雪広あやか誕生日SS

前回よりもさらにスケールアップしてお送りしています
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まき絵さん、またなのですか! 」
「え〜。いつもやってるよ。」
それは始業前のひと時。怒っているのはクラス委員長でもある雪広あやか。怒られているのは佐々木まき絵
「どーして、あなたはいつもこうなのですか! まったく、佐々木まき絵失格ですわ! 」
佐々木まき絵・・・失格。ガーン。」
「ちょっと、言い過ぎなんじゃないの!? 」
そこへ、割って入りこむ神楽坂明日菜
「あら、あなたが入ってくることはないんじゃないの? 」
「アンタは少し言い過ぎなの! もっといたわること知ったほうがいいんじゃないの? 」
「あーら? アナタも少し学習したようね? オ・サ・ルさん。」
「なぁんですってぇ? このショタコン女! 」
「なんですって?! 」
と二人がにらみ合い、クラスは一触触発の状態に
「また・・始まりましたね。」
「いつものことだ。ほっとけ。」
「また始まったネ。二人ともまだまだお子チャマアルネ。」
「でも・・・五月さん、止めに入ったら?  」
「この二人を止めるには困難ですね。」
「あわわわ・・・。また始まったよ〜。」
「のどか、こんなのほっとくです。」
「楓姉ー。大変だよー。」
「大変ですぅー。」
「いつものことでござる。もう少ししたら誰かが止めに入るでござるよ。」
ちづ姉ー。止めなくていいの? 」
「夏美、こういう争いは入るだけ損よ。だって昔の人はよく言うじゃない。夫婦喧嘩はイヌも食わないって。」
ちづ姉、意味が違うよぉー。」
「せっちゃん、止めなくていいん? 」
「お嬢様、こんな争い見ているだけで目が腐ります。さっ、こっちの方へ。」
アスナさーん、いいんちょさーん。ホームルーム始まってます。やめてください! 」
どげしっ! 
止めに入ったネギだったが二人の攻撃の間に入ったために二人の攻撃を受ける羽目に。そして、その場に倒れるネギ。
「けんかは・・やめてください。」
「ネギ! 」
ネギ先生! 大丈夫ですか? 」
「大丈夫じゃ・・・ありません。」
「あなたが先に手を出すからですわ。」
「先に手を出したのはあんたのほうでしょ? 」
と、にらみ合いがさらに続き、結局ホームルームになることはなかった。




