ネコミミモード! 

と、言うわけで久しぶりの休載日恒例ss。
1回飛ばしているからなぁ・・・。*1

"綾瀬夕映の場合"
それは休日の始まりであった。このとき当の本人はいまだに気づいていなかったのかもしれない。
「(なんか頭が重いです・・・。それになんかしたがスースーするです。)」
昨日、なんか飲んだのであろう。にしては、お漏らしをしたとかではなかった。むくりと起きるとなんか頭に変なものがついている。
「(はて・・・。)」
鏡を見てびっくり。頭についていたのはネコミミ。もちろん後ろにはしっぽがふりふり動いていた。
ぼーぜんとする綾瀬夕映
「(な、何のまねなのですか!! と、とにかく・・・。)」
と、電話を取ろうとするが手もネコのグローブをつけたかのようのもこもこ。そして声も出てくるのは"にゃー"ばっかり。
「(こんなのは・・悪い夢です!! )」
取ろうとするが取れるわけではない。仕方がなく布団をかぶってそのまま過ごそうとすると誰かが入ってくる。
ゆえゆえー。」
入ってきたのは宮崎のどか
「(こんな姿、見せられないです!! )」
綾瀬夕映は隙を着いて部屋から飛び出すのであった。




「(と、とにかく、ネギ先生を探すです。ネギ先生だったら何かわかるかもしれないです。)」
と、ネギが居候している神楽坂明日菜の部屋へと向かおうとするが誰かに後ろから抱きつかれ持ち上げられる。
「可愛い猫やなぁー。」
「お、お嬢様。そんなもの抱いては汚いですよ。」
「せっちゃんも頑固やなぁー。そうや。せっちゃんも抱いてもらいたいん? 」
「そ、そんなこと!! 」
抱いているのは近衛木乃香。真っ赤にしているのは桜咲刹那
「(は、離すです!! )」
じたばたして離そうとするが近衛木乃香はにゃーにゃー言っているだけにしか聞こえない。
「ん、どうしたん? 」
「もしかするとこの子猫、おなかがすいているのでは? 」
「うちの部屋に行けば何かあるかもしれんなぁ・・・。なぁ、せっちゃん? 」
近衛木乃香が疑問に思ったのか桜咲刹那に尋ねてくる。
「どうかなさったのですか? 」
「この猫・・ゆえに似ておらん? 」
「確かに、綾瀬さんに似てはいますが・・・。」
「(私です!! )」
アピールするが言っていることは相変わらずにゃーにゃー。何を言っているか聞こえない。
「まあ、ええわ。とりあえずつれてくで。」
「まったく仕方が無いですね・・・。」
と、部屋へ連れて行くが誰もいない。とりあえず、近衛木乃香が準備をしている間、桜咲刹那綾瀬夕映が一緒に。
「確かに、綾瀬さんに似てはいますが綾瀬さんがこんないたずらするとは考えられないし、もしいたずらだとすれば・・・。」
「せっちゃん、どうかしたん? ・・・なんかなつかれとるわー。」
「お、お嬢様、そんなわけでは決して!! 」
気がつくと綾瀬夕映が膝枕していた。それを見て嫉妬に燃える近衛木乃香。顔を真っ赤にする桜咲刹那
「まあ、ええわ。はい。ミルク。」
と、差し出されたはいいが。どう見ても綾瀬夕映をネコとしか見ていない近衛木乃香。その証拠にミルクはボールに入っていた。
「(私は、ネコじゃないです!! )」
と、内面では否定するが体が反応してしまった。四つんばいになってピチャピチャなめ始める。それを見てほっとする近衛木乃香桜咲刹那
「よかったですね。」
「でも、どないする? ほんまにゆえやったら・・・? 」
と、考え込んでいると派手に扉が開く。入ってきたのは神楽坂明日菜
「なんかネコ拾ってきたって言うけど・・・。」
「ほい。」
と、綾瀬夕映を抱きかかえる。
「何だ夕映ちゃんじゃない。急いで帰ってきて損したー。」
「(損したじゃないです!! )」
「なんや、ゆえなんや。」
ネコの正体が綾瀬夕映だと聞いてしょげる近衛木乃香
「そうだ、アスナさんネギ先生は? 」
「ネギ? 今日はエヴァちゃんのところにいてまだまだ時間が掛かるんだって。」
「じゃあ、綾瀬さんの呪いは解除できないでしょうか? 」
「大丈夫よ。私に任せなさい! ・・・来れ! 」
と、カードを1枚出すとハリセンに。
アスナさん、流石です! それを使えば解除できましたね。」
「(何をするつもりなのですか!? )」
「さあ、子猫ちゃん、待っててね! 」
と、綾瀬夕映めがけハリセンをかまそうとした瞬間だった。
パッシーン! 
とっさに首を引っ込めたため派手に叩かれたのは近衛木乃香
「ごめーん。」
「ごめんやないえ! 」
「(い、今のうちに逃げるです! )」
逃げようとするが今度は桜咲刹那が捕まえる
「おとなしくしてください! 」
「サンキューせっちゃん。さ、おとなしく叩かれなさい! 」
じたばたする綾瀬夕映。思いっきり神楽坂明日菜がはたこうとするがやはり綾瀬夕映がすんでの所で首を引っ込めたためハリセンは桜咲刹那の顔面を直撃。
「明日菜さん! 」
逆上した桜咲刹那は夕凪を出して神楽坂明日菜に突っかかる。
「ちょっと、タンマ、刹那さん、やりすぎ! 」
「やりすぎではございません! 」
と、大騒ぎ。その隙を突いて綾瀬夕映は部屋から逃げ出してしまうのであった。




