毎日ネギま! リターンズ〜那波千鶴編〜

ちょっと連絡。
この系さん。せっかくまき絵の日を紹介してくださってありがたいのですがリンクを飛ぶと桜咲刹那・・・。
直してもらえませんでしょうか? 


そんな事はさておき今日はネギま! の年齢詐称o(うわなにをするやめ
ちづ姉の日
他の皆様のを読むのですが出てくるのがネギばっかり・・・。
ごめんなさい場の空気読めずに(爆
そして、レミニスのssでも史上最大を誇るシリアスさ。
彼女がつかんだものは・・・
いつもどおりヨムヨム君で

「ネギ君達帰って来たみたい。」
「どこに行ってきたんだろう」
「明日はやいとか言ーてたなぁー」
「やっぱり早朝出発で撒く気なんだ。」
「約束だけどしゃーないかなぁ。」
いいんちょー、なんか名案ないの? 」
「まったく、何を考えているんだか・・・。」
と、やんのやんの遣り合っているみんなを見て頭を抱える雪広あやか。その一方で那波千鶴に目をやる。
「うふふっ。」
ただ微笑んでいるだけ。村上夏美はぼーぜんとしている。




思ってみれば・・・これが悲劇への一歩だったのかもしれない・・・




"閉じてゆく世界"




翌朝、神楽坂明日菜たちが魔法世界へ行くと言うので見送りに行った雪広あやか。その一方で那波千鶴は行かずにセミナーハウスで待っていた
すると帰ってくる雪広あやか
「無事に・・いかれたのかしら? 」
「ええ。アスナさんが言うには"怪我なく帰ってくるから待っていてね" だそうですわ。そういえば他の皆さんは? 」
「やっぱり待ちきれずに・・付いて行っちゃったみたい。」
「なぁんですってぇ!!!!!!! 」
行くみたいなことは匂わせていたがまさか行ってしまうとは・・・。そのことに頭を抱える雪広あやか
「あらあら。好奇心が強いみたい。」
「まったく、あの人たちは・・・私達が束になっても勝てないって言うのに・・・。」
しばらくすると勝手についていった人たちが帰ってくる。しかし様子がおかしい。
「柿崎さん、釘宮さん、桜子さん、何で付いて行ったのでしょうか!? 」
「それどころじゃないの!! 光に巻き込まれてゆーなや亜子たちが・・・。」
「ええっ!! 」
「どういうことなの? 」
パニックになる3人を見て不安がる那波千鶴。とりあえずネカネさん所へと向かう雪広あやか那波千鶴
「ネカネさん・・・」
「あら、アヤカさんにチヅルさん。」
「実は・・・。」
事の次第を話す。それを聞いたネカネもうつむいてしまう。
「とにかく、残っている人を数えて。で、これから探しに行きましょう。」
ネカネに言われるがまま残っている人を数える。セミナーハウスに残っているのは雪広あやか那波千鶴鳴滝風香鳴滝史伽柿崎美砂釘宮円椎名桜子
「これで全員ですわ。」
「と、なると巻き込まれたのは明石裕奈和泉亜子大河内アキラ佐々木まき絵の4人ですね。あら、村上夏美さんは? 」
見回してみても村上夏美がいない。多分どっかに行ったんだろうと思ってみる
「夏美お姉ちゃんいなかったですぅー。」
鳴滝史伽が言うには朝起きてみたら誰もいなかったと言うらしい。余計に不安がる那波千鶴
「わかりました、これからその場所へ行ってみましょう。」
と、椎名桜子の案内でその現場まで行ってみる。そこは石に囲まれた遺跡みたいな場所。
「夏美ー。」
何度も呼びかけるが反応すらない。周りを探してもいた形跡すらない。
「こうなると・・多分、巻き込まれてしまったんでしょう。」
とりあえずセミナーハウスへ戻る。
「多分、これから先は麻帆良学園の連絡待ちだと思います。多分、ここに釘付け・・・。」
「仕方・・ないよ。」
と、無断で付いていった柿崎美砂たちもしょんぼり。と、そこへ老人がやってくる。
「ネカネさん、聞いたか? メガロセンブリアのゲートポートで爆発テロが発生して現在封鎖状態だとよ。」
「えっ? じゃあネギは・・・。」
「こちらからの連絡も取れん。おそらく・・・絶望的じゃろう。」
それを聞いた那波千鶴はいつもの明るさがなくなっていたのであった。