「どうしよう・・・。」
ネギが一人で悩んでいると誰かが声をかけてくる
「何、悩んでいるんだい? 」
「タカミチ! 」
「ネギ君が来てからあの二人はかわった方だよ。あの二人には僕も手を焼いたよ。」
「でも・・・。」
「前はもっとひどくて授業にならなかったくらいなんだよ。他の先生たちはあの二人を引き離してくれと頼み込んできたんだけど、僕は信じ続けたんだ。二人とも根はいいほうなんだから。」
「タカミチ・・・。」
「ネギ君は悪くない。」
「そう、なんだ・・・。」
と、ネギを励ますタカミチ。
「そうだ、ネギ君にお客さんが来ているんだ。」
「僕に? 」
「そう、なんでもネギ君にじきじきに頼みたいことがあって・・と言うことなんだけど。まあ、物は試し。と言うことで。」
「わかりました! 」
と、タカミチに指定されたところに向かうとそこにはスーツ姿に女性が。誰かに似ているがぱっと思い出せない。
「あの・・・どちら様でしょうか? 」
「始めまして。私・・雪広あやかの姉です。」
「えぇー!! 」
「あ、あの・・始めまして。僕、いいんちょさんの担任の・・・。」
急にたじろぐネギ先生
ネギ先生でしたっけ。あやかはそういう風に呼ばれていたんですか? 」
「何か、問題でも? 」
「いえいえ。あやかは学校でも他の人としっかりやっていますか? 」
「ええ。でも、最近はアスナさんとしょっちゅうけんかになることも多く・・・。」
「そうなのですか、やっぱり目が届かないのをいいことに何かやらかしてなければ良いと思っていたのですが・・・。」
「でも、明日菜さんとも仲も良いですし、クラス委員長としても仕事もこなしていますしみんなとなじんでいますよ。」
「良かった・・・。」
「ところで、僕に用があるってことなんですけど・・・? 」
「実は・・・」
と一枚の封筒を差し出す。封筒には差出人は書かれておらず、雪広グループ宛となっている。中を開けると1枚のカードが。
「えーっと・・・。」
中身を読み出すネギ。しかし読み終わってびっくりするネギ
「もしかしてこれって予告状!? 」
「ええ。あやかの誕生日に何かを奪いに来ると言うのです。しかも相手は怪盗クローバーとか・・・。」
「どなたなんですか!? 」
威勢よくこけるあやかの姉。
「怪盗クローバーは神出鬼没で狙った獲物は逃さない。しかも足跡も残っていない。予測不能の怪盗なんです。もしかしたら・・・。」
「何か、思い当たることでも? 」
「今度のあやかの誕生日に届く宝石なのですが・・もしかしてこれを狙っているのでは? 」
「だったら警備を増やして捕まえれば良いだけのことじゃ・・・。」
と、一般論を述べるネギにあやかの姉は首を振るばかり
「そうしたいのは山々ですが、その日はあやかの誕生日。盛大なパーティーを開く予定です。でも、そんな物騒ではせっかくのパーティーが台無しだし。他の皆さんにもご迷惑をかけてしまいます。なので、天才であるネギ先生に相談をしにきたのですが・・・。」
と考え込む二人。するとネギが妙案を思いついたらしい。
「これだったらいいんちょさんも疑わないし、パーティーも台無しになりませんよ。」
「どんな方法なのですか? 」
とあやかの姉が聞き返すとそっと耳打ちをするネギだった。




「私にいいんちょの護衛をしろですってぇー!! 」
「まあまあ。」
ネギからいいんちょの護衛をしろといわれた神楽坂明日菜はちょっとふてくされていた。
「だいいち、私といいんちょは付き合い長いのよ。何で今さらになってやらなきゃいけないのよ? 」
「それだからですよ。もしかしたらいいんちょさんの弱み握れるかもしれませんよ。そうしたらけんかも少しは少なくなるかと思いまして・・・。」
「結局、それが目的なんじゃないの!! 」
アスナさん、暴力はいけません! 」
ネギの胸倉をつかむ神楽坂明日菜に対してあわてるネギ。そこへ、扉が開いて誰かが入ってくる。入ってきたのは佐々木まき絵
「ネギくーん。私に用ってなぁに? 」
「まきちゃんにも声かけたの? 」
「ええ。まき絵さんは最近いいんちょさんになじられてばっかしですのでちょうどいいチャンスだと思いまして。」
ネギは佐々木まき絵にも同じことを伝える。
「ええーっ!? あたしにいいんちょのお守り?! 」
「まきちゃん、それは違う・・・。」
「んー・・・。」
佐々木まき絵は少し考えた後に頷く。
「わかった。私がんばってみるよ。」
それにつられて神楽坂明日菜もしぶしぶ承諾する
「もぅー。今回だけよ。」
「ありがとうございますっ! 」
ネギ先生? 」
誰かが入ってきたかと思えば雪広あやかと同室の那波千鶴村上夏美
「千鶴さんと夏美さん、どうかしたのですか? 」
「あやかの誕生日パーティに人が必要だと聞きまして。」
「ええっ! ちづ姉も手伝うの? 」
村上夏美がびっくりするが那波千鶴がにっこりしたかと思えば村上夏美に手をかける。
ネギ先生。よろしければ夏美を貸しますので使ってください。」
「千鶴さん? いいんですか。本当に? 」
「ええ。」
ちづ姉・・・。」
「夏美、これも社会勉強の一環よ。あやかのおうちに行って来て学んでくるのよ。」
ちづ姉・・・、意味わかんないよぅー!! 」
「ありがとうございます! 」
村上夏美の嘆きをよそにネギは感激していた。