「(まったく、あの3人は何なのですか。とりあえず、安全な場所に逃げるです。)」
と、走る綾瀬夕映。ついたのは1階のカフェテリア。
「(確か、アスナさんが言うにはネギ先生エヴァさんのところにいるはずとか言っていたです。そこへ向かえば・・・。)」
と、外へ出ようとした瞬間に誰かに抱きつかれる。
「可愛いネコちゃん。」
ちづ姉〜。」
抱きついてきたのは那波千鶴村上夏美
「あら、夏美には小太郎君がいるじゃない。私もこういうのほしかったのよね・・・。」
「そういう問題じゃないよ!! 」
「あら、そういえばこのネコちゃん、誰かに似てない? 」
「そういえば・・・。ゆえちゃんじゃない? 」
「(だから、私です!! )」
必死にアピールするが伝わらない。
ちづ姉。このネコちゃん何かほしがっているよ? 」
「(違うです! 私の話を聞いてください!! )」
「そうねぇ〜。こんなものとかどうかしら? 」
と、出したのはボール。もちろん体が勝手に反応するが簡単には渡そうとはしない。綾瀬夕映を翻弄する那波千鶴
「こっちこっち。」
と、いたずらする那波千鶴
「はい、夏美。」
「ちょ、ちづ姉! 」
と、ポーンとパスする那波千鶴村上夏美に飛び掛る綾瀬夕映
ゴッチーン!! 
二人は正面激突。目を回したのは、村上夏美。ボールは転々としてしまい綾瀬夕映は四つんばいになって追いかけてしまう。
「あらあら。」
那波千鶴は微笑んだままだった。




転々としてしまうボールを追いかけ取ってニコニコする綾瀬夕映
かと思えばまた我に返る
「(こんなボールのために追いかけてしまうなんて、私はなんてアホなのでしょう。それよりもこれをといてもらわないことには・・・)」
とりあえずネギを探しに寮を出ようとした瞬間に誰かに首根っこをつかまれる。
「(は、離すです!! )」
「これがほんとの首根っこ。なーんちゃって。」
まき絵、いつからだじゃれっ子になったの? 」
「がーん。」
首根っこをつかんでいたのは佐々木まき絵まき絵のだじゃれに呆れていたのは明石裕奈
「でもさ、これゆえ吉じゃない? 」
「(裕奈さん、助けてください!! )」
と叫ぶがやっぱりにゃーにゃー言っているようにしか聞こえない。
「ゆえちゃん可愛いー。そうだ、もうひとつやってみたいことがあったんだ。」
それは、顎をゴロゴロすること。ゴロゴロされた綾瀬夕映は本能なのかニコニコしてしまう。
「わぁ、すごーい。」
まき絵、ちょっち待ってて。今、すごいもの持ってくるから。」
と、駆け出してしまう。
「(だから、私はこんなことでは喜ばないです!! )」
しかし、叫びは聞こえていない。反対にまき絵は抱きついてしまう。
「よしよし。ネコちゃん、お母さんとかいないの? うちペットオッケーだから飼ってあげてもいいよ。」
「(だから、どうしてそんな考えになるのですか!? )」
と、綾瀬夕映を子猫と勘違いした佐々木まき絵は頭をなでなで。しばらくすると明石裕奈が何かを持ってやってくる。
「じゃじゃーん。ネコといえばこれ! 」
手にあったのはネコじゃらしとまたたび。
「(裕奈さん! )」
「はい、またたびですよー。」
またたびと聞いて本能のまま飛びついてしまう綾瀬夕映
「ゆーな、すごーい。」
「へっへーん。桜子から聞いたんだ。」
「じゃあ、私も。」
と猫じゃらしでいじりまくり。もちろんネコじゃらしに食いついてしまう。
「じゃあ、私は・・触っちゃえ! 」
と、あちこち触りまくる明石裕奈。触られた綾瀬夕映のほうはまたたびの効果なのか、本当に気持ちいいのか顔を真っ赤にしてしまう。
「(裕奈さん、これ以上触られたら・・もるです! )」
その顔を見た明石裕奈は思いっきりあわてる。
「ちょ、タンマ。まき絵トイレ。」
「あ、うん、えっと・・こっちおいで。」
綾瀬夕映を抱きかかえてトイレに向かう明石裕奈佐々木まき絵。トイレのほうは何とか間に合うが綾瀬夕映は顔を真っ赤にしたまま。
「(まったく、クラスメイトにこんな痴態を見られるなんて・・アホの極みです! )」
「なんかこれ出来が良いねぇ〜。あたし、ますます気に入っちゃったかもよ。」
「ゆーな、おやじくさいって。」
「ははは・・。」
とか良いながら頭をなでなで。
「(やっと、わかってくれる人が居たみたいです。)」
綾瀬夕映は何かを懇願しているような目つきに。
「ん? どうかしたの? 」
「(お願いです、私をネギ先生のところまで! )」
「はっはーん。もっと触って欲しいんだ。」
「(だから、何でそっちの方へ行くんですか! )」
綾瀬夕映の願いもむなしくあちらこちら触りだす明石裕奈。そして、興味はしっぽの方へ。
まき絵、今から禁断の領域に踏み入れるよ。」
「え? もしかしてゆーな。」
「あたしが死んだらまき絵は私の屍を踏み越えていくんだよ。」
「ちょ、ゆーな、危険だよ。」
「えいっ! 」
思いっきり綾瀬夕映のしっぽを握る明石裕奈。握られた綾瀬夕映は怒り心頭。
「(裕奈さん、やめるです!! )」
本能のままに思いっきり引っかく綾瀬夕映。ばったりと倒れてしまうがなぜかにっこり。
「私の人生に・・悔いはないよ・・まき絵。」
「ゆーな、ゆーなったら!! 」
「(やっぱり、あの人たちも危険です。)」
そんな二人をよそにまたどっかに行ってしまうのだった。