コンコン。
「どうぞ。」
那波千鶴の部屋に入ってきたのは雪広あやか
「元気・・ありませんわよ。」
「だって・・。」
「私だって悲しいですわ。もう2度とネギ先生アスナさんに会えないことを考えると・・・。」
やはり雪広あやかも会えないことにショックを隠せないらしい。
「夏美・・・小太郎・・・。」
空につぶやく那波千鶴。むなしさだけが響く。
「とりあえず、向こうの方も協力してくれるらしいですから、私達でも何とか手を打ちしょう。」
「それしか、ないみたいですわね。」
そして、翌日全員総がかりで行方不明の村上夏美の捜索に全力を注ぐ。運動部カルテットはもう巻き込まれたのが確実なので探すのはあきらめることにした。その合間に雪広あやか麻帆良学園と連絡を取り合うことにしたが話を聞いてあっちでも右往左往。
とりあえず、しばらくの間待っていてくれとの事。しかし、依然として消息は不明。町での目撃もなくどうも一緒について言ったのではと言う線が強くなってしまった。
その上でもう一度柿崎美砂たちに話を聞いてみることに。
「もう一度思い出せませんか? 」
「ウーン・・うちらもコート着てたからわからない。でも・・・。」
「でも? 」
「運動部は付いてきてたよ。」
「あっ! 」
釘宮円が何かを思い出したらしい。
「いたいた。ばれないように深々とフードかぶっていた。で、まき絵たちにひょこひょこ付いていった! 」
「円、本当なの? 」
柿崎美砂に聞き返されて深く頷く。
「千鶴さん、どうやら・・・。」
もう1回見渡すと那波千鶴の姿はいなかった。
那波千鶴は自分の部屋に戻る。最後の希望を託して村上夏美に電話をかけてみる。しかし、無常にも留守番電話センターに繋がるだけ
思いっきり泣き出してしまう。
「私、私・・・どうしたら良いの? 」
机の上には日本から持ってきた写真が2枚。一つはこの前の旅行のとき撮った綾瀬夕映佐々木まき絵長谷川千雨宮崎のどか村上夏美との写真。もうひとつは寮で撮った村上夏美・村上小太郎・雪広あやかとの写真。
ずっとこの平和が続くと信じていた。小太郎がネギについていくのを見送るつもりだった。しかし、雪広あやかが誘ってきたからのもあるし村上夏美ウェールズの風景を見たいのとイギリスは演劇の本場。生の演劇を見たかったらしい。
それだけではない。小太郎のことが心配だったから。そんな親心さえださなければ・・・。知らなくて良いことだったのかもしれないがもう既に遅かった。
「もう、会えないの? 」
写真を眺めては自問自答する。
「私、どうしたら良いの? 」
他の人には見せられない弱気な姿。多分雪広あやかとか長谷川千雨とか綾瀬夕映、村上小太郎や村上夏美が見ていたら怒られるだろう。
それぐらい悲しい。
「私に力を貸して・・・。」
と空虚につぶやく。そして、寝るためにカバンから着替えを取り出したそのときだった。
中に入っていたのは一つのビン。中には飴玉がいっぱい
「多分、口が淋しくなるから日本から持ってきたものだわ。」
しかし、ビンのラベルを見て何かを思い出したのであった