「ありがとうございます。でも・・・。」
誕生日の前日に雪広あやかのお屋敷に招かれた3人。とりあえずあやかの姉から説明を受けることにした。
「何か、問題でも。」
「とりあえず、これを着てもらわないと」
用意されたのはメイド服。
「ちょっと、これ・・・」
「何だか少し恥ずかしい。」
「でも、着ないといけないんでしょ? だったらきるわよ。ほら、まきちゃんと夏美ちゃんも。」
意を決した神楽坂明日菜はメイド服に着替える。それを見たまき絵と夏美もしぶしぶ着替える。
「後・・・あやかはにおいを結構気にしますわこれで消してくださいな。」
と渡された香水をつける3人。
「これで準備万端だよねぇ。」
「でも・・・。」
と3人を眺めるあやかの姉。
「何か、問題でも? 」
「もしかして、髪型のこと? 」
アスナさんは髪解けば良いだけ出し、まきちゃんは髪結べば良いけど・・・。」
二人に比べて髪が短い村上夏美はしょげてしまうがあやかの姉は意に介しない
「大丈夫ですわ。」
と、用意されたのは村上夏美と同じ髪色のウィッグ。
「・・恐るべし、雪広財閥。」
するとあやかの姉に電話がかかってくる。
「もしもし? 」
「お嬢様がお戻りになられました。」
「そう。わかりましたわ。さあ、行きますわよ。」




「お帰りなさい。お嬢様。」
「おかえりなさい! 」
と、リムジンが到着し後部のドアが開きあやがが到着する
「まったく、誕生日だからってわざわざ戻らなくても・・・あら? 」
そこにはあやかにとって見覚えのないメイドが3人
「あなた達、見慣れないけど? 」
「えっと・・・今日から働く事になりましたっ!! 」
「名前は? 」
「ともみです。」
「アサミです。」
「まゆみなのっ。」
「そう・・(どっかで見たことあるんだけど・・・)まあ、よろしく頼みますわ3人さん。うちはとっても厳しいことよ。」
「がんばりますっ! 」
と、その場は何とか誤魔化すことができた神楽坂明日菜佐々木まき絵村上夏美であった。




と屋敷の人総出であやかの誕生日パーティーに向けての準備が始まった。神楽坂明日菜佐々木まき絵は部屋の掃除やらに借り出され村上夏美はコックさんと一緒に厨房へ。
そこで料理の手伝いをしている。
「嬢ちゃん、筋がいいね。」
「ありがとうございますっ。」
「これは・・パーティーの料理ですか? 」
「いいや。これは今日の晩御飯。パーティーの料理はこれとは比べ物にならないくらい豪華だよ。もっともそのときになったら嬢ちゃんでも太刀打ちできるかどうかはわからないけどな。」
コックさんの手伝いをしているとなにやら殺気を感じる。
「ちょっと・・待っててください。」
と、外に出るが誰もいない。とりあえず厨房へと戻る。
「どうかしたんだい? 」
「いえ、何にも・・・」
そのころ二人はパーティーで使う大広間の清掃やら設営やらを手伝っていた。テーブルを運んでいるのは神楽坂明日菜でセッティングをしているのは佐々木まき絵。てきぱきと準備を始める。
しばらくするとあやかがお茶を持ってやってくる
「皆さん、そろそろ休憩にしませんこと? 」
「お嬢様がお茶を運んでくるなんてめずらしーい。」
「あら、それが? 」
と、休憩にしているとアスナが切り出す。
「そういえば、明日の誕生会にどんな人が参加するの? 」
「そうですねぇ・・・市議会の議長さんやら会社の社長のご令嬢とかとにかくたくさんいらっしゃいますわ。もちろん、ネギ先生も誘っていますわ。それが? 」
「警備とかって厳重だと聞いたんだけど・・・。」
「もちろんですわ。わが雪広グループですわ。怪しい人物はねずみ一匹でも入れませんわ。だから、安心してくださいですな。」
「んー。何か違和感があるんだけどなぁ・・・。」
と、万全だと言い張るあやかに対して神楽坂明日菜は気にかけたままだった