その後もネコ好きな椎名桜子にいじられ、鳴滝姉妹にもいじられてしまう綾瀬夕映。やっと一人になったかと思えば座り込んでしまう。
「(ひょっとすると私はこのままでしょうか・・・。身も心もネコになってしまい、クラスのメンバーにいじられたまま。こんな辱めを受けてしまうのなら、いっそのこと・・・。)」
そう思って、立ち上がった瞬間目の前に誰かがやってくる。
ゆえゆえ・・・探したよ。」
「(のどか・・・。)」
目の前にいたのは宮崎のどか。こんな惨めな姿見られたく無い。でも、見られてしまった以上・・と思っていた綾瀬夕映はその場を立ち去ろうとするが引き止めてしまう。そして、そっと抱きしめる。
「どうしたの、ゆえゆえ? こんな姿になってもゆえゆえゆえゆえだよ。どこにも行かないで。そんなことしたら、私淋しくなっちゃうよ。」
「(のどか・・ごめんなさいです!! )」
「大丈夫だよ。ずっと・・一緒だよ。」
「(のどかっ!! )」
抱きしめられた綾瀬夕映は一粒の涙をこぼしてしまう。その瞬間だった
魔法が解けたのか何なのか。ネコっぽい綾瀬夕映は元の姿に。
「わ、私・・・。」
「よかったぁー。ゆえゆえ、元に戻れたね。」
「のどか・・感謝するです!! 」
緊張の糸が解けたのかそのまま泣き出してしまう。
「よしよし・・・。怖かったんだよね・・・。」
「でも、良かったですね。」
「ネギせんせー? 」
そこにいたのはネギ。どうやら神楽坂明日菜から話を聞いていたらしい。
ネギ先生、探したです! どうしていなかったんですか! 」
「夕映さん、ごめんなさい。ちょっと師匠が離してくれなかったので時間はかかりましたが・・・。」
「でも、どうして、こんなことに? 」
「誰かが魔法をかけたんですよ。誰かを動物に変える魔法を。効果は1日ですけど、その間はずっと動物のままですから・・・。」
「でも、誰が? 」
「それは・・僕にもわかりません。残存している魔力を探ればわかるのですが、それも残っていないし魔法を使える人間は限られていますし、アスナさんもこのかさんも違うって言っていましたし・・・。」
「こんなことをするなんて・・・絶対に見つけ出して同じ報いを受けてもらうです。」
「でも…夕映さん、意外と気に入っていたんでしょ? 」
と、耳元でささやかれて恥ずかしがる綾瀬夕映
「そ、そんなことは!! 」
「でも、ゆえゆえネコミミ。すっごく似合っていたよ。もうちょっと見たかったなぁ。」
「のどかまで! 」
怒る綾瀬夕映だったが結局は顔を真っ赤にしたままだった




「姐さん・・・大丈夫っすか? 」
「もう少しでうまく行くところだったのにぃー。」
物陰から悔しがる謎の影。
「こんなの使ってどうするっすか? 」
「ネタよ。」
そのうちの一人はきっぱりと言い切ってしまう。
「今度は誰にしようかなぁー? 」
「絶対にばれるっすよ。」
「なぁに、ばれても何もいえない連中にかけるからその心配はないよ。」
「まったく・・アニキにばれたらどうするんだよ。」
「それはそれ、これはこれ。いい? この魔法、あんたが持ってきたんだからあんたの責任だからね。」
「ちょっと・・姐さん、ひどいっスよ。」
そういって闇の中へと消えて行ったのであった。



補足。
ネコ化してしまうと人の言葉はしゃべれません。ので綾瀬夕映のセリフはすべて括弧で閉じています。
・・後、このシリーズは続けるかもしれないけど今日は和泉亜子の誕生日・・・
多分、あさってか日曜日にはうpします。

*1:そのとき何やったかは忘れた