻るか。)]
それからしばらくして目を覚ますエヴァンジェリン
「・・ったく。悪い夢だな。これだったら思い出したくも無い夢だよな・・ん? 」
そこにいたのは絡繰茶々丸大河内アキラ宮崎のどか宮崎のどかの手元にはイドのえにっき。
どうやら覗いていたらしい。
「・・・ひどい。」
「これは、許せません。」
「何とかしてあげたい・・・。」
しかし、エヴァンジェリンを介して覗いていたことに怒り心頭。
「貴様ら・・・全員そろって・・・殺す!! 」
「ひ、ひぃっ!! 」
そんな事も露知らず朝倉まゆみはすやすや眠っていたのであった。




それからもしばらくは絡繰茶々丸は稽古を付けてあげ、宮崎のどか大河内アキラの元で水泳の特訓。
朝倉まゆみの思いを知ってか絡繰茶々丸は本気を出す。それにやっと付いていく朝倉まゆみであったが2,3日もすれば戦いのコツをつかんだのか互角に
「これで・・どうですか? 」
と、手を伸ばして朝倉まゆみを攻撃するがふっと消えて絡繰茶々丸の後ろに回り込み紅い剣を出す。
ポコ。
「やったー!! 茶々丸さんに1発当てれたよ! 」
「お見事です・・まゆみさん。」
しかし、どっからか氷のつぶてが飛んで来て朝倉まゆみに直撃してしまう。
「きゃふっ!? 」
「それぐらいで勝ったと思うな。」
「あ、マスター。」
「卑怯だよー!! 」
「卑怯? 本物の戦場だったら死んでるぞ。どっからでも攻撃が飛んでも対処できるようにしておけ。」
膨れる朝倉まゆみに対してにやりとするエヴァンジェリン
「まあ、茶々丸に1発当てれただけでも立派なことだ。ぼーやよりも筋は良いかも知れんな。よし、私が直々に教えてやろう。だが、茶々丸とはぜんぜん違うぞ。覚悟しておくんだな。」
「わかった! 」
と、エヴァンジェリンが直々に訓練をすることに。流石のきつさに朝倉まゆみもへとへとになってしまう。それでも付いてくるまゆみに何かを感じずに入られなかった。
その夜、何かを考えているエヴァンジェリン
「マスター・・・。」
茶々丸か。」
「実は・・・。」
「多分、私が見たあのどす黒い瘴気は実は生きていた。とでも言いたいのだろ? 」
「御名答です。さっき宮崎さんから聞いたのですがどうも鳴滝風香さんをたぶらかしたらしく・・・。」
「何だと!? 」
「ちゃんと話を聞いてください。マスター。」
絡繰茶々丸が言うには神田美月が倒したはずのどす黒い瘴気の女の子は完全に倒しきれては無く、その魂を人形に乗り移らせて悪さを働いていたらしい。
そして嫉妬に萌える鳴滝風香をたぶらかして操り人形にしようとしたらしいが鳴滝史伽が気づいたらしく街中で大騒ぎになったらしい。しかし、長瀬楓から聞いて怪しいとにらんだ綾瀬夕映が封印をしたらしい。
この前の誘拐犯もどうもその人形が仕組んでいたらしい。
「なるほど、綾瀬夕映が封じたってわけか。でも、彼女の力では不完全なものだな。おそらく復活してくるぞ。」
「では・・・。」
「そのつもりだ。そのためにあいつを立ち向かえるように仕向けたのだからだな。」
「マスター・・・言いにくいのですが・・・。」
「どうした、茶々丸? 」
「今晩は新月です。封じられていた魔力もおそらく復活しているのでは? 」
「だが、この結界と呪いのせいで半分も力を使えないのだぞ! 」
「そこは千雨さんに頼み込んで学園結界の力を落とさせます。」
「あいつが協力するとでも思うのか? 」
長谷川千雨は学園きってのリアリスト。ましてや麻帆良祭茶々丸と戦った相手。そうやすやすと承諾するとは思えない。
「そのために那波千鶴さんと朝倉さんに千雨さんの恥ずかしい写真を渡しました。もし拒むようであれば彼女達がばらまくと言ったので協力してくれるはずです」
「・・・もはや脅迫でしかないぞ。」
あまりの手際のよさにぼーぜんとするエヴァンジェリン
「まあ、いいさ。私たちは露払いでしかないからな。それでも私と茶々丸チャチャゼロか・・・。」
ふと、いい考えが頭に浮かぶ
「ウーン・・・トイレ。」
大河内アキラはふとトイレに行きたくなってむくりと起きる。しかし、後ろから巨大な殺気が襲ってくる。その殺気の正体はEvangeline.A.K.McDowell
大河内アキラ・・・手伝え。」
首を振って拒否する大河内アキラ
「一度下僕になったものは私の言いなりだ。それにここもただでは貸すわけではないのだからな。それなりの代償は支払ってもらうぞ。」
耳元でささやくととたんに意識が無くなり。ぼそっとつぶやく
「私は・・・マスターの言いなりです。」
その光景を見ていた宮崎のどか
「そんな・・・ひどいです!! 」
「今さらになっていい子ぶるのか、宮崎のどか? 」
「・・・でも。」
「お前にも手伝ってもらうからな。」
「わ、私・・・。」
「あいつの事が気になるのだろ? 覗いていて思ったんだろ? "何とかしたい"と言っていたの、お前だからな? 」
そういわれると抵抗できない宮崎のどか。しぶしぶ協力する宮崎のどかエヴァンジェリンがふと時計に目をやると12時近く。
「そろそろ・・・宴の準備を始めるかな。」
そう言って朝倉まゆみを起こしに行くエヴァンジェリンだった。