「疲れたっ」
「メイドの仕事がこんなに忙しいとは思わなかったー。」
「でも、本番は明日よ。それまでに何とかしないと。」
とすべての仕事から解放された3人はあやかの姉が用意してくれた別室に入り込み用意してくれた図面を見ながらにらめっこ。
「パーティーを開催するのはここなんだよねぇ。」
「それ以外にも警備システムは万全とか聞いていたけど、たくさんのお客さんが来るんだよねぇ? 」
「その中に紛れ込むって言うのは? 」
「それ何だなけど・・・お料理の手伝いをしていたときに人影みたいなのを・・・。」
「やっぱり? 」
「わたしも! 」
「と、言うことはもう入り込んでいると言うことかなぁ? 」
「・・・それはわかんないかも。」
「とにかくっ! 明日よ明日。今日は早く寝ましょう。明日も早いんだから。」
神楽坂明日菜は寝ようとするがベッドを見てぼーぜん。
「・・・どー言うこと? 」
そこにあったのは大きなベッドひとつ。そこに3人で寝ろと言うのだ。
「ぜったいにいや! あたし床に寝るから夏美ちゃん使っていいよ。」
「こんな機会めったにないよ。」
「良いよ。わたし、たまにだけどネギと一緒に寝てるし。ここまできて女3人で寝るのはちょっと。」
「ずるーい。」
「一緒に寝ないと・・さびしいかも。」
「もう、仕方がないわね。」
と二人に懇願されしぶしぶ3人で寝ることにしたのであった。




チュンチュン、チュンチュン・・・
「ほら、起きなさい。メイドの基本はご主人よりも先に起きることでしょ? 」
アスナ、早いよ〜。」
「だって・・まだ5時だよ〜。」
「わたし達はただ働きに来てる訳じゃないのよ! いいんちょの護衛と怪しい人を発見すること。ほら、わかったら着替える。」
と新聞配達で早起きに慣れている神楽坂明日菜は寝ぼけ眼の二人をたたき起こす。することといえば庭を回って人が入れそうな場所と隠れそうな場所を探すこと。
しかし、屋敷の周りは高い塀で囲まれており、人っ子一人入れる気配がない。
「ダメだわ。」
「隠れるところもなさそう。」
しばらくするとあやかもやってきた。
「あら、3人さん、どうかなさいましたか? 」
「あっ、いえ、何でも・・・。」
「そうですか・・・ついでですから朝の掃除を頼める? 」
「はっ、はいっ! 」
「それが終わりましたらそれぞれ持ち場についてくださいな。。10時にはお客様がいらっしゃいますわ。あくまでも失礼のないようにしてくださいね。」
「はいっ! 」
と、屋敷の清掃が終わるとまたパーティーの準備が始まる。村上夏美は厨房に入って料理を運んだりする役目で神楽坂明日菜佐々木まき絵はテーブルのセッティング。しばらくすると招待客が続々と入ってくるがその中にはネギと近衛木乃香の姿も。
「やほ〜。まきちゃんにアスナっ。」
「ちょっ、このか。何で来てるのよ。」
「うちも招待されたん。」
「二人ともお似合いですね。まさに・・・」
「こんなとこいいんちょに見られたらどうすんのよ! 」
「ネギ君ひどーい。」
「アサミさんにまゆみさん。何やっているんですか! 」
「ご、ごめんなさい! 」
と持ち場へと戻っていくアスナまき絵
「あらあら。うちのメイドが失礼しましたわ。後でしかっておかないといけませんですわ。」
「それにしてもすごいところやわ。うちの実家と同じくらいやわ。」
「このかさん所もすごいと聞いていらっしゃいますわ。さあそろそろパーティーも始まりますわ。」
と、雑談をしているとパーティーが始まる。あちらこちらに挨拶をするあやか。3人は料理を運んだり片付けたりでてんやわんや。とっても怪しい人を見つけている余裕なんてない。
しばらくすると主賓であるあやかが壇上に立つ。
「皆様、本日はお暑いところをご足労いただきありがとうございますわ。それと皆さんに見せたいものがございますわ。わざわざ雪広グループが私のためにヨーロッパの宝石職人に作られた垂涎の一品でございますわ。」
「(これね。)」
と、物々しい雰囲気の中ベールにくるまれた大きい箱がやってくる。
「それでは、皆さんにお見せいたしますわ。」
とベールが取り払われると宝石とガラスで出来た雪広あやかの彫像。おおーと周りはどよめきを起こすが3人はげんなり。
「さすがいいんちょ・・・。」
「やることなすこと何か抜けてる・・・。」
「でも、こんなの怪盗クローバーが狙うことないわよねぇ。」
と3人はほっとするもなんか拍子抜けしたのであった