それは村上小太郎がウェールズに行く数日前。その村上小太郎から相談を受ける
「なぁ・・千鶴姉ちゃん? 」
「あら、小太郎君、どうかしたの? 」
「旅行っツーか・・・ネギについていくことになったんや。」
「あらあら。大丈夫かしら? 」
「で、千鶴姉ちゃんに許可もらいたいんや。」
「あら、私が断る理由なんかあるかしら? 」
「おおきに。それと、おもろい写真あるから千鶴姉ちゃんに渡すわ。」
と、小太郎から1枚の写真をもらう。見た感じ小学生が写っているだけ。
「これのどこが面白い写真なの? 」
「いやな、千鶴姉ちゃん長谷川千雨いじってるからなんか反応するかなぁと思ってな。」
「うふふ。そういうことは早く言わないと。ありがと。大事にもらって置くわ。」
そして、その写真を持って長谷川千雨の部屋へと向かう那波千鶴
「千雨ちゃんはウェールズ行くのかしらぁ? 」
「行かない。」
「あらぁ、私達はあやかの好意に甘えるつもりなのに・・残念だわぁ。」
「どーいうつもりだよ。 」
「なんでもない。そうそう、今日は1枚の写真を持ってきたんだけど・・・見る? 」
「また"あれ"か? 」
また、いつものちうがらみだろうと思っていた長谷川千雨。しかしその写真を見せ付けられて真っ青になる。
「お、おい・・どうしてお前が持っているんだよ!? 」
「な・い・しょ。」
にっこり微笑む那波千鶴。その写真と言うのは小さい女の子がネコミミつけてにっこりしている写真。長谷川千雨は見ただけで自分だとわかり戦々恐々。
「・・・だからどうしたって言うんだよ。」
「あら、千雨ちゃんどうしたのかしら? 顔色悪いわよ。」
「どこから手に入れた! 」
「それを言ったら私が困るわ。」
「・・どうするつもりだよ? もしかして、朝倉に渡すつもりかよ! 」
その問いかけには首を振る。
「パルかな? 」
早乙女ハルナには渡されたくない。でも、これを言ってしまったら・・・二律背反に悩む長谷川千雨
しばらく考えた後に一つのビンを渡す。
「これだよ。」
「あら、意外と正直なのね。」
「お前だけだぞ。」
ビンを見て悩む那波千鶴
「これ・・・。」
「赤いので大人、青いので子供になれる。これでわかったろ! 」
「ありがと〜。」
と、言うのを思い出す那波千鶴。これを使えば年齢が操作出来る。今度はお金。
「やりたくないけど・・・。」
そういって向かった先は雪広あやかの部屋。当の本人はぐっすりと眠っている。少し騒がしくしてもおきなさそう
すると財布を探し出し、1枚のゴールドカードを抜いてしまい、また元に戻す。
「(あやか、許して。)」
そういって那波千鶴セミナーハウスを抜け出し夜闇の中へと消えてしまうのであった・・・。




「あの〜。」
「お嬢さん、こんな夜半にどうかなされましたか? 」
小さなホテルに一人の女性がやってくる。宿の主人もその美しさに見とれるばかり。
「部屋、開いていますか? 」
しばらく宿帳を眺めた後に1枚の紙を出す。
「こんな辺鄙な町が混む訳なんかないさ。これに書いてくれないか? 」
すると女性はするすると書いた。名前は谷本安衣。日本の大学で保育士になる為に勉強している21歳。家族構成は両親と年の離れた弟と妹の5人家族。だが自分は寮生活のため家族とは別居状態。ウェールズに来たのはその家族がイギリスを旅行中にテロに巻き込まれて消息不明になったため。
どうやら異世界に迷い込んだらしいことを風のうわさで聞いたから。その情報収集にやってきたのであった。
もちろん、その正体は年齢詐称薬で大人に化けた那波千鶴
「書きましたわ。」
「そうかい、1泊55ポンド。」
「ハイ。」