「良いか、こんなこともう2度としないぞ! 」
「ありがとうございます・・・でも写真は二人が持っているのでそれを許してくれるかどうかは・・・。」
「絶対に・・・殺す!! 」
長谷川千雨はそういって電話を切るといっせいに電源が落ちる。あたりを支配するのは・・闇。
それとともにもとの姿に戻るエヴァンジェリン。その周りにはメイド服姿の朝倉まゆみ、宮崎のどか絡繰茶々丸大河内アキラ
そして自分の背丈以上の大剣を軽々と持ち上げるチャチャゼロ
「フッ・・・この姿も久しぶりだな。さて、久しぶりに暴れさせてもらうぞ。」
「お姉ちゃんすごーい!! 」
「・・・私はマスターのしもべ。」
「アノガキニ感謝シネートナ。」
「残念ですが・・私たちはまゆみさんのサポートです。」
「ナンダ、ツマラナイ。」
エヴァンジェリンさん・・来ます! 」
「どのくらいだ? 」
「たくさんです! 」
「良いか? 私と茶々丸チャチャゼロ大河内アキラで周りの人形どもを蹴散らすぞ。宮崎のどかは朝倉まゆみのサポに回ってやれ! 」
「ふふふ・・闇の気配に誘われてみればあなただったのね"闇の福音"」
「そうさ。私に逆らったこと、後悔するな? ・・行くぞ、しもべども! 」
そういうとたくさんの人形達がエヴァンジェリンたちめがけ襲い掛かってくる。絡繰茶々丸がすかさずビームでなぎ払う。弾き出された人形達はチャチャゼロの大剣と大河内アキラの攻撃が潰して行く。
エヴァンジェリンも氷の拳でつぶして行き、どす黒い人形に向けての道が開かれる。
「まゆみちゃん。」
宮崎のどかがつぶやくと小さく頷き、紅い剣を出して切りかかる。すかさずよけられるがめげずに何度も切りかかってくる。
「なかなかやるみたいね・・これでどうかしら? 」
「まゆみちゃん、気をつけて! 」
イドのえにっきで人形の行動を読み逐次伝えていく宮崎のどか。案の定黒い刃が襲い掛かってくるが難なくよけてしまう。
「お姉ちゃん、ありがと! 」
そんななか人形達も4人の前に数を減らし行く。大河内アキラが投げ飛ばし絡繰茶々丸が焼き払う。
チャチャゼロは大剣でばっさばっさと斬ってエヴァンジェリンは強烈な吹雪で凍らせていき大河内アキラが止めを差していく。
「なかなかやるみたいね。でも、足手まといがアキレス腱にならないかしら? 」
黒い刃を仕向けるとその狙いは宮崎のどかに。エヴァンジェリンもとっさの事で対処できない。
「しまった! 大河内、カヴァーに回ってやれ! 」
「この距離じゃかばえない! 」
「ひ、ひぃっ!! 」
距離が離れすぎていて大河内アキラが走っても間に合わない。頭を抱える宮崎のどかだったが誰かが立ちふさがる。
「な、何!? 」
「・・・まゆみちゃん? 」
傷だらけになるものの宮崎のどかをかばう朝倉まゆみ。
「お姉ちゃんは・・・私が守る! 」
「な、何? 」
「そういうことだ。あいつは今までのあいつではない。自分で自分の進む道を決めたのさ。」
「悪人のくせに・・・。」
「ああ。私だって"悪い魔法使い"さ。だが、お前だけは許せん! "闇の福音"に逆らったことを地獄の底で悔やむのだな。」
エヴァンジェリンが大きく手を上げるとどす黒い人形の足元が凍っていく。
「朝倉、お前が止めを刺してやるんだ! 」
エヴァンジェリンが叫ぶと意を決したように走りこむ朝倉まゆみ。
「え、えーい!! 」
その瞬間赤い剣は白く輝き、足を凍らされ動けない人形に対して斬り込む。
「わ、私が・・・こんな子供に・・・。」
そう断末魔を上げると人形は真っ二つになっていき、黒い灰になって消えていく。
「ヤッタジェネーカ。」
それと同時に電源と結界が復旧していく。もとの姿になってしまうエヴァンジェリン。呪縛が解けたのか糸が切れた人形のように崩れ落ちる大河内アキラ。それを抱きかかえる絡繰茶々丸
「アキラさん・・・申し訳ありませんでした。」
「やれやれ・・帰るぞ。」
「待って! 」
朝倉まゆみが取り出したのは携帯電話。発信元を見ると神田美月。エヴァンジェリンはにやりとする。
「まゆみ・・連れてこい。話も聞きたいしな。茶々丸。付いてってやれ。」
「わかりました・・・マスター。宮崎さん。アキラさんつれて先に戻っていてくれませんか? 」
結局は朝倉まゆみを見た神田美月は怒ろうとした瞬間に茶々丸の一撃で気を失いそのまま強制連行されるのだった。