パーティーもつつがなく終わり。雪広あやかは自室へと戻る。すると見慣れない女の子の姿が。
「あなた、何者ですの? 」
「ふっふっふっ。見られてしまったデスね。」
「あなた、もしかして? 」
「そうなのでーす。わたしが怪盗クローバなのデス。チェキッ! 」
「自ら名乗る怪盗が何処にいるのですか! それに手に持っているのは・・わたしの大切なもの。返しなさい! 」
クローバーの手には黒い宝石箱。どうやら狙いはそれだったらしい。
「返せといわれて返す怪盗が何処にいると思うのデスか? これはクローバーがもらっていくデス。」
「返しなさい! 」
と、取っ組み合いになる二人。騒ぎを聞きつけた村上夏美もやってくる。
「お嬢様から離れなさい! 」
「ともみさん! 」
とっさに雪広あやかをかばう村上夏美だったが怪盗クローバーはそのスキを乗じて逃げ出してしまう。
いいんちょ。大丈夫? あっ。」
「あなた、もしかして・・・。」
雪広あやかとの取っ組み合いを逃れて宝石箱を持ち出し屋敷から逃げ出そうとする怪盗クローバー。
「ふっふっふっ。鈴凛チャマ特製ブーツがあるから誰も追いつけないデス。後はあらかじめ見つけておいた隠し穴から・・あれ? 」
目の前にいるのはハリセンを持ったメイド服姿の神楽坂明日菜
「この屋敷から出られると思う? 」
「な、何であなたがそんなとこにいるのデスか、怪盗クローバーだって急には止まれないデス!! 」
「とめるつもりはないわよ。この泥棒ネコ! 」
「チェ、チェキー!! 」
パチコーン! 神楽坂明日菜のハリセンが怪盗クローバーを直撃する。はじかれた怪盗クローバーはそのまますっ転び、宝石箱は放物線を描くように飛ばされる。
「あ、クローバーの大事な獲物が・・・。」
「そんなのどうだっていいわ。まきちゃん、お願い! 」
「オッケー!! 」
神楽坂明日菜のバカ力に身動きが取れない怪盗クローバー。宝石箱は佐々木まき絵のリボンに絡み取られまき絵の手元に。
「無事、完了♪ 」
とにっこりするまき絵だが、激高する雪広あやかを見て二人ともぼーぜん。
「お、お嬢様? 」
「どうかしたの? 」
「いったいどういうことですか、ちゃんと説明してくださいますか、アスナさん、まき絵さん、夏美さん! 」
「やば・・・。」