と、お金を出すと一つの部屋に案内される。とりあえず今晩の宿だけは確保できた。今手元にあるのはパスポートと学生証。もちろん谷本安衣名義の。それと大学ノートと筆記用具と夏美と小太郎の写真。
「・・とりあえず、ここにいつまでもいられるわけじゃないわ。明日早くに情報収集しないと。」
そういうとベッドにもぐりこんだ。
そして、翌日。大学図書館で調べものをする。わかったことは異世界に行くには町外れにある遺跡からいくこと。しかし、その遺跡からいついけるかまではわからない。よくて1週間。悪くて1ヶ月。しかも一方通行
しかも、その間音信は取れない。調べてわかったことはそれだけ。ため息をつく安衣。
「そうだ。もうひとつやらなきゃいけないことがいけないことがあったんだわ。」
大学図書館をでると始めたのは部屋探し。苦労するかと思いきや安衣に惚れた不動産屋が貸してくれた。
「ここが当分の間の根城ね。」
ほっとするがもうひとつしなければいけないことが。それは生活費を稼ぐこと。確かにカードは持ってはいるが雪広あやかのもの。すぐに足がついてしまう。
なかなか見つからない。やっとのことで保育所のベビーシッターを見つける。もともと子供が好きだったので苦労はしなかったが稼げる額は微々たる物。
意外なところで社会の厳しさを知ることになった安衣。
「ふう。」
仕事が一段落したところで。また情報収集に走る。と、いっても土地勘のないところ。情報を集めるだけでも一苦労。
「夏美は今どうしているんだろう・・・。」
と、ため息をつきながら入ったところは1件のパブ。
「いらっしゃい。」
1杯のカクテルを頼む。一気に飲んで顔を真っ赤に。
「はははっ。その顔を見ると飲みなれてない。って所か。」
マスターに笑われる。でも、話すきっかけは出来たのでひとつの事を尋ねて見る。
「あの・・・。」
と、1枚の写真を見せる。
「あー。この子? 確か、最後に見たのは町外れの遺跡だなぁ。それも1週間も前に。それっきり町には戻ってはおらん。」
と、聞いてため息をつく。
「どうしたんだい? 」
「あの・・・。」
マスターに事情を話す谷本安衣
「そうかい、お前さんも若いのに一人ぼっちってわけか。」
「でも、どうしてマスターが? 」
「まあ、ここにはあっちの世界からの来訪者も来るらしいんだ。まあ、一つの情報収集拠点ってわけだ。そうだ? 」
「どうか・・なさったんですか? 」
「ここで働かないか? 」
意外な提案に驚く谷本安衣
「情報が欲しいんだろ? ここだったら何か手がかりがあるかもしれん。そうすれば行方不明になった家族の情報ぐらいは・・・。」
「で、でもっ!! 」
「お前さん、日本人だろ。なぁにこんな田舎町まで入国管理局がやってくることはない。それに1ヶ月くらいしかいないんだろ? 」
その問いかけに頷く谷本安衣
「でも、良いんですか? 」
マスターはそれでも頷く。
「わかりました。」
こうして、パブで働く事になった谷本安衣異世界の情報を収集ながら昼は保母さん。夜はパブで働くことに。パブに来る人たちはいい人ばかり。
ちょっときわどいドレスを着ることにはなるが体型には自信はあるし何よりアパートに戻って入っている額に驚く。
「80ポンドも!? 」
こうして夏美と小太郎を探すためにパブで働き続ける事になった谷本安衣
しばらくすると携帯電話が鳴り響く。電話の相手は雪広あやか。もちろん出る訳なんかない。すぐさま留守電に繋がる。
「ちづるさん、どこにいるのですか? みんな心配してますわよ。これ聞いていたら、すぐに連絡ください! 」
「あやか、ごめん・・・。」
そう心に思い、床に就くのであった。