「ここはどこなのよ! 」
「歓迎するぞ。神田美月。」
「なぁんであたしの名前知っているのよ!! 」
「朝倉まゆみから話を聞いたからだよ。」
半ば強引に招待された神田美月は怒り心頭だがエヴァンジェリンは意に介さない。
「まゆみはどこなの? 」
「後であわせてやるさ。それよりもどうしてあいつの事を嫌う? 」
「き、嫌ってなんか無いよ!! だって、あの子・・・何の非も無いのに殺されてしまうんだもの。でもっていまだに狙われている。この前だって誘拐犯にさらわれたのよ!! 」
「あいつはそまで意気地無しではない。確かに殺されたさ。でも、生まれ変わった。お前が代わりに育てているんだろ? それに不安ならうちらが取り除いてやったさ。」
頷く神田美月。
「だって、あの子が怪我したり死んじゃったりしたら・・・。」
「ははは・・・親がいなくとも子は育つとは言ったものだがもう少し信頼しても良いんじゃないか? 」
「でも、心配なの・・・。」
「なぁに、お前の心配や苦労もわからなくは無い。そういうのを間近で見ているからな。でも、あいつのそばにいてやったらどうだ? あいつ、寂しがっていたぞ。」
「・・良いんですか? 」
「ああ。」
すると、とてとてとやってくる朝倉まゆみ。何も言わずに抱きしめる。
「・・・怖くなかった? 」
「ううん。みんな、優しかったよ。」
「・・・ごめんね。」
「・・おねえちゃんの事大好きだよ。」
「・・・よかった。私のそばにいてくれる? 」
「・・だって、お姉ちゃんはまゆみのママだもの。お姉ちゃんの事大好きだよ。」
なぜだか涙を流している朝倉まゆみ。神田美月も何も言わずに抱きしめているだけ。
「やれやれ。まったく世話かけやがって・・・。」
外を眺めるとプールサイドで喜んでいる宮崎のどか。しかし様子がおかしい
「お前ら、水着はどうした!? 」
ふと目をやると二人とも素っ裸にスイムキャップだけ。しかも二人そろって全身こんがりと日に焼けている。
「・・のどかが、"泳げない方が恥ずかしい"とか言い出して、素っ裸で泳ぐことにしたんだけど。それが? 」
「それがじゃない! お前らどー言う神経しているんだ! 」
「でも、アキラさんが教えてくれたおかげで泳ぐことが出来ましたぁー。ドキドキ。」
「ドキドキするところが間違ってる! 」
エヴァンジェリンさんは泳げなくても良いんですか? 」
「どうせ私はカナヅチだ! 泳げなくてもどうって事ないだろ! 」
「それだとネギ先生が悲しみます。」
「どうだって良いだろ! 」
とか吼えているが絡繰茶々丸が水着をはいでしまい素っ裸に。
茶々丸。何を考えてる!? 」
「・・アキラさん、お願いします。」
と、プールに投げ込む絡繰茶々丸。案の定おぼれるエヴァンジェリン
「どうやら・・一から教えないと。」
頭を抱える大河内アキラ、けたけた笑うチャチャゼロ
「オ、イイ眺メダナ。」
「殺す!! 」
宮崎のどかはそれを見てニコニコしているのであった。
そんな楽しい時間もあっという間に過ぎ、外の時間も朝を迎える。
「まゆみ、お別れは? 」
「お姉ちゃん・・・ありがと。」
「まあ、別れって言うのは寂しいものだ。でも、いつでも待っているぞ。もし、困ったことがあったら・・いつでもきても良いぞ。」
「わぁーい!! 」
それを聞いて喜ぶのは宮崎のどか
「お前らは別だ!! いったい何時間居やがった!! 」
「確か昨日の9時からいたから・・・。」
指折り数える宮崎のどか
「21時間ですね。」
「結構いたね。居過ぎかな? 」
「お前らは居過ぎだ!! ここはお前らのたまり場じゃねぇ!! 今度から金取るぞ!! 」
やけにきゃんきゃん吼えるエヴァンジェリンを見て神田美月と朝倉まゆみは首をかしげる
「ねぇ、茶々丸さん。いつもこんなものなの? 」
「ここまで楽しんでいるマスターを見るのは久しぶりです。やっぱり同属がいたのがよかったのでしょう。」
「こんなガキと一緒にすんな! 」
「まゆみは子供じゃないよ。」
子ども扱いされることを嫌がる朝倉まゆみ
「楽しそうですね、マスター。」
眉間にしわを寄せるエヴァンジェリン
「お前ら、後で覚えてろ!! 」
と、吼えるエヴァンジェリンだが周りは笑っていたのであった