「どうして、変装までしてやってきたのですか! 」
「えっと・・・。」
ネギ先生がどーしてもと言うからこうしたんだけど・・・。」
雪広あやかに問い詰められ言葉を詰まらせながらしょげる3人。
いいんちょさん、どうかしたのですか? 」
「あやか! 」
ネギ先生! それにお姉さま! どういうことなのですか? 」
「それは・・わたしがネギ様に頼んだのです。決してあやかをだまそうとしたのではないの。わかってくださる? 」
「だったら、こんなことしなくても大丈夫なのに・・・。」
「3人ともしっかりやっていましたよ。」
「それはそれですけど・・・。」
「彼女達も彼女達でがんばってくださいましたわ。それに大きな騒ぎも起こさなかったし。彼女達をなじるのはちょっと可愛そうに・・・。」
「そうですよ。」
と二人に説得されるあやか。
「まあ、今回はお姉さまとネギ先生に免じて許してあげますわ。でも、こういうことするんだったら私に一言言ってくださればよろしいのに・・・。」
「良かった・・・。」
と、ほっとする3人。
「そういえば怪盗クローバーは? 」
「今、つれてくる! 」
神楽坂明日菜に引っ張られるようにやってくる怪盗クローバー。
「悪いことはもうしないデス。だからそんなに・・・。」
「まったく、屋敷に踏み込んで人の部屋を物色した上にわたしの大切なものまで奪おうとしたのに懇願するなんて・・・。」
「どうする? 」
「こんなものとって上げますわ! 」
「そ、それは止めるデス! 」
と抵抗するが3人がかりで押さえつけられては何もすることが出来ない。雪広あやかが仮面をはずすと可愛い少女。
「うるうる・・・。四葉、少しはずかしいデス。」
「恥ずかしいだって。」
「こんな仮面つけて怪盗やっている方が恥ずかしいと思うよ。」
いいんちょ。どーする? 」
「まあ、仕方が無いですわ。今回だけ許してあげますけど、次やったらこんなものでは許しませんですことよ。」
「わかったデス。」
とやっと開放される怪盗クローバーこと四葉
「そういえばいいんちょさんの大切なものって・・・。」
「えーい、あけちゃえ! 」
「ちょ、ちょっとまき絵さん! 」
佐々木まき絵が大切そうに持っている黒い箱を開けるとひとつのロケット。その写真には家族の写真が。恥ずかしがる雪広あやか
「ふーん。いいんちょも意外とロマンチストだったのね。」
「でも、意外と家族思いだったんだね。こういったものを大切に持っているなんて・・・。」
「こんなとこをみんなに見られるなんて・・・。」
と、恥ずかしがる雪広あやかを尻目に4人はしげしげと眺めているのであった




「あなたには少しおしとやかに出来ないんですか! 」
「あら、アンタにそんな事言われたくないわよ! 」
しばらくたったある日、雪広あやか神楽坂明日菜は言い争い始め、また一触触発の状態に。
「また、争いか。くだらない。」
「・・・2度あることはサンドバック。」
「・・・10点。」
「まったくこいつらは学習することを知らないのか? 」
とにらみ合いが続く中、誰かが割って入る
「ちょっと。止めようよ。みっともないよ。」
「それにネギ先生だけじゃなくってみんな困っているんだよ。」
止めに入ったのは佐々木まき絵村上夏美
「まきちゃんに夏美さん。」
「まったく二人とも、これはわたしとアスナさんの問題ですわ。あなた達が入ってくる余地はありませんわ。」
「でも、確かにくだらないわね。」
「あら、アナタも少しは学習するんですね。」
「なぁんですってぇー!! 」
「まあ、今回は二人に免じて許してあげますわ。」
「あら、潔いのね。まあ、本当にくだらないしね。」
「ほら、皆さんもそろそろネギ先生がいらっしゃいますわ。席に着きなさい! 」
雪広あやかが手を叩きホームルームの準備を始める。こうして二人は少し大人になったのである。



→追記
毎日ネギま! リターンズに再うp