小さいながらも谷本安衣の働いているパブは忙しい。お酒を出したり、料理を作ったりとひっきりなしに働く。何よりも美人が働いていることで来る人が絶えず、ひっきりなしに対応をする。それに伴いおぼろげながらも向こうのことがだんだんとわかってきた。
どうも向こうでは内部抗争があってゲートが破壊されて行き来が不自由に。最後の転送が行なわれたのは夏美が巻き込まれたのと同時刻。後1回つかえるか使えないか。それに伴いあちらこちらのNGOも秘密裏に動いているらしい。
安衣もお酒を飲みながら話に耳を傾ける。そんな中一人の若い女性が入ってくる。
「安衣。相手してくれないか? 」
「ハーイ。」
とカウンターに座っている女性を見てびっくり。
「(あやか!? )」
少し背の高い金髪の日本人女性は雪広あやか。しかし自ら名乗ればやばいのは明らか。一方の雪広あやか谷本安衣の正体を知らないが那波千鶴がいなくなっていることは知っている。
まさに腹の探りあい。
「ウィスキー。」
「あなた、お年は? 」
「私が子供に思えるのですか!? 」
「ハイハイ。」
とお酒を出してあげるとちびちびと飲み始める。
「お姉さん、私の話を聞いてもらえます? 」
「どうか・・したの? 」
「みんなと一緒にウェールズに来たのはいいのですが半数は行方不明になっていまだに消息はつかめずじまい。さらには1週間前から一人いなくなってしまい。私はどうしたら良いのか・・・。」
「そうなの。」
「もしかしたら、このまま会えないのかと思ってしまうと私はどうしたら・・・。」
「私と同じなのね。」
「どういうことなのですか? 」
「私の弟と妹も行方不明になってしまい。風のうわさでここまで来たのはいいのですがそこから先はぷっつり・・・。」
「あなたも大変なのですね。で、あなたはいつまで? 」
「たとえ1%になっても探し続けるつもりですわ。だって・・・。」
谷本安衣もそれ以上はいえない言ってしまえば正体をばらしてしまう。それを察したのか聞こうとはしない雪広あやか
「私も気持ちは同じですわ。傷を抱えたもの同士今日は飲み明かしましょ。」
と、なぜか意気投合してしまう雪広あやかを見て目を点にする谷本安衣だった。
その後も営業が終わるまで飲み続けるが先に酔いつぶれたのは雪広あやか
「ほら、あやかさん。自分で、帰れる? 」
「ん〜。もう、飲めませんわ〜。ネギ先生〜、こんな私を許してください〜。」
「まったく・・・。」
「こんな事ってあるのですか。マスター? 」
「めったにないさ。送って行ってくれるか? 」
「ええ。」
抱えて、泊まっているセミナーハウスまで送っていく安衣。場所こそ知っているがあえて知らないことを演技し続ける。
セミナーハウスにつくと雪広あやかの友達が待っていた。
「あれ、あなたのお友達? 」
「はい。お姉さんは? 」
「私の働いているパブにやってきて酔いつぶれたの。マスターは"イギリスの人間はこんなことはないここまで酔いつぶれて自分の足で帰ってこれないなんて伊藤静じゃあるまいし"って笑っていたわ。」
「あっそ。どっかで聞いた話だわ。」
それを聞いていた柿崎美砂は目を点にしていた
「じゃあ、私は帰るから。後はよろしく。」
と、谷本安衣は走り去るように立ち去る。立ち去った後で雪広あやかに声をかける柿崎美砂
「いんちょ。大丈夫? 」
「まだ、アタマはがんがんしてますけど・・・これで確信しましたわ。」
「何を? 」
「あの女性確か・・谷本安衣とか名乗っていましたけど正体は千鶴さんです。」
そのことにびっくりする柿崎美砂
「・・・で、どうすんの? 」
「場所も特定してますから、後を追いかけますわ。」
その一方で自分のアパートに戻った谷本安衣。人前ではしらふを装っていたが相当に気持ち悪い。
何回か咳き込むが咳き込んだものを見てびっくりする。
「・・・血だわ。ダメよ。夏美はもしかしたらもっと苦しいのかもしれない。私ががんばらないと・・・。」
と、昼間集めた情報とパブで集めた情報をまとめようとするがその場に倒れこんでしまったのであった。