それからしばらくたったある日・・・。
Evangeline.A.K.McDowellはまた屋上でサボっていた。
あれから朝倉まゆみもこっちに来ることはめっきり少なくなった。多分イヌミミの大西明菜たちと楽しく遊んでいるのであろう。
それでもたまにつれてやってくるがあまり気にはしていない。むしろ来てはバカ騒ぎするクラスメート達の方がうざいと感じているほどだった。
「また、少し静かになったか・・まあ良いさ。こっちの方が・・お似合いだよ。」
とうららかな日差しに誘われて昼寝でもしようとした瞬間に誰かに起こされる。
「人の眠りを・・・。」
怒ろうとしたがそこにいたのはネギと神楽坂明日菜
「何だ、ぼーやと神楽坂明日菜か。」
エヴァンジェリンさん。授業に出てください!! 」
「断る。どうせ出たって卒業できないしな。」
なぜか頭を撫でる神楽坂明日菜
エヴァちゃんも寂しいんでしょ? 素直に甘えれば良いのに・・・。」
「どこをどーしたらそういう考えになる! 」
アスナさんの言う通りですよ。師匠。」
と、ネギに押し通されて黙り込んでしまうエヴァンジェリン
「・・・出れば良いんだろ? 」
「素直じゃないんだね。」
「お前に言われたくない!! 」
重い腰を上げて教室へと向かうエヴァンジェリンだった。

補足
基本的にはEvangeline.A.K.McDowellと吸血鬼になってしまった少女。朝倉まゆみとのお話。
実を言うと19巻で絡繰茶々丸が言うには"ああ見えてもマスターは根が優しい"らしい・・・。
(,,゚Д゚)∩先生質問です。そのシーンを見たことないんですけど。


じゃあ、作っちゃえ。ただ、クラスメートに嫌気をさしているなら同属*1を出しちゃえ。と、言うことになりました。なので、ネギよりも戦闘能力には優れているし。


ただ、朝倉まゆみもこのために作ったのではありません。ヒントは3巻と、だけ言っておきましょう
後、ナイトウィザード? 


そして、なぜかエヴァンジェリンの別荘にいる宮崎のどか大河内アキラ・・・
なぜいるのか? それは明日の毎日ネギま! リターンズ〜宮崎のどか編〜をお楽しみに

*1:ただし朝倉まゆみは真祖ではありません