ちづ姉! ちづ姉! 」
那波千鶴は霧の中に立っていた。声はするがどこにいるのかわからない。
「夏美、どこにいるの? 」
と声のするほうに行くとそこにいたのは最後にあった格好のままの村上夏美と小太郎。
ちづ姉! 」
「会いたかったわ!! 」
と抱きしめようとするがするりと抜けてしまう。どうやら見ているものはまぼろし
ちづ姉、疲れてるとちゃうん? 」
「心配・・かけてごめん。」
「今、どこにいるの? 」
「・・・それはちょっと言えん。でも、夏美姉ちゃん、俺がちゃんと保護しとる。心配せんでええ。」
と小太郎は笑っているが千鶴は心配しきり、いつの間にか涙が。
「・・ちづ姉が泣くとこなんか見たくないよ! 」
「だって、だって! 」
かがみこんでしまい泣き出してしまうと誰かが声をかけてくる
「なんだ、ずいぶんと弱気だなぁ。」
「千鶴さんらしくないですよ。」
「私たちの事・・心配してくださったのですね。」
「元気出して。」
「・・・どうして、ここに? 」
霧の中から出てきたのは長谷川千雨綾瀬夕映宮崎のどか佐々木まき絵。もちろん最後にあった格好のままでまぼろし
「千鶴さん、ごめん! 」
まき絵さんだって・・・ちょっと好奇心があってついてきただけです。」
「千鶴さん・・私達は大丈夫ですよ。」
「まあ心配すんなって・・・絶対に戻ってきてやる。どんなに時間はかかってもな。」
「でも、私は・・・。」
いいんちょさんに"私たちはちょっと事故に巻き込まれてしまっただけです。心配しないでください"と伝えてください。」
「そうだ、かえって来たらみんなでどっか遊びに行こう。それで良いな? 」
「絶対に・・待ってるから。」
そう言い残すとまた霧が深くなってしまい見えなくなってしまう。
「・・・ちょっと、ねぇ、ねえってば!! 」
「ちづるさん、ちづるさん!! 」
次に目を覚ましたときは病院のベッドの上。そこにいたのは雪広あやか椎名桜子とネカネさん。
病院の医師が言うにはオーバーワークと過剰なアルコール摂取で倒れただけで命に別状はない。何日かは安静にしているとのことだった
「ここは・・何処? 」
「いったいどこに行ってたの? みんな心配していたのよ。」
「千鶴さんらしくないよ! 元気出して! 」
「どうして、ここが? 」
「いんちょと美沙が後を追いかけていたんだって。そうしたら倒れている千鶴さんを発見していたんだって。」
「まったくどういうことなんですか? しっかりと説明してください! 」
「だから・・夏美と小太郎の事が心配になって・・その・・・。」
とやけに言葉に詰まる那波千鶴
「まったく、私のカードを抜き取ったと思えば年齢と名前を偽ってパブで働いていたなんて、すごい度胸ですわね。まったく、こんなのをネギ先生が見たら悲しみますわ。」
「それで、その・・・」
「しっかりと治してくださいな。」
「うん・・・。」
と一旦退室するが、数秒もたたぬうちに雪広あやかが帰ってくる。
「本当に・・・夏美さんをお探しになられるおつもりですか? 」
その問いかけに頷く那波千鶴
「まったく、あなたの行動は大胆すぎますわ。私も人のことは言えませんけどね。」
「あやか、どういうことなの? 」
「明日、高畑先生と龍宮さんがいらっしゃるそうです。で、そのままあっちの世界へ飛び込むつもりらしいですわ。」
「どういうことなの? 」
「ミイラ取りがミイラになるのはご承知ですか? 」
「と、言うことは・・・。」
「あっちの世界に飛び込みますわ。絶対にアスナさんとネギ先生を見つけ出して首根っこ捕まえてでも帰ってきますわ!! 」
「でも・・・。」
「そのことをネカネさんに話したら、不安がっていましたけど後の事は引き受けてくれるそうです。もしかしたら帰ってこれない。その覚悟はありますか? 」
その問いかけに頷くだけ。
「わかりましたわ。とりあえず今日はゆっくりとお休みになられて、明日の夜。迎えに行きますわよ。」
そして、その日・・・。
「まったく、こういうことになるとはな。」
「で、どうするつもりなんだ? タカミチ。」
「まずは行方不明者の救出。その後でネギに濡れ衣を着せた犯人を捕まえる。」
「まあ、私は報酬さえでればどんな仕事でもこなす。それが傭兵の役目だ。」
「(ネギ先生が賞金首ですってぇ!! )」
「(でも、こんなので大丈夫なのかしら? 道に迷ったりしないかしら? )」
「(あたしに任せなさいっ!! )」
「(本当に桜子さんだけが頼りなんですからね。)」
と、タカミチと龍宮真名の後をつける椎名桜子雪広あやか那波千鶴。程なくして遺跡に到着する
「もう、そろそろだな。」
「ああ。」
しばらくすると光が集まり転送が始まろうとしている。
「(ちづるさん、行きますわよ! )」
「(夏美、待っていてね・・・。)」
タカミチと龍宮真名が入ったのを見てから那波千鶴雪広あやかも光の中に飛び込んでいったのであった。

補足
ネギま! の20巻185時間目を別視点で見た話。要は後日談。
実を言うとこの時点で村上夏美はどっちに転んだのかがよくわからない。
しかも発見されたときには奴隷状態にされていると言う始末・・・


ではなくって残された者たち。特に那波千鶴はどう思っているのかと言うお話。
彼女のことを考えれば最愛の弟代わりの犬上小太郎・妹代わりの村上夏美を喪ったと言うのは最大のショックだと思う。人様の前では出してはいないけど。
それでなくてもカルミナ・プラーナメンバー*1のほとんどはあっちの世界に行ってしまった。もしかしたらもう会えないのではないか? 


えてして異世界物と言うのはこういった悲劇を生み出しやすい。しかもばらばらになって片方は敵に操られていて敵味方同士で争わなければいけない・・それなんてヴィルガスト? 
長谷川千雨は戻ってくると言っていたが本当に戻ってこれるのかは心配・・・。


後、谷本安衣と言う那波千鶴の偽名が出てきますがこれはリアルネギま! で那波千鶴役をやっている役者さんからとりました。
そして、レミニスの中ではカルミナ・プラーナ第4話をやること確定・・・